PR当サイトは広告を含みます
選び方

原産地証明書は必要?食品輸出でEPAを使うか決める6つの確認項目

当サイトは広告を含みます。

ご搭乗ありがとうございます。機長です。本日の行き先は「原産地証明書の要否の見きわめ」。離陸前に積み荷の書類を点検するように、出荷の前に確認しておきましょう。

食品を海外へ輸出するとき、輸出先で関税が下がる場合があるのが、経済連携協定(EPA)です。ただし、その優遇を受けるには、品物が日本で生産された原産品であることを示す原産地証明書などの手続きが必要になることがあります。この記事では、2026年10月時点で経済産業省や農林水産省などの公的ページから確認できた内容にもとづき、原産地証明書が必要になる場面、三つのしくみの違い、使うかどうかを決める確認項目、取得の流れを整理します。

ひとっ飛び輸出部
原産地証明書は必要?EPAを使うか決める6つの確認項目と3つのしくみ
2026年10月
2026年10月時点
経済産業省・農林水産省などの公的ページで整理
原産地証明書は、EPAの優遇税率を使うための書類です
1使うか決める6つの確認項目
CHECK 1
輸出先と協定があり、品目が対象か(HSコード)

▶

CHECK 2
通常の税率とEPA税率の差

▶

CHECK 3
原産地規則を満たすか

▶

CHECK 4
使えるしくみは第一種・第二種・自己申告のどれか

▶

CHECK 5
根拠書類を出荷までにそろえられるか

▶

CHECK 6
輸入者と書類のやり取りができるか
特に大きな分かれ目は、品目が対象か、税率に差があるか、原産地規則を満たすかの3つです。
2原産地証明の3つのしくみ
しくみ だれが証明するか 使える協定
第一種特定原産地証明書 日本商工会議所が発給 全協定
第二種特定原産地証明書 認定を受けた輸出者が作成 スイス、ペルー、メキシコ、RCEP
原産品申告(自己申告) 輸出者・生産者、または輸入者 日豪、CPTPP、日EU、日英など
第二種の認定要件には、おおむね半年で8回以上の発給が含まれます。
3第一種を取る流れ(STEP1〜7)
STEP 1〜4事前準備:HSコード、特恵税率、原産性の基準を確かめる
STEP 5企業登録:企業情報の審査を受けて登録
STEP 6原産品判定依頼:日本の原産品かの審査を受ける
STEP 7証明書発給申請:申請して手数料を支払う
4農産物の注意点
✔ 判定を省略できる
同じ都道府県で仕入先が異なる場合
2回目以降、同一原産地と判断された産品
✖ 新たに判定を依頼
原産地の都道府県が異なる場合
5まとめ
協定・品目・税率の差・原産地規則の順に確かめ、手数料や日数は発給システムの案内で確認しましょう。出荷日から逆算して進めます。
出典:経済産業省「EPAの概要と原産地規則」(令和7年2月改訂)/農林水産省/日本商工会議所/2026年10月時点ひとっ飛び輸出部

原産地証明書が必要になる場面を確かめる

日本と輸出先のあいだにEPAがある場合、協定で決められた優遇の税率(EPA税率)を使えることがあります。経済産業省の資料には、その例として、マレーシア向けのりんごは通常の税率が5%のところ、EPA税率が0%になると書かれています。ただし、これは2012年時の例で、現在の税率ではありません。実際の品目と国の税率は、協定の譲許表などで確かめる必要があります。

この優遇を受けるときに使われる書類が、特定原産地証明書です。資料では、第一種特定原産地証明書は、輸出者の申請に基づいて発給され、輸入者が通関時に提出するものと説明されています。輸出する側が書類を用意し、輸入する側が現地の通関で使う手続きです。

なお、EPAに基づかない原産地証明書(非特恵原産地証明書)の相談先は、経済産業省のページで商工会議所とされています。この記事で扱うのは、EPAの優遇税率を使うための証明です。

機長、食品を輸出するなら、原産地証明書はいつも必要なのですか?

この記事で扱うのは、EPAの優遇税率を使うための書類です。優遇を使うかどうかで、必要かどうかが変わります。

取引先から書類を求められたときは、どうすればよいですか?

何のための書類かを、まず取引先に聞いてみましょう。EPA用なのか、別の目的なのかで準備が違ってきます。

原産地証明書の三つのしくみを比べる

EPAの原産地証明には、大きく三つのしくみがあります。経済産業省の資料「EPAの概要と原産地規則」(令和7年2月改訂)の整理を、同じ観点でそろえると次のとおりです。

しくみ だれが証明するか 使える協定(資料の記載) 確認できた特徴
第一種特定原産地証明書(第三者証明) 日本商工会議所が発給 全協定 輸出者の申請に基づき発給され、輸入者が通関時に提出する
第二種特定原産地証明書(認定輸出者自己証明) 経済産業大臣の認定を受けた輸出者が作成 スイス、ペルー、メキシコ、RCEP 発給コストとリードタイムを抑えられると記載されている
原産品申告(自己申告) 輸出者・生産者、または輸入者 日豪、CPTPP、日EU、日英、RCEP(豪・NZ・韓国向けのみ)。日米貿易協定は輸入者による申告のみ 第三者の発給は不要で、原産地証明文書を作成して申告する

第二種は、経済産業大臣の認定が必要です。資料に書かれた認定の要件には、EPAの原産地証明書の発給を定期的に受けていること(おおむね半年で8回以上)が含まれます。初めて輸出する事業者や輸出の回数が少ない事業者は、この要件を満たしにくいため、まず第一種か自己申告が候補になると考えられます。

どのしくみが使えるかは、輸出先の国や協定ごとに決まっています。同じ国でも協定によって扱いが変わることがあるため、表の協定名に当てはまるかどうかを、輸出前に確かめておきましょう。

使うか決める六つの確認項目

原産地証明書を使ってEPA税率を求めるかどうかを決めるための確認項目です。

  • 輸出先の国と日本のあいだに協定があり、自分の品目が対象か。まず品目のHSコードを確かめます。HSコードは6桁までが世界共通で、日本では9桁まで細かく分かれていると資料に書かれています
  • 通常の税率とEPA税率にどれだけ差があるか。各協定の譲許表や、ジェトロの「世界各国の関税率」で確認する方法が資料に紹介されています
  • 原産地規則を満たすか。資料では、関税分類変更基準、付加価値基準、加工工程基準という判断の考え方が示されています
  • 使えるしくみは第一種、第二種、自己申告のどれか。輸出先の協定が、前の表のどこに当てはまるかを確認します
  • 根拠となる書類を出荷までにそろえられるか。仕入書、納品書、生産証明書、製造証明書など、品目によって必要な書類が違います
  • 輸入者と書類のやり取りができるか。第一種は輸入者が通関時に提出するため、輸入側の担当者との連絡が欠かせません

この六つのうち、品目が対象か、税率に差があるか、原産地規則を満たすか、は特に大きな分かれ目です。税率の差が小さい場合は、手間と見合うかどうかも考えどころです。

機長、原産地規則を満たすかどうかは、どうやって判断するのですか?

協定ごと、品目ごとに規則があります。資料では、HSコードの変更の有無で見る方法、付加価値の割合で見る方法、重要な製造工程で見る方法が紹介されています。

自分で判断できなかったら?

日本商工会議所に判定を依頼する手順があります。それ以前の相談は、EPA相談デスクなどが窓口です。

PR(当サイト関連サービスへのリンク)

この分野をさらに詳しく見る

第一種の原産地証明書を取る流れ

第一種特定原産地証明書の発給システムのページには、STEP1からSTEP7までの流れが示されています。STEP1〜4が事前準備、STEP5〜7が実際の手続きです。

  1. 事前準備(STEP1〜4):HSコード、特恵税率、原産性の基準を確かめる
  2. 企業登録(STEP5):企業情報の審査を受けて登録する
  3. 原産品判定依頼(STEP6):産品が日本の原産品かどうかの審査を受ける
  4. 証明書発給申請(STEP7):申請して手数料を支払う

登録が済むと、登録した企業向けの発給システムにログインして、申請、判定結果の確認、証明書の発行の手続きを行います。農林水産省のページにも、まず日本商工会議所の発給システムで原産品判定を依頼し、その結果をもとに第一種特定原産地証明書の発給を申請する、という二段階の流れが書かれています。

手数料の金額や、審査と発給にかかる日数は、確認したページには書かれていませんでした。年末の出荷を考えているときは、余裕を持った日程で、発給システムの案内や相談窓口に確かめておきましょう。

青果物・茶・米粉と、産地が変わるときの注意

農林水産省のページには、農産物の原産地証明書について、注意点がまとめられています。取り上げられている品目は、HSコードの7類(野菜)、8類(果実)、9類(茶など)、10類(米など)、11類(米粉など)です。

  • 必要書類は、署名入りの生産証明書か、仕入書・納品書・分荷表などのいずれかです。青果物は簡素化され、仕入書などに県名などの原産地情報があれば判定できると書かれています
  • 緑茶や米粉などの加工品は、仕入書などに加えて、農林産加工品に係る製造証明書が必要です
  • 原産地の都道府県が異なる場合は、新たに原産品判定を依頼します。同じ都道府県で仕入先が異なる場合は、判定を省略できます
  • 判定の有効期限はなく、2回目以降は同一原産地と判断された産品なら、再判定なしで過去の判定結果を使って申請できます
  • 仕入書などの保存義務があり、保存期間は利用する協定によって異なります

生産者が分からなくても、日メキシコ協定と日ペルー協定を除き、判定や申請はできると書かれています。ただし、輸入国から生産者の情報を求められることがあります。

根拠の書類を保管しておくという考え方は、国内の米の表示にもあります。この点は、姉妹サイトの「米の選び方:品種・精米時期・産地の見かた」でも、次のように説明しています。

2021年7月1日の制度変更により、農産物検査の証明がない米でも、根拠となる資料を保管していれば、産地・品種・産年を表示できるようになりました。

出典:もぐもぐ産地ラボ「米の選び方:品種・精米時期・産地の見かた」

国内の表示の話ですが、産地を示すには根拠の資料を手元に残す、という点は、輸出の原産地の手続きにも通じます。仕入書や納品書は、保管する前提で整理しておきましょう。

機長、仕入先が毎回変わる場合は、そのたびに判定が必要ですか?

農林水産省のページでは、同じ都道府県の産品なら、仕入先が違っても判定を省略できるとされています。産地の県が変わるときは、新たに依頼します。

年が変わったら、また最初からですか?

判定の有効期限はないと書かれています。ただ、協定や手続きが更新されることもあるので、最新のページは見ておきましょう。

まとめ:出荷前に原産地証明書の要否を確かめる

食品輸出での原産地証明書は、EPAの優遇税率を使うための書類です。使うかどうかは、輸出先に協定があるか、品目が対象か、通常の税率との差、原産地規則、使えるしくみ、根拠書類、輸入者との連携という順で確かめます。

  • しくみは三つ:第一種(日本商工会議所が発給)、第二種(認定輸出者が作成)、自己申告
  • 第一種は、企業登録、原産品判定依頼、発給申請の順に進める
  • 農産物は、産地の県や書類の種類で判定の扱いが変わる
  • 手数料や日数は、発給システムの案内や相談窓口で確かめる

原産地証明書の準備は、出荷日から逆算して進めます。年末に向けて、早めに輸出先の税率と協定を確かめておきましょう。

原産地証明書の要否、原産地規則の判断、税率の適用は、品目や輸出先、協定によって異なります。最終的な判断は、日本商工会議所、EPA相談デスク、農林水産省のEPA利用相談窓口、税関、通関業者などの専門家や所管の窓口にご確認ください。

この記事が気に入った方は、ぜひシェアしてください。

XでシェアFacebookでシェアLINEでシェア

記事一覧へ