PR当サイトは広告を含みます
手順

店舗の内装工事、手順と契約前に確かめる点

当サイトは広告を含みます。

へいらっしゃい! 商店街の会長だよ。店の内装工事は、頼み方で手戻りがずいぶん変わるんだ。順番を一緒に整理しよう。

へいらっしゃい、と迎える側になる準備の話です。この記事では、店舗を借りた後に行う内装工事について、相談から引き渡しまでの手順、見積の内訳の見方、契約書で確かめる点、追加工事の扱い、そして営業許可や消防の届出と工事の進み方の関係を整理します。金額の目安は扱わず、開業して間もない店主が、業者との打ち合わせで何を言葉にして残すかに絞って説明します。

店舗の内装工事は、借りた後の工事です

店舗を借りる手順と内装工事は、別の段取りです。物件が決まっても、壁や床、厨房や配線などをそのまま使えるとは限りません。まず店内で何をするのか、客席と作業場をどう分けるのか、厨房や水回りが要るのかを決め、その内容に合わせて工事の範囲を組み立てます。ここがあいまいなまま見積を頼むと、業者ごとに前提がずれ、金額だけを比べても判断しにくくなります。

工事の範囲は、図面やメモで示せる形にしておくことが大切です。どの壁をどう仕上げるのか、照明やコンセントをどこに置くのか、既存の設備を残すのか外すのかを、言葉だけでなく平面の図に落としておきます。図面は、後で説明する営業許可や消防の相談でも土台になります。最初の手間を惜しまず、店の使い方を紙の上で固めてから業者に相談する流れが基本です。

会長、見積は安い順に比べればいいんですか?

それだけだと危ないよ。前提の工事範囲が業者ごとに違うことがあるんだ。

じゃあ、最初に何を揃えればいいんですか?

店の使い方と、やりたい工事を図面やメモにすることだよ。そこから始めるんだ。

内装工事の進め方を手順で整理します

大まかな流れは、次の順番で進みます。途中の確認を飛ばすと、工事が始まってから話が戻りやすくなります。

  1. 店の使い方を決め、工事したい範囲を図面やメモにまとめます。
  2. 食品を扱う店は保健所へ、消防については管轄の消防署へ、図面の段階で相談します。
  3. 業者に現地を見てもらい、工事の種別ごとに内訳のある見積を出してもらいます。
  4. 見積の内容と図面が合っているか確かめ、不明な項目は質問して直してもらいます。
  5. 工事内容、代金、工期、変更の扱いなどを書面の契約で定めてから着工します。
  6. 工事中は進み具合を自分の目で確かめ、変更が出たら着工前に書面で合意します。
  7. 完成したら契約どおりか検査し、引き渡しの時期と方法に沿って受け取ります。

この流れで大事なのは、契約より前の段階に時間をかけることです。見積と図面の食い違いは、契約前の方が直しやすく、工事が始まってから見つかると、工期にも代金にも響きます。焦って着工するより、図面と見積と契約書の三つが同じ内容を指している状態を作ることが、結果として近道になります。

見積の内訳は、工事の種別ごとに読みます

見積の読み方には、法律上の後ろ盾があります。建設業法第二十条では、建設業者は請負契約を結ぶにあたって、工事内容に応じ、工事の種別ごとに材料費、労務費、その他の経費の内訳を明らかにして見積を行うよう努めることとされています。また、注文者から請求があったときは、請負契約が成立するまでの間に見積書を提示しなければならないとされています。合計だけが書かれた見積では、この内訳の考え方に沿っているか確かめられません。

具体的には、項目ごとに何の工事で、どこまでの範囲を含むのかを見ます。一式とだけ書かれた項目や、内容の分からない項目があれば、その中身を分けて書いてもらうよう頼みます。二重に数えられている項目や、頼んでいない項目が入っていないかも確かめる点です。国土交通省の案内では、住宅リフォームの見積について、不明瞭な項目がないか、二重計上や不要な項目がないか、追加工事の費用負担について合意があるかなどを相談できる窓口が紹介されています。店舗の工事でも、見積を読む視点は同じです。

もう一つ、頼む相手の許可も確認の対象です。建設業法第三条では、軽微な建設工事のみを請け負う場合を除き、建設業の許可が必要とされています。国土交通省の資料では、建築一式工事以外の工事では、軽微な建設工事は一つの工事の請負代金が五百万円未満の工事と案内され、内装仕上工事を単独で請け負う場合も、この境目が関係します。工事の規模が大きくなりそうなときは、相手が内装仕上工事業などの許可を持っているかを、契約前に確かめておきます。

会長、見積の「一式」って、そのまま信じていいんですか?

中身が分からないまま進めない方がいいよ。何を含むのか分けて聞くんだ。

聞きにくいときは、どう切り出せばいいですか?

「あとで比べたいので内訳でください」と言えば角は立たないよ。

契約書で確かめる点と、追加工事の扱い

契約は、口約束ではなく書面で結びます。建設業法第十九条では、請負契約の当事者は、工事内容、請負代金の額、工事着手の時期と工事完成の時期、検査の時期と方法、引き渡しの時期、工事完成後の代金の支払の時期と方法など、定められた事項を書面に記載し、署名または記名押印をして相互に交付しなければならないとされています。店舗の内装工事でも、この並びが契約書を読むときの目次になります。

特に見落としやすいのは、変更が出たときの定めです。同条では、設計変更や工事の中止の申し出があった場合の工期の変更、代金の額の変更、損害の負担と、その額の算定方法に関する定めも、書面に書く事項とされています。工事を始めてから分かることも出てきますが、そのときに代金や工期をどう変えるのか、手順だけでも先に決めておくことが、後の食い違いを減らします。

追加工事については、国土交通省も、合意を書面にし、合意の日付を残すよう注意を促しています。現場で口頭で頼んだ工事は、頼んだ範囲と代金をめぐって食い違いが起きやすいものです。追加したい内容が出たら、工事を始める前に、内容と代金と工期への影響を書面で確かめ、双方で合意してから進める形にします。急ぐ工事ほど、短い書面でも残す習慣が店を守ります。

営業許可や消防の届出は、工事の前から動きます

内装工事は、店を開くための許可や届出と切り離せません。たとえば食品を扱う店では、店舗を設けて食品の調理や製造を行う場合、食品衛生法による営業許可が必要です。自治体の保健所の案内でも、行いたい営業がどの業種に当たるかは保健所へ相談するよう示され、申請の内容は事前に保健所へ相談するよう案内されています。厨房の区画や手洗い、給排水などの施設の基準は地域の条例などで定められるため、工事が終わってからでは直しにくい部分を、図面の段階で相談しておくことが大切です。

消防についても同じです。火災予防条例では、建物やその一部を飲食店や物品販売店などの用途に使用しようとする者は、使用開始の日の七日前までに消防長へ届け出なければならない、と定めている例があります。届出の名前や期限は地域の条例で定められるため、自分の店の地域では何が要るのかを、管轄の消防署に早めに確かめます。間仕切りや火を使う設備の位置は内装工事そのものに関わるため、図面が固まる前に相談すると手戻りが減ります。

つまり、許可や届出は工事の後の手続きではなく、工事の設計に影響する前提です。保健所と消防署への相談を手順の早い段階に入れ、その内容を図面と見積に反映させてから契約する。この順番を守ることが、開店日のずれ込みを防ぐうえで効いてきます。

PR(当サイト関連サービスへのリンク)

経営や営業の分野をさらに詳しく見る

見積の金額が途中で変わる場面の考え方は、コミッターズのコラム『外注先から値上げ相談が来たら(社長が確認する3つと返事の型)』でも詳しく触れています(外注先から値上げ相談が来たら)。

まとめ: 図面、見積、契約書をそろえてから着工します

店舗の内装工事は、借りた後の工事を、順番を決めて進める作業です。店の使い方を図面に落とし、保健所や消防署へ図面の段階で相談し、工事の種別ごとに内訳のある見積を取り、変更の扱いまで含めて書面で契約してから着工します。工事中に変更が出たら、始める前に書面で合意し、完成したら契約どおりか確かめて引き渡しを受けます。

見積の合計だけ、工期の早さだけでは判断しないことが要点です。内訳が読めるか、契約書に定められた事項が書かれているか、許可や届出の前提と図面が合っているか。この三つを確かめるだけでも、開業して間もない店の工事は進めやすくなります。

工事の契約や許可、届出の要否は、店の業種や地域、工事の規模によって変わります。最終的な判断は、行政書士などの専門家や、管轄の保健所、消防署、自治体の建設業許可の窓口など、所管の窓口にご確認ください。

記事一覧へ