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先輩だよ!「CO2の算定」って聞くと難しそうだけど、最初にやるのは電気やガスの明細を集めることだよ。まず1個だけやろ、いっしょに順番を見ていこう!
取引先や社内から「会社のCO2排出量はどれくらい?」と聞かれて、何から手をつければよいか迷う総務・広報・SDGs担当の方は少なくありません。この記事では、環境省の公表資料(2026年10月26日時点で確認したページ)をもとに、小さな会社が排出量の算定を始める手順を5つのステップで整理します。分かるのは、排出量を求める基本の式、スコープ1・2・3の違い、電気の排出係数の探し方、自社だけで難しいときの頼り先です。個別の会社にとっての最適な進め方は、この記事だけでは決められません。
CO2排出量の算定とは?基本の式を確認
排出量の算定とは、事業で使ったエネルギーなどから、温室効果ガスの排出量を数字で求めることです。環境省の「温室効果ガス排出量 算定・報告・公表制度」のウェブサイトでは、排出量を次の式で求めると説明しています。
- 温室効果ガス排出量 = 活動量 × 排出係数
活動量は、生産量、使用量、焼却量など、排出につながる活動の規模を表す数字です。排出係数は、活動量の1単位あたりの排出量を表す数字です。たとえば電気なら、使った電気の量(活動量)に、電気事業者ごとの排出係数を掛けて、電気を使ったことによる排出量を計算します。
環境省の「温室効果ガス排出削減等指針」のウェブサイトでは、エネルギー起源のCO2について、「CO2排出量 = エネルギー使用量 × エネルギー種別のCO2排出係数」という形でも示されています。電気、ガス、燃料といったエネルギーの種類ごとに、使った量と係数を掛け合わせていくイメージです。
先輩、排出係数ってなんですか?
使った量1つ分で、どれくらいCO2が出るかを表す数字だよ。
その数字は自分で決めるんですか?
自分では決めないよ。環境省などが公表している一覧から探すんだ。
じゃあ、自分で集めるのは使った量だけですか?
そうだよ。だから最初の仕事は、明細書から使用量を集めることだね。
スコープ1・2・3の違いは?どこまで数えるか
排出量の話には「スコープ」という区分がよく出てきます。環境省のサプライチェーン排出量の算定のページでは、次のように説明されています。
- スコープ1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
- スコープ2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
- スコープ3:スコープ1、スコープ2以外の間接排出で、事業者の活動に関連する他社の排出。GHGプロトコルのスコープ3基準では15のカテゴリに分類される
同じページでは、サプライチェーン排出量はスコープ1、2、3の排出量を足したものとされています。事務所や店舗が中心の会社なら、まず手元の明細で数えやすいのは、社用車や暖房などの燃料(スコープ1)と、買っている電気(スコープ2)です。スコープ3は範囲が広いので、最初から全部を追わず、まず1と2の把握から始める進め方が考えられます。どこまで数えるかは、取引先からの求めや社内の目的によって変わるため、先に確認しておきましょう。
環境省は、サプライチェーン排出量の算定の流れを、算定方法の理解(STEP 0)から各カテゴリの算定(STEP 4)まで、段階を追って示しています。このページの概要資料と詳細資料は、2023年3月1日のリリースと記載されています。
小さな会社が始める5つの手順
ここからは、環境省の「温室効果ガス排出削減等指針」のウェブサイトにある、排出実態の把握(Step 2)の考え方をもとに、小さな会社が始めやすい形に並べ直した5つの手順です。
- 目的と範囲を決める:取引先に出す数字なのか、社内で光熱費とあわせて見直したいのかを決めます。対象は、まず本社や事業所など1か所からで十分です。
- エネルギーの使用量を集める:電力会社やガス会社などの明細書から、エネルギーの種類別に使用量を集計します。環境省の指針では、月別の推移や前年の同じ時期との比較で、改善点を探すことが勧められています。
- 排出係数を調べる:電気、ガス、燃料それぞれの排出係数を、環境省の「算定方法・排出係数一覧」などで確認します。
- 掛け算して合計する:エネルギーの種類ごとに「使用量 × 排出係数」を計算し、足し合わせます。
- 用途や設備ごとに分けて見直す:主な排出源や削減の余地が大きい設備を探すため、用途・設備別に使用量と排出量を分けます。環境省の指針は、計算による推計か、計器による計測で求めるとしています。
手順3から4にかけては、エネルギーの単位をそろえる作業が出てきます。使用量の単位と排出係数の単位がずれていると、数字が大きく狂います。係数の表の単位を確認してから掛け算しましょう。
明細書を集めるときの小さなコツ
手順2は、1か月ぶんだけ眺めても全体が見えません。できれば1年ぶんをそろえると、季節による増減が分かります。足りない月は、集まったぶんから始めて後から埋めましょう。
記録を1か所にまとめる大切さについては、姉妹サイトの「代理店の手数料収入の確定申告|副業の人の進め方」でも、次のように書かれています。
最初の2つは、年が変わる前から始められる作業です。年末に近づくほど記録が散らばりやすいので、今のうちに1つのフォルダにまとめておくと、後の作業が軽くなります。
こちらは手数料収入の記録の話ですが、電気やガスの明細書も、請求の書類を1つのフォルダにまとめておけば、排出量を計算するときに探す手間を減らせます。
先輩、全部の設備を測らないとだめですか?
いきなり全部は要らないよ。まずは明細書の合計で、会社全体の数字を出すんだ。
細かい分け方は、あとからでいいんですね。
そうだよ。全体が分かってから、大きそうな設備に絞って見ればいいんだよ。
電気の排出係数はどこで探す?年度ごとの公表に注意
手順3で迷いやすいのが、電気の排出係数です。環境省の温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度のウェブサイトでは、電気事業者別排出係数の一覧が掲載されています。このページの新着情報によると、令和6年度(2024年度)実績の一覧が2026年1月9日に掲載され、2026年7月23日に一部が追加・更新されています。
2026年7月23日の環境省の報道発表では、令和6年度の電気事業者ごとの基礎排出係数(非化石電源調整済)・調整後排出係数等について、令和7年度中に新規参入した電気事業者の係数を追加するなどの更新があったと案内されています。この係数は、報告の義務がある特定排出者が、令和7年度の排出量を算定するときに使うものとして示されたものです。
ここで押さえたいのは、次の3点です。
- 電気の係数は電気事業者ごとに別々の数字で、年度ごとに公表されます。
- 公表の時期や内容は更新されることがあるため、計算するときは環境省のページで最新の一覧を確認します。
- どの係数を使うかは、取引先や提出先から指定がある場合はそれに従います。迷うときは、相手や支援機関に確認しましょう。
この記事では、具体的な係数の数値は載せていません。使う前に、最新のページで数値と単位を確かめてください。
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自社だけでは難しいときの相談先
環境省の「温室効果ガス排出削減等指針」のウェブサイトでは、自社で算定が難しい場合の外部リソースとして、日本商工会議所の「CO2チェックシート」、中小企業の支援機関、SHIFT事業(計画策定の支援)、省エネルギー診断などが挙げられています。
この指針では、全体の流れも次のステップで整理されています。
- Step 0:意識醸成と社内体制の整備
- Step 1:気候変動が事業に与えるリスク・機会の把握
- Step 2:排出実態の把握(エネルギー使用量と排出量の算定)
- Step 3:削減目標の設定と削減計画の策定
- Step 4:削減対策の実行
- Step 5:情報開示
この記事で扱ったのは、このうちStep 2です。算定は排出の現状を知る入口で、数字が出たあとに、どこから減らすかを考えます。どの窓口が自社に合うかは、所在地や業種によって異なるため、商工会議所や自治体の窓口で聞いてみるのが近道です。
先輩、算定しても、正しいか自信がないです。
最初は大まかでいいよ。手順と使った係数を記録しておけば、あとで見直せるんだ。
記録しておくのは、何がいいですか?
対象の範囲、使った明細、係数の年度の3つだよ。次に計算するときに助かるよ!
まとめ
CO2排出量の算定は、「活動量 × 排出係数」の掛け算が基本です。小さな会社は、目的と範囲を決め、明細書から使用量を集め、排出係数を調べて掛け算し、用途や設備ごとに見直す、という5つの手順で始められます。
- まず、事業所のスコープ1(燃料)とスコープ2(電気)から数える進め方が考えられます。
- 電気の排出係数は、年度ごとに公表されるため、環境省のページで最新の一覧を確かめます。
- 難しいときは、日本商工会議所のチェックシートや支援機関、省エネ診断などを頼れます。
まず1個だけ、今月の電気の明細書を手元に出すところから始めてみましょう。
この記事は、環境省の公表資料にもとづく一般的な情報の整理です。排出量の算定方法、使う排出係数、取引先への報告の仕方、法令にもとづく報告義務の有無は、事業の内容や規模によって異なります。最終的な判断は、環境省や経済産業省、自治体の担当窓口、商工会議所、必要に応じて専門の支援機関や専門家にご確認ください。
参考にした公的資料
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