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質問と答え

個人で代理店の仕事を受けるとフリーランス法の対象?

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ようきたな。ひとりで代理店や営業代行の仕事を受けるなら、守ってくれる法律のことも知っとかなあかんで。先に全部聞いとき、よう出る質問から順番に答えたるわ。

知らんまま契約すると、損するのは自分なんやで。この記事では、個人や一人社長が、ほかの会社から営業・紹介・販売の手伝いといった仕事を受けるときに関わる「フリーランス・事業者間取引適正化等法」(以下、フリーランス法)について、よくある質問を5つ取り上げます。2026年10月21日時点で確認した条文と、公正取引委員会・厚生労働省・中小企業庁の資料にもとづく一般的な解説です。自分の契約が対象になるかどうかの個別の判断はしていません。

質問1:フリーランス法とは何で、なぜいま確認したいのですか?

答え:正式な名前は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」で、2024年11月1日に施行されました。個人が事業者として受けた仕事に安定して取り組めるよう、仕事を頼む側(発注する事業者)に、条件の明示などを義務づける法律です。中身は大きく2つに分かれ、取引の適正化(条件の明示、報酬の支払期日、禁止行為など)と、働く環境の整備(募集情報の正確な表示、育児・介護への配慮、ハラスメント対策、契約解除の予告など)が定められています。

いま確認しておきたい理由は、時期の動きがあるからです。公正取引委員会は、2026年10月8日から11月30日までを「フリーランス法広報強化期間」とし、特設サイトの開設や説明会などで周知を進めるとしています。また、公正取引委員会と厚生労働省が出している解釈の資料「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の考え方」は、2026年10月1日付で改正されています。受ける側も、この機会に基本を押さえておきましょう。

おっちゃん、フリーランス法って、絵描きさんやライターさんの話ちゃうの?

職種で決まる法律やないで。個人や一人社長が事業として仕事を頼まれたら、まず関係あるか考えるんや。

ほな、代理店の仕事でも関係あるかもしれんってことか?

そうや。ただ、取引の形によって当てはまり方がちゃうから、次の質問で見ていこか。

質問2:個人で代理店や営業代行の仕事を受けると、対象になりますか?

答え:取引の形によります。法律が守る相手は「特定受託事業者」で、次のどちらかに当てはまる事業者です。

  • 個人で、従業員を使用していない
  • 法人で、代表者1人のほかに役員がおらず、従業員も使用していない

ここでいう「従業員を使用」とは、1週間の所定労働時間が20時間以上で、かつ継続して31日以上雇用される見込みの労働者を雇っていることを指します。同居の親族だけを使っている場合は、従業員の使用に当たらないとされています。

もう1つの条件は、その仕事が法律上の「業務委託」に当たることです。業務委託とは、事業者がその事業のために、ほかの事業者に①物品の製造(加工を含む)、②情報成果物(プログラム、映像、デザイン、文章など)の作成、③役務の提供を委託することをいいます。役務の提供は「サービス全般について労務又は便益を提供すること」とされ、委託とは、役務の内容などを指定して提供を依頼することだと説明されています。発注する側が自分で使うサービスを頼む場合も含まれます。

代理店の仕事に当てはめると、相手の会社から顧客への営業や紹介といった作業の内容を指定されて依頼される形は、役務の提供の委託に当たるかどうかを検討することになります。一方で、商品を仕入れて自分の名前で売る販売代理店の形は、物の売り買いが中心のため、上の3つの委託とは性格が異なります。どちらの形かは、契約書の名前ではなく、誰が何を頼み、何に対して報酬が払われるのかで見ていきます。なお、個人が消費者として結ぶ契約は「事業のため」に当たらず、対象になりません。

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代理店の仕事の形をさらに詳しく見る

質問3:仕事を受けるとき、相手から何を示してもらえますか?

答え:業務委託をした事業者は、直ちに、仕事の内容や報酬の額、支払期日などを、書面またはメールなどの電磁的方法で示さなければなりません(第3条)。この義務は、発注する側が従業員のいない個人や一人社長であってもかかります。公正取引委員会の規則では、示す事項として次のものが挙げられています。

  • 双方の名前(商号・氏名・名称など、相手を識別できるもの)
  • 業務委託をした日
  • 給付の内容(役務の委託なら、提供する役務の内容)
  • 給付を受け取る、または役務の提供を受ける期日(期間)と場所
  • 検査をする場合は、検査を完了する期日
  • 報酬の額と支払期日
  • 決まっていない事項がある場合は、その理由と、決める予定の期日

メールなどで示された場合でも、受ける側が書面の交付を求めたときは、原則として遅れることなく交付しなければなりません。代理店の仕事では、成約件数に応じた報酬など、金額がすぐに確定しない場合があります。その場合でも、報酬の算定方法や支払期日がどう書かれているかを確認しておくと、後の行き違いを防ぎやすくなります。

この点は、姉妹サイトの「外注の見積書の見かたと確認項目を質問と答えで整理」でも、次のように説明しています。

業務を委託するときは、直ちに、書面または電磁的方法で、当事者の名称、委託日、業務の内容、納期、場所、報酬額、支払期日などを明示します。

出典:おまかせ係長「外注の見積書の見かたと確認項目を質問と答えで整理」

こちらは発注する側の視点で書かれた説明ですが、受ける側にとっても、通知に何が書かれているはずかを確かめる目安になります。

質問4:報酬は、いつまでに支払ってもらえるのですか?

答え:従業員を使用している個人、または役員が2人以上いるか従業員を使用している法人(特定業務委託事業者)が発注者の場合、報酬の支払期日は、給付を受け取った日(役務の委託なら、役務の提供を受けた日)から数えて60日以内で、できる限り短い期間で定めなければなりません(第4条)。支払期日を定めなかったときは受け取った日が、60日を超えて定めたときは60日を経過する日が、支払期日とみなされます。

発注者が元の会社から受けた仕事を再委託する場合で、再委託であることや元の支払期日などを示しているときは、元の支払期日から30日以内で定める決まりもあります。支払のサイクルは、契約時の通知で確認しておきましょう。

おっちゃん、相手が一人社長の会社やったら、60日の決まりはないん?

60日の決まりは、従業員や役員がおる発注者が相手のときや。条件の明示は、相手の規模を問わずかかるで。

ほな、相手がどっちに当たるかも確認せなあかんのやな。

そういうことや。分からんかったら、遠慮せんと契約前に聞いとき。

質問5:途中で報酬を減らされたり、契約を切られたりしたらどうなりますか?

答え:特定業務委託事業者が、1か月以上の期間行う業務委託(更新で通算1か月以上になるものを含む)をした場合、次のような行為が禁止されています(第5条)。役務の委託では、受け取りの拒否と返品に当たる項目は除かれます。

  • 受ける側に責任がないのに、報酬の額を減らすこと
  • 同じような仕事に通常支払われる対価に比べて、著しく低い報酬を不当に定めること
  • 正当な理由がないのに、指定する物の購入やサービスの利用を強制すること
  • 自分のために金銭や役務などの経済上の利益を提供させ、受ける側の利益を不当に害すること
  • 受ける側に責任がないのに、仕事の内容を変えさせたり、やり直させたりして、利益を不当に害すること

契約の終わり方にも決まりがあります。6か月以上の期間行う業務委託(更新で6か月以上続くものを含む、継続的業務委託)を発注者の側から解除するとき、または期間満了後に更新しないときは、少なくとも30日前までに予告しなければなりません(第16条)。予告を受けた人が理由の開示を求めたときは、原則として遅れることなく開示する必要があります。災害などで予告が難しい場合などの例外は、厚生労働省の省令で定められています。

違反と思われる事実があるときは、取引の適正化に関する内容なら公正取引委員会または中小企業庁に、就業環境に関する内容なら厚生労働省に申し出ることができます。申し出たことを理由に、取引を減らしたり止めたりする不利益な扱いをすることは禁止されています(第6条第3項)。契約上のトラブルを弁護士に無料で相談できる窓口として「フリーランス・トラブル110番」もあり、中小企業庁などが連携しています。

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個別の疑問は相談フォームへ

おっちゃん、契約書に「いつでも解除できる」って書いてあったら、予告なしでもええの?

そう書いてあっても、すぐに予告がいらんことにはならんと資料に書いてあるで。例外は省令で決まっとる。

ほな、気になる条項は印をつけて、相談先に持っていけばええんやな。

そうや。通知や連絡のやりとりは、全部残しとくんやで。

まとめ

個人や一人社長が代理店・営業代行の仕事を受けるときに確認したい点を、あらためて整理します。

  • 自分が従業員を使用しない個人か、代表者1人だけの法人か
  • その仕事が、内容を指定された役務の提供などの「業務委託」に当たるか、物の売り買いが中心の取引か
  • 仕事の内容、報酬の額(または算定方法)、支払期日が、書面やメールで示されているか
  • 発注者が特定業務委託事業者に当たるか。当たるなら、支払期日が60日以内になっているか
  • 1か月以上・6か月以上の取引になるか。減額や解除の予告の決まりが関係するか

フリーランス法は、受ける側が自分を守るための土台になる法律です。契約の前に通知の中身を確かめ、分からない点は署名の前に質問して、回答を記録に残してください。

自分の契約がフリーランス法の対象になるか、個別の条項が禁止行為に当たるかどうかは、弁護士にご相談ください。取引の適正化に関することは公正取引委員会や中小企業庁、就業環境に関することは厚生労働省(各都道府県労働局)が窓口になり、契約上のトラブルはフリーランス・トラブル110番でも相談できます。報酬の会計や税金の扱いは税理士にご確認ください。最終的な判断は専門家や所管の窓口にご確認ください。

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