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ちょいエコ部の先輩だよ! まだ食べられるのに捨てそうな食品があるとき、寄附できたらいいなって思うよね。でも寄附先は、どこでもいいわけじゃないんだ。まず1個だけ、見るところを決めよう!
食品を扱う会社の総務やSDGsの担当になると、「まだ食べられる食品を、捨てずに寄附できないか」と考える場面があります。この記事では、2026年10月時点で消費者庁と農林水産省の公的資料から確認できた内容をもとに、フードバンクを寄附先として選ぶときの見方を整理します。
分かることは3つです。①2026年4月に始まったフードバンク認証制度のしくみ、②審査で見られる項目、③寄附の前に事業者が確認したい項目です。
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| 分類 | 項目数 | 見られる内容 |
|---|---|---|
| 入庫時の確認 | 2項目 | 食品情報の記録、受け取り時の状態確認 |
| 保管時の確認 | 2項目 | 施設・設備の衛生、品質・衛生管理 |
| 提供時の確認 | 2項目 | 食品の状態確認、情報の伝達と管理 |
| 体制・ガバナンス | 3項目 | 転売禁止と合意、保険、事故対応 |
寄附先選びの土台になる、ガイドラインと認証制度
フードバンクは、農林水産省のページでは、食品企業の製造工程で発生する規格外品などを引き取り、福祉施設等へ無料で提供する団体や活動と説明されています。
寄附先を選ぶ目安として、国は二つの土台を用意しています。一つめは「食品寄附ガイドライン~食品寄附の信頼性向上に向けて~」です。食品寄附等に関する官民協議会が取りまとめ、2024年12月25日に公表されました。ガイドラインは、食品寄附者(事業者)、フードバンク、こども食堂等を含む6つの主体を対象に、守る事項を「法令事項」「必要事項」「推奨事項」の3区分で示しています。
二つめが、2026年4月1日から申請の受付が始まったフードバンク認証制度です。消費者庁の説明によると、第三者が、ガイドラインの遵守事項に合っているかどうかを評価する制度で、食品寄附への社会的信頼を高め、寄附を促進することが目的とされています。
先輩、フードバンクって、どこに頼んでも同じじゃないんですか?
団体ごとに規模も扱い方も違うんだよ。だから「何を基準に選ぶか」の物差しが大事なんだ!
その物差しが、ガイドラインと認証制度なんですね。
そのとおり! 次の見出しで、認証のしくみから見ていこう。
フードバンク認証制度のしくみ
消費者庁の資料では、認証制度は二段階でできています。第一段階は、活動実態のあるフードバンクを、申請に基づいてリストに掲載して公表するものです。これは農林水産省の「フードバンクオープンリスト」にあたります。第二段階は、そのリストに載った団体のうち、申請があったものを認証するものです。
認証の事務は、消費者庁に置かれた「フードバンク認証事務局」が行います。食品寄附等に関する官民協議会からは独立して、中立公正に進めるとされています。審査の流れは次のとおりです。
- 農林水産省のフードバンクオープンリストに掲載される
- 認証を申請し、書面審査を受ける
- 書面審査を通った団体が現地確認を受け、両方に合格すると認証証が交付される
認証を受けた団体は、認証フードバンクのロゴマークを使えます。認証後も、年に1度、取組状況などの報告が求められます。
認証を受けた団体の数
消費者庁は2026年7月28日に、最初の認証を行いました。認証されたのは4団体で、特定非営利活動法人フードバンク福岡、認定特定非営利活動法人フードバンク関西、認定NPO法人フードバンク山梨、特定非営利活動法人セカンドハーベスト・ジャパンです。認証フードバンクのリストは、基準日が2026年7月28日時点のものが公表されています。最新の状況は、消費者庁のページで確認してください。
審査で見られる項目
認証の審査基準は、消費者庁の資料で4つの分類、9つの項目として整理されています。
| 分類 | 項目数 | 見られる内容 |
|---|---|---|
| 入庫時の確認 | 2項目 | 食品情報の把握と記録、受け取ったときの状態確認 |
| 保管時の確認 | 2項目 | 施設や設備の衛生管理、食品の品質・衛生管理 |
| 提供時の確認 | 2項目 | 提供する食品の状態確認、情報の伝達と管理 |
| 体制・ガバナンス | 3項目 | 転売等の禁止と提供先・譲渡先との合意、事故に備えた保険加入、事故が起きたときの対応 |
審査基準の本文では、確認事項がさらに57項目に分けて示されています。たとえば保管については、庫内の温度の目安として冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は−15℃以下が挙げられ、庫内温度は記録することとされ、記録の頻度の目安として「活動日に1回以上」が示されています。食品の入出荷に関する記録は、原則として1年以上保存するとされています。寄附者や提供先との合意書を交わすこと、転売を原則として禁止すること、食品が原因の重大な事故に備えて保険に入ることも、項目に含まれています。
先輩、温度や記録まで見られるんですね。寄附する側にも関係あるんですか?
あるよ! 預けた食品が、どう保管されて、誰に渡ったかが分かるかどうかに関わるからね。
認証されていれば、あとは全部お任せでいいんですか?
そこは別の話だよ。寄附する側にも、食品の情報を正しく伝える役目があるんだ。次で確認しよう!
寄附の前に確認したい項目(選び方のチェック)
ここまでの内容をもとに、フードバンクを寄附先として選ぶときのチェック項目をまとめます。ガイドラインの概要には、提供元と提供先で合意しておく事項や、トレーサビリティ(食品の流れを追えること)の記録項目が示されています。
- 農林水産省のフードバンクオープンリストに掲載されているか。消費者庁の認証フードバンクのリストに載っているか
- 活動の内容を公開しているか。審査基準には、定款、役員名簿、事業計画書、報告書、収支決算書を、団体のホームページ、または内閣府や東京都のNPOポータルサイトのいずれかで公開することが含まれます
- 保存方法、期限表示、アレルゲンなど、食品の情報を提供元と提供先でどう共有するか決めているか
- 転売の禁止や事故が起きたときの対応など、合意事項を文書で交わせるか
- 名称、数量、期限、アレルゲン、入出荷年月日、寄附者や提供先の名称を、記録として作って保存しているか
- 事故に備えた保険に入っているか
- 受け入れられる食品の種類、保存の温度帯、引き取りや持ち込みの方法・日時はどうなっているか
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期限表示は、寄附先にそのまま伝える
チェック項目のうち、とくに食品を出す側の仕事になるのが、期限表示などの情報を正しく伝えることです。賞味期限と消費期限は意味が違います。この違いは、姉妹サイトの「卵の賞味期限と表示の疑問、5つの質問で解説」でも、次のように説明しています。
食品表示基準の定義では、消費期限は、定められた方法で保存した場合に、傷むなどして安全性を欠くおそれがないと認められる期限です。賞味期限は、定められた方法で保存した場合に、期待される品質が十分に保たれると認められる期限で、期限を過ぎても品質が保たれていることがあるとされています。
寄附の場面でも、食品に表示された期限が賞味期限なのか消費期限なのかを確かめ、保存方法とあわせて寄附先に伝えることが基本になります。期限が近い食品や、期限を過ぎた食品をどう扱うかは、団体ごとに受け入れの条件が異なる場合があります。持ち込む前に問い合わせて、確かめておきましょう。
認証が見つからないときの考え方
認証制度は2026年4月に始まったばかりで、最初の認証は同年7月28日の4団体でした。地域によっては、近くに認証を受けた団体が見つからないこともあります。
消費者庁の説明では、認証にあたって現在の取扱い量は要件になっていません。小規模なフードバンクの活動を妨げるものではなく、全体として寄附を促進することが目的とされています。認証がないことだけで、管理が不十分だと決めつけることはできません。
そこで、認証は一つの目印として使い、そのほかの項目で確かめる方法が考えられます。オープンリストへの掲載、公開されている資料、合意書の内容、記録の取り方、保険の加入を、団体に直接たずねて確認します。農林水産省のページには、北海道農政事務所、東北農政局、九州農政局が、管内のフードバンク団体の情報を掲載していると案内されています。
なお、消費者庁は認証制度のオンライン説明会を、2026年11月2日(月)の14時から16時まで開くと案内しています。
先輩、近くに認証された団体がなかったら、どうすればいいですか?
認証は始まったばかりで、まだ数が少ないんだ。まずオープンリストで、近くの団体を探してみよう!
認証がない団体は、避けたほうがいいんでしょうか?
決めつけなくていいよ。合意書、記録、保険をひとつずつ聞いて、納得できるか確かめるんだ。
まとめ
フードバンクを寄附先として選ぶときの要点は、次の3つです。
- 国のガイドライン(2024年12月25日公表)と、2026年4月1日から受付が始まった認証制度が、寄附先を見る物差しになる
- 認証は、オープンリストへの掲載、書面審査、現地確認の順で進み、審査では受け入れ・保管・提供・体制の4分類9項目が見られる
- 認証がない団体は、合意書、記録、保険、公開資料を自分で確かめる。期限表示などの食品情報は、出す側が正しく伝える
まず1個だけやろ、というなら、近くのフードバンクを2〜3団体リストにして、上のチェック項目を一つずつ問い合わせてみることから始めてください。
食品の寄附には、食品衛生や表示、事故が起きたときの責任に関わる論点があります。食品の衛生管理は保健所に、食品表示は消費者庁や自治体の窓口に、寄附の税務上の扱いは税理士に、合意書などの契約の内容は弁護士に、それぞれご相談ください。認証制度の詳細は消費者庁のフードバンク認証事務局にご確認ください。最終的な判断は専門家や所管の窓口にご確認ください。