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へいらっしゃい! 会長だよ。お店を開く前に「何の許可がいるのか」を確かめておくと、あとで慌てずに済むよ。一緒に順番に見ていこう!
開業届を出したら、すぐに好きな商品を売り始めてよいのでしょうか。実は、商いの中身によっては、保健所や警察署、税務署といった窓口で、許可や届出、免許の手続きが別に必要になります。この記事では、食べ物、中古品、ネット販売、お酒の4つの場面で、開業前に何をどこで確認するかを、質問と答えの形で整理します。内容は、2026年10月23日時点で確認した官公庁の公式ページにもとづきます。
| 商いの場面 | 確認する制度 | 窓口 |
|---|---|---|
| 食べ物・飲み物 | 営業許可・営業届出 | 管轄の保健所 |
| 中古品を仕入れて売る | 古物商の許可 | 営業所の管轄警察署 |
| ネットなどで売る | 特定商取引法の通信販売 | 消費者庁のガイド |
| お酒を売る | 酒類販売業免許 | 販売場の管轄税務署 |
質問1 開業届を出せば、どんな商いでも始められますか?
答え: いいえ。商いの中身によっては、開業届とは別の手続きが必要です。開業届は、事業を始めたことを税務署に知らせる届出であり、特定の商品を売ってよいという許可ではありません。何を、どこで、どうやって売るかによって、確認する制度と窓口が変わります。
4つの場面を、表にまとめます。
| 商いの場面 | 確認する制度 | 確認する窓口 |
|---|---|---|
| 食べ物・飲み物を作る、または売る | 食品衛生法にもとづく営業許可・営業届出 | 管轄の保健所 |
| 中古品を仕入れて売る | 古物商の許可 | 営業所の所在地を管轄する警察署 |
| ネットなどで申込みを受けて売る | 特定商取引法の通信販売のルール(表示など) | 消費者庁の特定商取引法ガイド |
| お酒を売る | 酒類販売業免許 | 販売場の所在地を管轄する税務署 |
どれか一つに当てはまるとは限らず、手作りの食品をネットで売るなら、保健所の手続きと通信販売の表示の両方を確認します。この表にない分野にも、許可や届出が必要な商いはあり得ます。扱う商品が決まったら、その商品を所管する窓口に「自分の商いは対象になりますか」と尋ねるのが、いちばん安全です。
会長、開業届を出したのに、まだ売っちゃだめなものがあるんですか?
あるよ。開業届は「事業を始めた」と知らせるもの。売っていいかの許可とは別の話なんだ。
じゃあ、どうやって調べたらいいんですか?
売るものと売り方を書き出して、それぞれの窓口に聞くのが近道だよ。
質問2 食べ物や飲み物を扱うとき、保健所で何を確認しますか?
答え: 自分の商いが、営業許可の対象か、営業届出の対象かを確認します。食品衛生法は改正され、営業許可が必要な業種の見直しと、営業届出制度の創設が行われ、施行日は令和3年(2021年)6月1日とされています。
厚生労働省のページには、HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の制度化に伴い、食品等事業者を把握できるよう営業の届出制度を創設したと書かれています。この衛生管理は原則としてすべての食品等事業者に求められ、小規模な営業者は、公表されている手引書を参考に、簡略化した方法で取り組めます。
営業届出の対象と、届け出る内容
営業届出は、営業許可の対象になっていない業種を営む事業者が、一部の例外を除いて対象となります。許可とは異なり、施設基準のような要件はありません。届出先は管轄の保健所で、届け出る内容は、氏名、施設の所在地、営業の形態、主に取り扱う食品等、食品衛生責任者の氏名です。
届出は更新が不要で、廃業したときにも届出が必要です。一方、食品や添加物の輸入業、貯蔵や運搬だけを行う営業、常温で長期間保存しても食品衛生上の危害の恐れがない包装食品の販売業などは、届出の対象外とされています。
届け出る時期や必要な書類は、管轄の保健所で確認してください。店舗の工事や設備の購入の前に相談しておくと、やり直しを避けやすくなります。
会長、包装されたお菓子を仕入れて売るだけでも、届出がいりますか?
常温で長く置ける包装食品の販売は、対象外の例に入っているよ。食品の種類で変わるから、保健所で確かめよう。
じゃあ、手作りのパンを売るときはどうなりますか?
作って売る商いは、許可か届出のどちらかになる場合が多いよ。保健所が教えてくれるよ。
質問3 中古品や古着を仕入れて売るときは、どこに相談しますか?
答え: 営業所の所在地を管轄する警察署です。中古品を扱う商いでは、古物商の許可が必要になる場合があります。古物営業にあたるかどうかは、警察署の防犯係に確かめます。
警視庁のホームページには、古物商許可申請の案内があります。申請先は主たる営業所の所在地を管轄する警察署(防犯係)で、東京都の場合の申請手数料は19,000円と案内されています。
個人が申請するときの書類は、警視庁の案内では、許可申請書、略歴書、本籍が記載された住民票の写し、誓約書、身分証明書です。該当する営業形態の場合は、ホームページのアドレスを使う権限を示す資料も求められます。
略歴書、住民票の写し、誓約書、身分証明書は、本人のぶんに加えて、営業所の管理者のぶんも必要です。管理者は営業所ごとに1人を選ぶ決まりです(古物営業法第13条第1項)。身分証明書は本籍地のある市区町村から交付を受けるため、早めに準備を始めます。審査にかかる期間などは、申請前に警察署の防犯係で確認してください。
質問4 ネットで売るときは、どんな表示が必要ですか?
答え: 通信販売にあたる場合は、特定商取引法にもとづいて広告に決められた事項を表示します。消費者庁の特定商取引法ガイドでは、新聞、雑誌、テレビ、インターネット上のホームページ(インターネット・オークションサイトを含む)などの広告や、ダイレクトメール、チラシなどを見た消費者から、郵便などで申込みを受けて行う販売が、通信販売とされています。
この点は、姉妹サイトの「モール出店か自社サイトか、雑貨はどちらで売る?」でも、次のように説明しています。
消費者庁の特定商取引法ガイドによると、インターネット上で申込みを受けて行う取引は「通信販売」にあたり、要件を満たす販売業者は、個人であっても対象になります。
個人であっても、ネットで売るなら表示の決まりを確かめます。広告に表示する主な事項は次のとおりです。
- 販売価格(送料も表示が必要)
- 代金の支払時期と方法
- 商品の引渡時期
- 申込みの撤回や解除に関する事項(返品の特約がある場合は、その内容を含む)
- 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
このほかにも表示する事項があり、全体は消費者庁のガイドで確認します。インターネット通販では、お客さまが申込みを確定する前の最終確認画面にも、分量、販売価格、代金の支払時期と方法、商品の引渡時期、申込みの撤回や解除に関する事項などを表示する決まりがあります。
返品については、事業者が返品の特約を広告であらかじめ表示していない場合、お客さまは、商品の引渡しを受けた日から数えて8日以内であれば、自分で送料を負担して、契約の申込みの撤回や解除ができます。返品の特約の内容は、広告でも最終確認画面でも省略できないため、返品を受け付ける条件を決めて、商品のページにはっきり書いておきます。
会長、個人で小さく売るだけでも、表示は必要なんですか?
個人でも、要件を満たす販売業者なら対象になるとされているよ。ガイドで自分の売り方を確かめよう。
返品はお断り、と書いておけばいいですか?
返品の可否や条件を、はっきり書くことが大事だよ。書き方はガイドで確かめてね。
質問5 お酒を売るときは、何が必要ですか?
答え: 販売場ごとに、その所在地を管轄する税務署長から、酒類販売業免許を受ける必要があります。国税庁の「一般酒類小売業免許申請の手引」によると、本店で免許を受けていても、支店で売るなら支店の分が別に必要です。免許を受けずに酒類の販売業を行うと、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処されるとされています。
国税庁の「免許申請の手引(販売業免許関係)」のページには、一般酒類小売業免許、通信販売酒類小売業免許、酒類卸売業免許、期限付酒類小売業免許の手引が掲載されています。どの免許にあたるかは、税務署に相談して確かめます。申請前には、販売場の所在地を管轄する税務署の酒類指導官に、個別に相談できます。
一般酒類小売業免許の手引では、手続きの主な点が次のとおり説明されています。
- 申請先: 販売場の所在地を管轄する税務署長。提出はいつでもでき、e-Taxでも行えます。
- 標準処理期間: 原則として、申請書等を提出した日の翌日から2か月以内。書類の補正などに要した期間は含まれません。
- 登録免許税: 免許1件につき3万円。
免許には、人的要件、場所的要件、経営基礎要件、需給調整要件の4つの要件があります。
免許を受けた酒類小売業者には、販売の業務を開始する時までに酒類販売管理者を選ぶ義務があります。年内の開業を考えるなら、免許が必要な商いかどうかを早めに確かめ、標準処理期間の2か月から逆算して予定を組みます。
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まとめ
開業届は税務署への届出で、商品ごとの許可とは別の話です。売るものと売り方によって、確認する窓口が変わります。
- 食べ物や飲み物は、保健所で営業許可か営業届出かを確認する。
- 中古品は、営業所を管轄する警察署で古物商の許可を確認する。
- ネットなどで売るなら、特定商取引法の表示と返品のルールを確認する。
- お酒は、販売場を管轄する税務署で酒類販売業免許を確認する。
- 審査に時間がかかる手続きがあるため、開業の予定日から逆算して早めに相談する。
許可や届出が必要かどうかは、扱う商品や売り方、地域によって変わります。この記事は一般的な解説です。最終的な判断は、管轄の保健所、警察署、税務署、消費者庁などの所管の窓口や、行政書士・弁護士・税理士などの専門家にご確認ください。