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質問と答え

貿易条件と関税の基礎は?輸出入の用語を質問で整理

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ご搭乗ありがとうございます。機長です。本日の行き先は「輸出入の用語」、貿易条件と関税という2つの航路を、質問と答えで順に飛んでいきます。

輸出入の話では、本船渡し、運賃保険料込み、品目分類の番号、関税率といった用語が次々に出てきます。この記事では、貿易条件と関税の基礎を5つの質問に分けて整理します。関税の計算や税率の仕組みは、日本に輸入する場合の税関の案内をもとに説明します。輸出先の関税や手続は国ごとに異なるため、輸出する場合は輸出先の制度を別に確認してください。

質問1 貿易条件(インコタームズ)とは何ですか?

答え: 貿易条件は、売主と買主の間で、貨物をどこで引き渡すか、運賃や保険料などの費用と、貨物が壊れたり失われたりしたときの危険(リスク)をどこまで売主が負うかを決める取り決めです。国際商業会議所が定めるインコタームズの条件名が使われることが多く、同会議所のページでは、2020年版が現行の版として紹介されています。条件は11種類あります。

輸出と輸入の通関を誰が行うかも、条件によって変わります。たとえば、売主の工場や倉庫で貨物を渡す工場渡し(EXW)では、輸出の手続も買主側が担います。反対に、輸入国での通関や関税まで売主が負う条件(DDP)もあります。条件によって見積額が変わるため、取引前に十分に取り決めておく必要があると、鳥取県の解説にあります。

機長、三文字の略称が多くて、混乱してしまいます。

略称は、引き渡し場所と費用の分担を表す符号です。まず意味を押さえましょう。

条件は、売主と買主で自由に選べるのですか?

取引ごとに話し合って決めます。見積額が変わるので、事前の取り決めが大切です。

質問2 本船渡し(FOB)と運賃保険料込み(CIF)は何が違いますか?

答え: 本船渡しは、売主が指定された船積港で貨物を本船の船上に置けば引き渡しが終わり、それ以降の費用と損害の危険は買主が負う条件です。運賃保険料込みは、引き渡し場所と危険が移る点は本船渡しと同じで、売主が仕向港までの運賃と保険料も負担する条件です。鳥取県の解説では、本船渡し、運賃込み、運賃保険料込み、工場渡しの4つが、よく使われる条件として説明されています。

条件 売主の負担の目安 買主の負担の目安
工場渡し(EXW) 売主の工場や倉庫で貨物を渡すまで 以降の輸送費用と危険のすべて(輸出の手続も含む)
本船渡し(FOB) 指定の船積港で本船に積み込むまで 以降の国際輸送費と危険
運賃保険料込み(CIF) 本船渡しの範囲に加え、仕向港までの運賃と保険料 船積み以降の危険
輸入通関と関税まで売主が負う条件(DDP) 輸入国での通関と関税まで 指定場所での荷降ろし以降

本船渡し、運賃込み、運賃保険料込みは、海上輸送向けの条件です。コンテナ輸送や航空便などに使えるよう、輸送手段を問わない条件(FCA、CPT、CIPなど)も用意されています。どの条件を使うかは、輸送手段や取引先との関係に合わせて選びます。

質問3 関税はどのように計算されますか?

答え: 日本に輸入する場合、価格に応じて課す関税(従価税)は、課税価格に関税率を掛けて計算します。このほか、数量に応じて課す従量税、価格と数量の両方で課す従価従量税の品目もあります。関税のほか、原則として内国消費税と地方消費税も課されます。

課税価格は、原則として、買主が売主に実際に支払った(支払うべき)価格に、輸入港に到着するまでの運賃・保険料、買主が負担する手数料や容器・包装の費用などを加えて求めます。そのため、本船渡しで契約しても、課税価格は運賃保険料込みに近い金額になる場合があります。外貨建ての価格は、税関長が毎週公示する為替相場で円に換算し、その相場は申告日が属する週の前々週の実勢相場の平均値が基になります。

消費税の課税標準は、課税価格に関税額を加えた額(千円未満は切り捨て)です。標準税率では、消費税7.8%と地方消費税2.2%(消費税額の22/78)を合わせて10%です。次は、仮の数字による計算の流れです。実際の税率は品目や原産地で異なり、端数は切り捨てなどの処理があります。

  • 関税額:課税価格100万円 × 関税率5%(仮) = 5万円
  • 消費税の課税標準:100万円 + 5万円 = 105万円
  • 消費税額:105万円 × 7.8% = 8万1,900円
  • 地方消費税額:8万1,900円 × 22/78 = 2万3,100円

なお、日本から輸出する取引は、要件を満たせば消費税が免除されます(輸出免税)。免税には、輸出許可書など輸出取引を証明する書類を7年間保存する必要があります(国税庁、2026年4月1日現在の法令等)。

機長、この計算は、輸出するときにも使うのですか?

これは日本に輸入するときの仕組みです。輸出先の関税は、その国の制度で決まります。

輸出先の関税は、誰が払うのですか?

貿易条件や契約で決めます。売主が負う条件もあるので、事前に確認しましょう。

質問4 HSコードとは何ですか?

答え: HSコードは、世界共通の商品分類(HS品目表)にもとづく番号で、関税率、貿易統計、原産地規則などを調べる手がかりになります。HS条約は1988年1月に発効し、税関によると、2024年4月現在で日本を含む160の国・地域が加盟しています。

上6桁までは世界共通で、7桁目以降は国ごとに定められています。日本の統計品目番号は9桁で、類(2桁)、項(4桁)、号(6桁)、統計細分(3桁)で構成されます。日本の関税率表と統計品目表は、2022年1月1日から、2022年版のHSにもとづくものに改正されています。

輸入の品目は税関の実行関税率表で、輸出の品目は輸出統計品目表で調べます。日本へ輸入する貨物には、輸入前に品目分類や関税率を税関に照会できる事前教示制度があり、文書による回答書の有効期間は3年とされています。輸出先での品目分類は、輸出先の制度で確認します。

質問5 関税率はどこで調べ、経済連携協定の税率はどう使いますか?

答え: 日本の関税率は、税関の実行関税率表で調べます。実行関税率表は、関税率表、世界貿易機関や経済連携協定の譲許表、輸入統計品目表の情報を一覧にしたものです。税率には、基本税率、暫定税率、特恵税率、世界貿易機関の加盟国などに適用される協定税率、特定の国との経済連携協定で定められた税率があり、原産地に応じて適用される税率が決まります。特恵税率や経済連携協定の税率の適用には、原則として原産地証明書が必要です。

日本から輸出するときにEPAの特恵関税を使う手順は、経済産業省が次の5つに整理しています。

  1. EPAを利用できる輸出相手国を確認する
  2. HSコードを特定する
  3. 関税率を確認する
  4. 原産地規則(産品が協定の条件を満たすか)を確認する
  5. 原産地証明書(または原産地申告)を準備する

証明の方法は協定により異なり、指定発給機関(これまでは日本商工会議所)が発給する証明書、経済産業大臣の認定を受けた輸出者が自ら作成する証明、輸出者や輸入者が自ら行う自己申告があります。証明書に記載するHSコードの版も、協定ごとに定められています。どの方法が使えるかは、協定ごとに確認が必要です。

機長、用語が多くて、全部は覚えきれません。

まずは、貿易条件、課税価格、HSコード、原産地証明書の4つを押さえましょう。

実際の取引では、誰に相談できますか?

税関の相談官、通関業者、ジェトロなどです。輸出先の制度は、輸入する事業者にも確認を。

まとめ

貿易条件は、引き渡し場所、費用、危険の分担を決める取り決めです。本船渡しと運賃保険料込みでは、売主が運賃と保険料を負うかどうかが違います。日本の輸入では、関税は課税価格に関税率を掛けて計算し、課税価格には輸入港までの運賃や保険料などが加わります。品目はHSコードで分類し、適用される税率は原産地や経済連携協定の有無で変わります。

ここで説明した関税の計算は、日本に輸入する場合のものです。輸出先の関税や手続は国ごとに異なるため、輸入する事業者や、税関、ジェトロなどの窓口で最新の情報を確認してください。海外展開について調べたい場合は、下のリンクも手がかりになります。

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関税率や手続は、品目、原産地、輸出入の相手国によって異なり、制度も変更されます。個別の判断は、税関の相談官、通関業者、ジェトロ、経済産業省や商工会議所の原産地証明の窓口、税務は税理士や税務署、契約書は弁護士といった専門家や所管の窓口にご確認ください。最終的な判断は専門家や所管の窓口にご確認ください。

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