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食品輸出の温度管理と記録を確かめる手順

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ご搭乗ありがとうございます、機長です。本日の行き先は、食品を輸出するときの温度記録の確かめ方です。出荷前から到着後まで、記録の航路を順にご案内します。

本日の行き先は、温度の記録を確かめる手順です。この記事では、冷蔵・冷凍の食品を輸出するときに、出荷前・輸送中・到着後の順で、温度を測る機器の置き方、記録の残し方、取引先との取り決めで確かめる点を整理します。運び方の使い分けそのものは扱わず、どの運び方でも共通する記録の確かめ方に絞ります。

なぜ温度の記録が要るのか

農林水産省の委託で作られた畜産物輸出の輸送手引書では、輸送中の品質維持や物流のリスクへの適切な対応が、輸出をうまく進める鍵になるとされています。食品は、温度が高すぎても低すぎても品質が損なわれやすく、温度管理の不備は品質劣化の要因になります。ところが、輸送の途中は自社の目が届きにくく、到着後に状態を見ただけでは、いつ、どこで温度が外れたのか分かりません。だからこそ、温度を測って記録に残し、後から確かめられる形にしておくことが土台になります。

管理の目安として、厚生労働省は、冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に維持することを目安として示しています。また、同じ手引書では、輸送時の温度管理について、一般にチルドは0℃から2℃、冷凍は-15℃で一定に保つことが推奨されるとされています。ただし、実際の条件は品目や輸出先国・地域の求める規格、取引先との契約によって変わります。これらの数字は出発点の目安として使い、最終的には品目ごとに取引先と取り決めた温度を基準にしてください。

衛生管理の考え方でも、記録は中心に置かれています。厚生労働省の説明では、衛生管理の手法は、原料の受け入れから最終製品の出荷までの工程の中で、特に重要な工程を管理していくものです。輸出の輸送もその延長にあり、出荷前から到着後までの温度を切れ目なく記録しておけば、異常があったときに、どの区間で、どれくらい外れたのかを事実にもとづいて話し合えます。

手順の全体像:出荷前から到着後まで

温度記録の手順は、出荷前・輸送中・到着後の三つの場面に分けて考えると整理しやすくなります。全体の流れは次のとおりです。

  1. 出荷前に、品目ごとの管理温度と、許容できる範囲を取引先と取り決めます。
  2. 温度を測る機器の動作と、電池や記録できる容量の残りを確かめます。
  3. 梱包の前に、商品そのものを決めた温度まで十分に冷やしておきます。
  4. 機器を置く場所を決め、どの箱に入れたかを箱の番号と対応づけて控えます。
  5. 積み込みのときに、機器が動き始めたことと置き場所を控えに残します。
  6. 輸送中は、積み替えや一時保管の場面で記録が途切れないよう、引き継ぎを確かめます。
  7. 到着後に機器を回収し、記録を読み出して、取り決めた温度と照らし合わせます。
  8. 温度が外れた区間があれば、原因と対応を取引先と共有し、記録と一緒に保管します。

この流れの中で、途中の場面を一つでも省くと、記録に空白ができます。空白の区間は、温度が守られていたかどうかを後から確かめることができません。各場面の詳しい確かめ方は、次の見出しから順に説明します。

機長、手順がたくさんあると、どこから手をつければいいのですか?

まずは温度の取り決めと、機器の置き場所の二つです。

置き場所は、そんなに大事なのですか?

はい。測る場所が違えば、記録される温度の意味も変わります。

出荷前:測る場所と機器の置き方を決める

出荷前にもっとも大切なのは、測る場所の決め方です。冷気の吹き出し口のすぐそばは実際より低く出やすく、扉に近い場所は開け閉めの影響を受けやすくなります。箱の中でも、上の方と下の方、中心と端では温度の出方が違うことがあります。置き場所を決めずに機器を入れると、記録は残っても、それが商品全体の状態を表しているのか判断できません。大きな荷物では、条件の違う場所に分けて機器を入れ、箱ごとに置き場所を控えておくと、到着後の読み合わせがしやすくなります。

商品そのものの冷え方も、出発前に確かめます。厚生労働省は、冷蔵庫や冷凍庫の詰めすぎに注意し、目安として七割程度にとどめるよう示しています。詰めすぎると冷気が回りにくく、中心まで冷え切らないまま出荷することになりかねません。梱包の直前ではなく、十分な時間をかけて商品を決めた温度まで冷やし、冷えたことを確かめてから箱に入れます。あわせて、機器の記録を始める時刻と、測る間隔の設定も出発前に済ませ、積み込みの直前に慌てて操作しない段取りにしておきます。

輸送中:記録の途切れと温度の外れに備える

輸送中で温度が外れやすいのは、積み替えや通関の待ち時間、一時保管など、荷物が動かずに置かれる場面です。手引書でも、急な温度変化や不適切な温度管理が品質劣化の要因として挙げられています。こうした場面をまたいで記録が続くよう、機器は荷物の内側に固定し、途中で取り出されない置き方にします。運送を担う事業者側にも温度の記録がある場合は、どちらの記録を、どの場面で確かめるのかを出発前に決めておくと、到着後の照合がぶれません。

機長、記録が途中で途切れたら、どうなるのですか?

その区間は、温度を確かめる手がかりがなくなります。

では、途切れにくい工夫が要るのですね。

そのとおりです。出発前に電池と記録の空きを確かめておきます。

異常が見つかったときの連絡の手順も、輸送が始まる前に決めておきます。温度の外れに気づくのは到着後になることが多いものの、途中で知らせを受けられる仕組みを使う場合は、誰に、どの時点で連絡し、荷物の扱いを誰が判断するのかを取り決めておきます。判断する人を決めていないと、知らせを受けても対応が遅れ、荷物がそのまま置かれる時間が長くなります。連絡先と判断の流れは、記録の控えと同じ場所にまとめておくと、担当者が替わっても引き継げます。

到着後:記録の読み合わせと取り決めの確認

到着後は、まず機器を回収し、記録を読み出します。見るときは、もっとも高かった温度だけに注目せず、取り決めた範囲を外れた時間の長さと、その外れがどの場面で起きたのかをあわせて確かめます。短い外れと、長い時間続いた外れでは、品質への影響の考え方が変わります。読み出した記録は、出荷前の控えと並べて、置き場所や積み込みの時刻とつき合わせます。ここで初めて、出発前に決めた置き場所の控えが役に立ちます。

機長、記録を見て温度が外れていたら、どうしますか?

まず、外れた時間と場面を記録から読み取ります。

そのあとは、取引先と相談するのですか?

はい。取り決めに沿って、対応を一緒に決めていきます。

取引先との取り決めで確かめる点は、大きく三つあります。一つ目は、記録を渡す形と時期です。読み出した記録をいつ、どのような形で相手に渡すのかを決めておきます。二つ目は、温度が外れたときの扱いです。検品の方法や、受け取りの判断を誰がするのかを、出荷の前に言葉にしておきます。三つ目は、記録の保管です。どの記録を、どれくらいの期間、手元に残すのかを決め、次の出荷で置き場所や梱包を見直す材料にします。記録は一度きりの確認で終わらせず、次の便の改善につなげてこそ、積み重ねる意味があります。

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まとめ

食品を輸出するときの温度管理は、冷やすこと自体と同じくらい、記録を確かめる手順が大切です。出荷前に管理温度を取り決めて機器の置き場所を控え、輸送中は記録が途切れない段取りにし、到着後に記録を読み合わせて取り決めと照らし合わせる。この流れを便ごとに繰り返すことで、温度の外れが起きても事実にもとづいて話し合え、置き場所や梱包の改善にもつなげられます。まずは次の出荷で、置き場所の控えと到着後の読み合わせの二つから取り入れてみてください。

輸出先国・地域の衛生や検疫の規制、品目ごとの温度条件は変わることがあります。実際の出荷では、最新の条件を輸出先国の規制や取引先の求める仕様で確かめ、判断に迷う点は専門家や所管の窓口にご確認ください。

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