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質問と答え

食品の輸出統計はどこで見る?読み方を質問で整理

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ご搭乗ありがとうございます。機長です。本日の行き先は「輸出の数字の読み方」。地図を持たずに飛ぶと迷いますから、まず統計という計器を確認しましょう。

海外に食品を売りたいと考えたとき、どの国で、どんな品目が動いているのかを知る手がかりになるのが輸出の統計です。ただ、農林水産省と財務省の資料があり、数字の区切り方も公表の時期も違うため、最初は戸惑いやすい分野です。この記事では、2026年10月時点で確認できる公的資料にもとづき、見る場所、違い、読み方、読み違えやすい点を質問と答えの形で整理します。

どこで見の解説(ひとっ飛び輸出部のキャラクターたち)

質問1 食品の輸出額は、どこで見られますか?

答え: 主な入口は2つあります。1つは農林水産省の「農林水産物・食品の輸出実績」のページ、もう1つは財務省の「貿易統計」です。

農林水産省のページには、月ごとの輸出実績に加えて、年ごとの輸出額の概況、国・地域別、品目別の資料が掲載されています。2026年については、8月分までの実績が掲載されており、9月分の公表は11月4日(水曜日)13時の予定と案内されています(2026年10月時点で確認した内容です)。

財務省の貿易統計は、税関が集めた輸出入の記録をもとにした統計です。品目、国、税関ごとの表が用意されており、自分で条件を決めて調べられます。農林水産省の輸出実績は、この貿易統計をもとに農林水産物・食品の区分で整理した資料です。

機長、農林水産省と財務省、どちらを先に見ればよいのですか?

まずは農林水産省の資料です。食品や農林水産物に絞って整理してあり、全体像がつかみやすいのです。

では、財務省の貿易統計はいつ使うのですか?

自分の商品に近い品目を細かく調べたいときです。品目の細かさは、財務省のほうが上なのです。

質問2 農林水産省の数字と貿易統計は、何が違いますか?

答え: 農林水産省は「食品として見やすい区分」、貿易統計は「品目コードごとの細かい記録」という違いがあります。主な違いを表にまとめます。

見る資料 区切り方 向いている使い方
農林水産省の輸出実績 農産物・林産物・水産物、少額貨物の区分。国・地域別、品目別の資料がある 食品全体の動きや、伸びている品目をつかむ
財務省の貿易統計 品目コード別、国別、税関別、運送形態別などの表 自社の商品に近い品目や相手国を細かく調べる

もう1つ大きな違いが「少額貨物」の扱いです。農林水産省の2026年上半期の資料には、1品目20万円以下の貨物は貿易統計に計上されておらず、別途調査を行っていると説明されています。この少額貨物の集計は、1〜6月と7〜12月の年2回です。小口の発送が多い事業者は、貿易統計だけでは全体が見えない場合があると覚えておきましょう。

また、財務省の貿易統計には、速報と確報があります。公表予定の表によると、速報では総額・主な地域(国)・主な品目が、確報では総額・全地域(国)・全品目・運送形態別・税関別が公表されます。細かい国や品目を調べたいときは、確報を待つことになります。2026年は、10月分の速報が11月10日、確報(輸出)が11月18日の予定です。

質問3 2026年上半期の数字は、どう読めばよいですか?

答え: 全体の水準、伸び率、上位の国・地域の3点を順に見ます。

農林水産省が2026年8月4日に公表した資料では、2026年1〜6月の農林水産物・食品の輸出額は8,977億円で、前年同期比は10.9%の増加(880億円の増加)でした。内訳は、農産物5,674億円、林産物394億円、水産物2,384億円、少額貨物526億円です。国・地域別では、金額の大きい順に米国、香港、中国が上位にあります。

ここで大切なのは、全体の数字と、自分の商品が属する区分の数字を分けて見ることです。たとえば同じ資料では、水産物の伸び率が19.5%、農産物が8.5%と、区分によって勢いが違います。全体が伸びていても、自分の商品の区分や相手国が同じ動きとは限りません。

なお、資料には「今後、財務省が公表する確々報値、確定値により変更されることがあります」との注記があります。公表された時点の数字として扱い、のちに改訂される前提で読みましょう。

機長、全体が1割以上伸びているなら、うちの商品も売れやすいということですか?

そうとは言えないのだ。全体の伸びは、品目や国ごとの動きの合計にすぎません。

では、何を見ればいいのですか?

自分の商品に近い品目と、売りたい国の数字です。次の質問で調べ方を説明しますよ。

質問4 自分の商品に近い品目や国は、どこで見て調べますか?

答え: 財務省の貿易統計の検索ページで、品目と国を選んで調べます。次の流れで進めると迷いにくくなります。

  1. 農林水産省の品目別の資料で、自分の商品に近い品目名を探す。
  2. 財務省の貿易統計の検索ページを開く(ブラウザのスクリプト機能を有効にして使うよう案内されています)。
  3. 品目の検索では、統計品目の表と、より大きなくくりの概況品の表から選ぶ。品目コードは、輸出統計品目表などで確認できる。
  4. 国別の検索では、国別の総額表や国別品別表を使う。国名コードは統計国名符号表で確認できる。
  5. 見たい期間の確報が出ているかを確認し、出ていなければ速報で大まかに見る。

貿易統計の検索ページには、航空貨物か海上コンテナ貨物かといった運送形態別の表もあります。輸送手段ごとの動きを見たいときに使えます。

品目コードの選び方は、加工の度合いや原材料の違いで分かれる場合があります。迷ったときは、税関の相談窓口や、都道府県・日本貿易振興機構などの輸出相談窓口に確認すると安心です。

質問5 数字を見るときに、読み違えやすい点はありますか?

答え: 主に4点あります。

  • 輸出額と数量は別物です。金額が増えても、価格の変動や為替の影響で数量は変わっていないことがあります。
  • 期間の違い。1〜6月の累計と、6月の単月を混ぜて比べないようにします。
  • 定義の変更。農林水産省の資料には、2025年から「ソース混合調味料」に酢が、「製材」「合板」の範囲に改良木材などが含まれるようになった、との注記があります。古い年と比べるときは注記を確認しましょう。
  • 加工品を含む品目。同じ資料では、牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵などは、それぞれの加工品を含む金額だと注記されています。

輸出額は日本から出ていった金額であり、現地で売れた金額や、現地での価格とは一致しません。相手国の規制や必要な証明書、現地の商習慣は、統計では分からない部分です。統計は「どこに市場がありそうか」を絞る材料として使い、実際の輸出先は規制や取引条件の確認と組み合わせて検討します。

機長、統計で伸びている国に、すぐ売り込めばよいのでしょうか?

それは早いのだ。伸びている国でも、輸入の条件や必要な書類を満たせるかは別の話ですよ。

確認する順番はありますか?

統計で候補を絞り、次に相手国の輸入条件を確認します。その後で、売り方を考える順番です。

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まとめ

  • 公表予定は変わることがあるため、調べる前に各公式ページで最新の予定を確認する。
  • 入口は、農林水産省の輸出実績(全体像)と、財務省の貿易統計(品目・国の細かい検索)の2つ。
  • 2026年1〜6月の農林水産物・食品の輸出額は8,977億円で、前年同期比10.9%増。公表時点の数字で、のちに改訂されることがある。
  • 少額貨物(1品目20万円以下)は貿易統計に計上されず、別途調査されている。
  • 統計は市場を絞る材料。相手国の輸入条件の確認とセットで使う。

次の公表前に、自分の商品に近い品目を一度だけ引いておくと、新しい数字が出たときに変化に気づきやすくなります。

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統計の読み方や品目コードの選び方、輸出の可否や手続きは、商品や相手国によって異なります。最終的な判断は、税関の窓口、農林水産省や都道府県の輸出相談窓口、日本貿易振興機構、必要に応じて行政書士や通関業者などの専門家・所管の窓口にご確認ください。

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