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おっちゃんやで。フランチャイズで独立したい人は、お金の話を先に全部聞いとき。融資の相談に行く前にやることを、順番に並べたるわ。
フランチャイズの開業資金は、本部から示された金額を並べるだけでは、全体像がつかみにくいものです。この記事では、中小企業庁、公正取引委員会、日本政策金融公庫の公開ページを手がかりに、加盟を考えている個人が融資を相談する前に整理しておきたいことを、6つの手順で説明します。確認日は2026年10月26日です。
- 本部から契約前に書面と説明を受け、金額と条件を集める
- 集めた金額を設備資金と運転資金に分ける
- 本部の予想売上は、根拠を確かめてから計画に使う
- 出店地を決め、創業計画書にまとめる
- 日本政策金融公庫の融資の条件を確かめる
- 契約の前に、資金計画と契約条件を見直す
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| 区分 | 入るもの |
|---|---|
| 設備資金 | 店舗の内装や機器など、開業前にまとめて払うもの |
| 運転資金 | 仕入や経費の支払い。ロイヤルティも毎月の支出に関わる |
| 加盟時に払う金銭 | 性質・金額・返還の有無と条件を書面で確かめる |
手順1:フランチャイズの開業資金は、契約前の書面から集める
フランチャイズの開業資金を考える最初の材料は、本部から受け取る書面です。中小企業庁の案内によると、中小小売商業振興法第11条は、特定連鎖化事業を行う本部事業者に、事業概要や契約の主な内容などを書面で交付し、説明することを求めています。時期は、契約を締結する前です。
ただし、すべてのフランチャイズが対象とは限りません。小売業でも、飲食店などで商品供給が契約条件になっていないなど、特定連鎖化事業の6つの要件に当てはまらなければ、この法律上の義務の対象にはなりません。その場合も、加盟者にとって重要な事項は事前に開示することが望ましいとされています。金額と条件は書面でほしいと伝えるのが、整理の出発点です。
公正取引委員会の「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」(令和3年4月28日改正)は、本部が加盟者を募集するときに開示することが望ましい事項として、次のようなものを挙げています。
- 加盟後の商品などの供給条件(推奨仕入先の制度など)
- 事業活動上の指導の内容、方法、回数、費用負担
- 加盟時に徴収する金銭の性質、金額、返還の有無と条件
- ロイヤルティの額、算定方法、徴収の時期と方法
- 決済の仕組みや条件、本部による融資の利率
- 事業上の損失への補償の有無と内容、経営不振時の支援の有無と内容
- 契約期間、更新・解除・中途解約の条件と手続
- 近隣への同一・類似業種の出店に関する契約条項の有無と内容、出店計画の有無
この一覧は、開業資金の入り口の金額と毎月の支出の両方を拾うための目印になります。どの項目が書面のどこにあるかを、ひとつずつ確かめましょう。
おっちゃん、フランチャイズの書面って、もらえんこともあるんか?
法律で決まった書面の対象かどうかは、事業の中身で変わるんやで。
対象外やったら、聞いても答えてくれへんの?
重要なことは先に開示するのが望ましいとされとる。金額と条件は書面でくれて言うとき。
口で聞いただけやと、あかんの?
あとで言った言わんになるやろ。数字は紙に残しとき。
手順2:開業資金を設備資金と運転資金に分ける
次に、集めた金額を「設備資金」と「運転資金」に分けます。日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金のページも、資金のお使いみちを、新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金としています。
設備資金には、店舗の内装や機器など、開業前にまとめて払うものが入ります。一方、加盟時に本部へ払うお金は、ガイドラインでは「加盟時に徴収する金銭」として、性質、金額、返還の有無と条件が開示事項に挙がっています。呼び方が加盟金でも別の名前でも、何の対価で、やめたときに戻るのかを書面で確かめます。公庫の様式のどの欄に入れるかは、窓口で確認しましょう。
運転資金は、仕入や経費の支払いにあてるお金です。フランチャイズでは、ロイヤルティの額、算定方法、徴収の時期と方法が毎月の支出に関わります。運転資金の見積もり方については、姉妹サイトの「事業計画書の書き方は?融資・補助金に使う前の質問と答え」でも、次のように説明しています。
運転資金は、事業が黒字化して資金繰りが安定するまでの分を見積もり、販売先からの入金条件と仕入先への支払条件も踏まえます。また、自己資金の割合が高いほど借入の割合は低くなり、余裕をもった資金繰りが可能になるとされています。
フランチャイズでは、仕入先が本部の指定になる場合もあります。ガイドラインが商品などの供給条件や決済の仕組みを開示事項に挙げているので、仕入先への支払条件も、本部の書面で確かめましょう。
手順3:本部の予想売上は、根拠を確かめてから使う
本部が加盟希望者に予想売上げや予想収益を示す場合について、ガイドラインは、類似した環境にある既存店舗の実績などの根拠ある事実や、合理的な算定方法などに基づくことが必要としています。
数字を受け取ったら、次の点を聞いて書面でもらいます。
- どの店舗の実績か、自分の出店予定地と似た環境といえるか
- 売上から経費、ロイヤルティを引いた後に、手元に何が残る計算か
ガイドラインは、人手不足や人件費高騰など、経営に悪影響を与える情報の提示も望ましいとしています。
おっちゃん、本部が出す予想売上って、そのまま信じてええの?
信じる前に、根拠を聞くんや。似た環境の店の実績か、どう計算したか、やな。
根拠が出てこんかったら?
その数字は、自分の計画には使わんとき。わからんまま借りるのが一番こわいで。
ほな、予想より悪い数字も考えとくん?
せや。悪い場合でも返せるか、計画の中で確かめとくんや。
手順4:出店地を決め、創業計画書に落とし込む
日本政策金融公庫は、新たに事業を始める方に事業計画などを記入してもらう書類として、創業計画書の様式をPDF形式と表計算ソフト形式で公開しています。書き方を解説する動画もあり、作成ストーリーの全4話には「資金計画」編と「収支計画」編が含まれています。
公庫のよくある質問には、創業予定地が未定でも申し込めるか、という質問があります。公庫の答えは、創業予定地が未定だと資金計画が定まらず、収支計画も立地条件を踏まえた売上や経費の予測が立てられないため、まずは出店地を決定してから申し込んでください、というものです。フランチャイズの開業資金も、考え方は同じと考えられます。本部の出店計画や物件の話は書面で確かめ、出店地が固まってから融資の申込みに進みます。
申込みの窓口は、個人の場合は創業予定地を管轄する支店、法人の場合は法人登記上の本店所在地を管轄する支店です。
手順5:フランチャイズの開業資金を公庫に相談するときの条件
新規開業・スタートアップ支援資金のページに書かれている主な条件は、次のとおりです(2026年10月26日時点の確認内容です)。
- 対象:新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方。ただし、適正な事業計画を策定し、計画を遂行する能力が十分あると認められる方に限られます。
- お使いみち:設備資金と運転資金
- 融資限度額:7,200万円
- 返済期間:設備資金は20年以内、運転資金は10年以内で、どちらも据置期間は5年以内
- 利率:お使いみち、返済期間、担保の有無などによって異なります。要件によって特別利率の区分もあります。
- 担保・保証人:希望を聞きながら相談するとされています。
限度額は上限であり、その額を借りられるという意味ではありません。審査の結果、希望に沿えないこともあります。創業計画書の提出などで、事業計画の内容を確認するとされています。
自己資金については、重要な要素のひとつだが、それ以上に創業計画全体がしっかりしているかが重要、と公庫のよくある質問にあります。創業資金総額に占める自己資金の割合は、公庫の調査で平均で2割程度とされていますが、これは平均で、満たすべき基準ではありません。
申込みから融資が決まるまでの期間は、平均的には3週間程度です。ただし、融資の条件などによっては時間がかかる場合もあります。加盟契約や物件契約の時期から逆算して、余裕をもって相談を始めましょう。
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おっちゃん、限度額が7,200万円なら、そこまで借りられるんか?
ちゃうちゃう。それは上限や。計画と審査で決まるんやで。
自己資金は、平均2割やったら2割あればええ?
平均は目安にならん。計画全体がしっかりしてるかが大事やと公庫も書いとる。
ほな、いつ相談に行ったらええの?
審査は平均3週間ほどや。契約の日から逆算して、早めにな。
まとめ:フランチャイズの開業資金は、契約の前に整理する
フランチャイズの開業資金は、本部の書面から金額と条件を集め、設備資金と運転資金に分け、予想売上の根拠を確かめ、出店地を決めて創業計画書にまとめる、という順で整理できます。融資の相談は、その後です。
契約の前には、整理した資金計画と契約書を見比べます。契約期間、更新・解除・中途解約の条件と手続は、開示が望ましい事項のひとつです。中途解約の違約金については、実際の負担を十分に開示する必要があるとガイドラインにあります。やめるときに払うお金も、開業資金と同じ表に書き足しておきましょう。
解除の条件など、加盟者にかかる義務や責任は、加盟前に確認しておくことが重要とされています。
この記事は一般的な情報の整理であり、特定の本部や融資のすすめではありません。契約の内容は弁護士に、資金計画は中小企業診断士や税理士に、融資の条件は日本政策金融公庫の窓口に、制度の運用は中小企業庁などの所管の窓口にご確認ください。最終的な判断は専門家や所管の窓口にご確認ください。
参考にした公的資料
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