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日本茶GIのニュース、産直の売り手と買い手は何を確かめる?

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ふむふむ、お茶の世界が動いているのだ。産直に関わる人が何を確かめればいいのか、いっしょに実験しよう!

2026年10月24日、食品新聞が「日本茶GI推進委員会」の設立を伝えました。ただ、見出しだけでは、小さな生産者や、産直でお茶を売る人、買う人が何をすればよいのかは分かりません。この記事では、ニュースで伝えられた内容を整理したうえで、地理的表示(GI)の制度を農林水産省の資料で確かめ、売り手と買い手が確認したい項目をチェックの形でまとめます。ニュースの速報ではなく、受け止め方の解説です。

ニュースで伝えられた内容を3つに分ける

まず、食品新聞の記事で伝えられた内容を、事実だけに絞って3つに分けます。

1. 煎茶が減り、茶葉の価格が高い状態が続いている

記事によると、碾茶(抹茶の原料になるお茶)への転作が進み、煎茶が減っています。静岡県・鹿児島県のどちらでも、一番茶から三番茶までは高値基調だと伝えられています。

2. 安い海外産の緑茶で不足分を補う動きがある

煎茶が足りない分を、安い海外産の緑茶で補う動きがあり、国内需要の空洞化が懸念されると書かれています。

3. GIの申請が広がり、店頭での訴求も始まっている

日本茶GIの申請は、10月16日時点で72件(約500品)と伝えられています。また、伊藤園がGIマーク付きの「お~いお茶」を店頭で訴求中とのことです。

博士、GIってそもそも何ですか? 産地の名前を書くのと同じですか?

似ているようで違うのだ。GIは国に登録された名前だけが使える仕組みなのだ。

じゃあ、「静岡産」と書くのは自由なんですね。

産地を事実のとおりに書くこと自体と、登録された名称を使うことは別の話なのだ。次の章で確かめよう。

地理的表示(GI)の制度を農林水産省の資料で確かめる

農林水産省の説明では、地理的表示保護制度は、地域ならではの要因によって育まれた品質や社会的評価などを持つ産品の名称を、地域の知的財産として保護する制度です。根拠は地理的表示法(特定農林水産物等の名称の保護に関する法律)で、GIマークという統一のロゴのもとで運用されています。

登録できる産品と、申請する人

農林水産省の資料では、登録の要件として、特定の場所や地域を生産地とし、その土地の自然的・人的な要因と結びついた品質や社会的評価などの特性があること、そしてその特性が確立していることが挙げられています。特性の確立は、おおむね25年以上の生産実績が目安とされますが、周知性などを考えて短くなる場合もあります。名称は、普通名称ではなく、産地と特性を正しく特定できるものであることも必要です。

申請するのは、生産業者が組織する生産者団体で、生産業者が単独で申請することはできません。団体ごとの産品の基準は「明細書」に定められ、名称、生産地、特性、生産方法、生産地との結びつきなどが登録されます。

使える人と、不正使用への対応

地理的表示とGIマークを使えるのは、登録された産品だけです。包装や広告のほか、インターネット販売サイトや外食のメニューでも使えます。加工品にマークを使う場合は、地理的表示や登録産品と一体的に表示する必要があります。不正な使用に対しては、農林水産大臣が措置命令を出す仕組みで、生産者団体が自分で訴訟を起こす必要はありません。

日本茶は登録産品一覧に載っている

農林水産省の登録産品一覧には、「日本茶」が令和8年7月10日付で登録されたと載っています。ニュースで言う「申請」が制度上のどの手続きに当たるのかは、この記事の範囲では確認できていません。申請や使用を考える場合は、農林水産省の登録産品一覧や公示のページ、問い合わせ先で確かめてください。

この点は令和の総合商社のコラム『「B1F 農産・水産フロア」の歩き方。産地を見て選ぶ売り場と、食まわりのお金のルール』でも詳しく触れています。

売り手が確かめる5つのこと

お茶を作っている小さな生産者や、産直で扱っている販売者が、ニュースを読んだあとに確かめたい項目です。GIを使うべきかを決める話ではなく、使うなら何が条件か、使わないなら何に気をつけるか、という確認です。

  • 自分のお茶の産地と、登録されている名称・生産地が合っているか。農林水産省の登録産品一覧で名称を確かめる。
  • 登録のもとになる「明細書」の基準を、自分の生産方法が満たしているか。基準は生産者団体ごとに定められている。
  • 加入できる生産者団体があるか、団体の規約を確認する。
  • 登録産品でないお茶に、登録名称を連想させる言い方をしていないか。
  • パッケージ、商品ページ、チラシなどで「使っていい表示」と「避ける表示」を、農林水産省の使用ガイドラインで確認する。

とくに4つ目と5つ目は、登録されていない産品を扱う人にも関係します。農林水産省のGI使用ガイドライン(令和8年3月)では、登録されていない産品に登録名称を使うとき、明細書にない修飾語(産地外の地名や規格外の区分など)を付けないこと、「風」「スタイル」「模造品」などの表現を付けないこと、翻訳やローマ字などへの変換をしないことが求められています。一方で、生産地内の生産者が「〇〇県産」のように産地を客観的に示す表記は、使用に当たらないとされています。

判断に迷うときは、表示を使う前に農林水産省の知的財産課へ相談するよう案内されています。

博士、うちの近所のお茶は登録されていません。それでも売っていいんですよね?

売ること自体は別の話なのだ。気をつけるのは表示の書き方なのだ。

たとえば、どんな書き方ですか?

登録された名前に「風」を付けたり、ローマ字に直したりする書き方は避けるのだ。迷ったら窓口に聞くのだ。

買い手が確かめる4つのこと

お茶を産直で買う個人の買い物客や、店で仕入れる側にとっても、ニュースは価格の違いをどう受け止めるかの手がかりになります。

  • 商品にGIマークがあるか。あるなら、商品に書かれた名称が登録産品の名称か。
  • 産地の表示が「国産」なのか「県産」なのか。表示の言葉が何を指しているか。
  • 原材料欄に、国産以外のお茶が含まれていないか。ニュースでは、安い海外産緑茶で不足分を補う動きが伝えられている。
  • 販売者の名前と連絡先が、ページや袋に書かれているか。

GIマークは、登録された産品に付くものです。マークが付いていないお茶が悪いお茶という意味ではありません。マークの有無と、作り方や産地の説明の分かりやすさの両方を見る、という受け止め方が現実的です。

また、GIマークの認知度はまだ低いと記事に書かれています。店頭での訴求が10〜11月に行われるとのことなので、売り場で見かけたときは、マークだけで判断せず、名称と表示を落ち着いて読み比べてください。

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農産物・水産物の売り方と買い方をさらに詳しく見る

価格が高いときの産直の受け止め方

ニュースが伝えているのは、茶葉の価格が高い状態が続き、安い海外産緑茶で補う動きがあるという状況です。ここから、小さな生産者や販売者が考えておきたいのは、次の3点です。

価格の理由を、買い手に説明できるか

自分の商品の価格がなぜその額なのかは、自分の言葉で説明する必要があります。産地、摘んだ時期(一番茶か二番茶かなど)、作り方といった事実を、商品ページに整理しておくと伝わりやすくなります。

売り先が細るリスクを、1つの売り先に頼らない形で考える

国内需要の空洞化が心配されているということは、売り先が変わる可能性があるということです。卸売市場経由・直売・ネット販売など、売り先を複数持つ考え方は、お茶に限らず産直全般に通じます。

この点はコミッターズのコラム『抹茶ブーム最新(26億円増設と販路の考え方3つ)』でも詳しく触れています。

制度への参加は、手間と得られるものを見比べる

GIの登録や使用には、団体への参加や基準の遵守が関わります。農林水産省の資料では、生産者団体は生産行程の重要ポイントごとに手順や体制を定めた規程を作り、記録を残して定期的に見直すとされています。自分の規模でどう判断するかは、団体や窓口に相談して決める部分です。

博士、結局、小さな生産者はGIに申し込んだほうがいいんですか?

それは一人ひとりの状況で変わるのだ。今日は、確かめる順番を覚えて帰るのだ。

順番、教えてください!

登録の名称、明細書の基準、団体の規約、表示のルールの順なのだ。実験しよう!

まとめ

日本茶GI推進委員会の設立を伝えるニュースは、煎茶の減少と高値基調、安い海外産緑茶で補う動きによる国内需要の空洞化への懸念、そしてGI申請の広がりを一つにつなげて伝えていました。産直の売り手と買い手が確かめたいことを、最後に整理します。

  • 売り手は、登録の名称、明細書の基準、団体の規約、表示の書き方の順に確認する。
  • 買い手は、マークの有無に加えて、名称、産地の表示、原材料、販売者の情報を読む。
  • どちらも、登録産品一覧と使用ガイドラインなど、農林水産省の一次資料を見て判断する。

制度の細かい扱いや登録状況は変わることがあるため、農林水産省の公表ページで最新の内容を確認してください。

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産地ものの売り方・選び方の情報を見る

地理的表示の使い方や、自分の表示がガイドラインに合っているかは、個別の事情で判断が変わります。登録や表示に迷うときは、農林水産省 輸出・国際局 知的財産課の窓口や、産地の生産者団体、都道府県・市町村の担当窓口にご確認ください。商標や契約が関わる場合は弁理士・弁護士にも相談できます。最終的な判断は専門家や所管の窓口にご確認ください。

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