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みんな、集まってくれてありがとう。準備から文化祭、休みの準備も早めにね。有給休暇のしくみを、みんなでやろう。
初めて人を雇う小さな会社では、給与や社会保険の手続きに目が向きやすく、年次有給休暇(いわゆる有給)は後回しになりがちです。けれども、条件を満たした人には、雇い入れから6か月後に年次有給休暇が発生します。年末年始の休みを決めるこの時期は、付与日数と年5日の取得義務を確かめておくのによい機会です。この記事では、厚生労働省の資料にもとづき、付与の条件、日数、パートの場合、年5日の義務、管理簿などを5つの質問と答えで整理します。2026年10月27日時点で確認した内容です。
質問1 年次有給休暇は、いつ、だれに発生しますか?
答え: 雇い入れの日から6か月がたち、その間の全所定労働日の8割以上出勤した人に発生します。厚生労働省は、この2つを満たすことが条件だと案内しています。2回目以降は、直近1年間の出勤率が8割以上であることが条件です。
正社員だけの制度ではありません。パートタイム労働者など、所定労働日数が少ない人にも付与されます。アルバイトだけの会社でも関係があります。
フルタイムに近い働き方(週の所定労働日数が5日以上、週の所定労働時間が30時間以上、または年間の所定労働日数が217日以上)の人への付与日数は、次の表のとおりです。
| 継続勤務の期間 | 付与される日数 |
|---|---|
| 6か月 | 10日 |
| 1年6か月 | 11日 |
| 2年6か月 | 12日 |
| 3年6か月 | 14日 |
| 4年6か月 | 16日 |
| 5年6か月 | 18日 |
| 6年6か月以上 | 20日 |
出典は厚生労働省の「年次有給休暇とはどのような制度ですか」のページです。付与された日は、働いた日と同じ扱いになり、休んだことを理由に賃金を減らすことはできません。
委員長、入社して半年で、もう10日も休めるんですか?
条件を満たせば、法律上は10日が発生するよ。出勤率が8割以上かどうかも見てね。
社員が1人だけの会社でも同じですか?
人数は関係ないよ。1人でも雇えば、条件を満たした日に発生するんだ。
準備しておくことはありますか?
入社日をもとに、いつ発生するかを一覧にしておくと安心だよ。
質問2 パートやアルバイトの付与日数は、どう決まりますか?
答え: 週の所定労働日数(または年間の所定労働日数)に応じて、日数が少なくなる「比例付与」で決まります。対象は、週の所定労働時間が30時間未満で、週の所定労働日数が4日以下(または年間48日から216日)の人です。
| 週の所定労働日数 | 年間の所定労働日数 | 6か月 | 1年6か月 | 2年6か月 | 3年6か月 | 4年6か月 | 5年6か月 | 6年6か月以上 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 4日 | 169日から216日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 |
| 3日 | 121日から168日 | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 |
| 2日 | 73日から120日 | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 |
| 1日 | 48日から72日 | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
上の表は、同じ厚生労働省のページに載っている付与日数です。週の所定労働日数が曜日ごとに決まっていない場合は、年間の所定労働日数で見ます。
なお、育児休業の期間は出勤したものとみなされ、休業期間を含めた出勤率が8割以上なら、法定の日数を付与します(厚生労働省のスタートアップ向けの案内)。
質問3 「年5日」の取得義務とは、どういう決まりですか?
答え: 年次有給休暇が年10日以上付与される人について、会社が、付与した日(基準日)から1年以内に、5日分の時季を指定して取得させなければならない決まりです。2019年4月から、すべての会社が対象です。対象は10日以上付与される人で、パートや有期雇用の人も含まれます。繰り越した分は含めず、その年度に付与される法定の日数で判断します。
流れは次の4つです。
- 入社日などを基準に、基準日(10日以上を付与する日)を決めます。
- 時季を指定する前に、本人の意見を聞きます。面談、取得計画表、メールなど、方法は問われません。
- 聞いた意見をできる限り尊重して、取得する日を指定します。
- 就業規則に、対象の範囲と時季指定の方法を書いておきます(労働基準法第89条)。
本人が自分で請求して取った日や、労使協定による計画的付与で取った日が合計5日に達したら、会社が時季を指定する必要はなく、指定することもできません。半日単位の取得は0.5日として数えられますが、時間単位の年休と、会社が独自に設けた特別休暇は、5日から差し引けません。
委員長、本人が取らない場合は、会社が決めていいんですか?
先に本人の意見を聞くのがルールだよ。聞いたうえで会社が日を指定するんだ。
もう本人が3日取っていたら、どうなりますか?
残りの2日分が対象になるよ。合計で5日に達したら指定は不要なんだ。
結局、何を決めておけばいいですか?
基準日、意見の聞き方、就業規則の書き方の3つだよ。
基準日の考え方は、付与のしかたで変わります。入社日に10日を付与したなら、その日から1年以内が期限です。一部を前倒しで付与した場合は、付与日数の合計が10日に達した日が基準日になります。付与日を前倒しする場合の細かな扱いは、労働基準監督署などで確認してください。
この点は令和の総合商社のコラム『初めての採用の前に整える3つ。就業規則・社会保険・有給をまとめて確認する完全ガイド』でも詳しく触れています。
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質問4 年末年始の休みは、年次有給休暇とどう違いますか?
答え: 年末年始の休みの日数や、どの日を休日にするかは、会社が就業規則などで決める「休日」の話です。労働者の請求で取る年次有給休暇とは、仕組みが別です。
休日については、会社は少なくとも週に1回(例外として4週間に4日以上)与える必要があります。これが法定休日です。週の労働時間の上限を守るために、多くの会社が週の2日目の休日(所定休日)を設けています。厚生労働省の都道府県労働局の案内では、法定休日に働いた場合は35%以上の割増賃金が必要で、所定休日に働いた場合は25%増しとされています(所定休日は、その週の労働時間によります)。法定休日がいつなのかを就業規則などで明確にしておくことが望ましい、とされています。休日に関する事項は、必ず就業規則に書く事項です。
年末年始に会社全体を休みにしたい場合は、労使協定を結んで年次有給休暇を計画的に付与する方法があります。計画的付与は、年5日を超える部分について、あらかじめ日を決めて年次有給休暇とする仕組みです。会社全体の一斉休業、班や部署ごとの交替、個人別の計画表といった形があります。ただし、5日分は、本人が自由に時季を指定して取れるように残す必要があります。
休み方を決めるときは、「休日にするのか」「年次有給休暇として扱うのか」を分けて考えます。年次有給休暇として扱うなら、日数を使い切ってしまわないか、まだ発生していない新入社員がいないか、も確かめます。この点は、労使協定の作り方を含め、社会保険労務士などの専門家に相談すると安心です。
質問5 会社が守る決まりと、守らなかったときはどうなりますか?
答え: 管理簿をつくる、請求を不当に断らない、取得を理由に不利益な扱いをしない、の3つが中心です。年5日を取得させなかった場合は、労働基準法第120条により、30万円以下の罰金の対象になります(労働者1人につき1罪)。
- 年次有給休暇管理簿: 労働者ごとに作り、時季、日数、基準日を記録します。年次有給休暇を与えた期間中と、満了後3年間、保存します。
- 時季変更権: 労働者が指定した時季に与えるのが原則です。事業の正常な運営を妨げる場合に限り、別の時季に変えられます。厚生労働省は、これを年度末や決算期の繁忙期に請求が集中するような場合に限られると案内しています。
- 不利益な扱いの禁止: 取得を理由に賃金を減らすことや、精皆勤手当・賞与の算定で欠勤扱いにすることはできません。
- 時効: 請求権は、基準日から2年で消えます。
管理簿の未作成や、時季指定をするのに就業規則へ書いていない場合も、罰則の対象になりえます。
委員長、忙しい時期に断ってもいいですか?
断れるのは、事業の正常な運営を妨げる場合だけだよ。ただの忙しさでは足りないんだ。
断るときは、取らせないということですか?
違うよ。取る日を別の時季に変えてもらうだけで、権利がなくなるわけじゃないんだ。
管理簿は紙でないとだめですか?
形の指定は資料に書かれていないよ。時季、日数、基準日が分かればいいんだ。
まとめ 初めて雇う会社が最初にそろえる4つ
年次有給休暇は、雇い入れから6か月後に、出勤率が8割以上の人に発生します。付与日数は働き方で決まり、フルタイムの人は最初の10日から、パートなどの人は比例付与の日数から始まります。10日以上付与される人には、年5日の取得義務があります。最初にそろえるのは、次の4つです。
- 人ごとの入社日と、付与日(基準日)の一覧
- 週の所定労働日数に応じた付与日数の確認
- 本人の意見の聞き方と、就業規則の時季指定の書き方
- 年次有給休暇管理簿(3年間保存)
年末年始の休みを決めるときは、休日と年次有給休暇を分けて考え、計画的付与を使う場合は労使協定を先に整えます。個別の事情があるときは、次のフォームも使えます。
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就業規則の書き方、労使協定の作成、付与日数の個別の判断は、会社の状況によって変わります。社会保険労務士や、所轄の労働基準監督署の窓口にご相談ください。最終的な判断は専門家や所管の窓口にご確認ください。
参考にした公的資料
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