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ちょいエコ部へようこそ、先輩だよ! 「エコ」って言葉は便利だけど、使い方には気をつけたいんだよ。まず1個だけやろ、いま出している表示を1つ点検してみよう!
まず1個だけやろ、の気持ちで、自社の表示を1つ取り上げて読んでください。この記事では、商品やサービスの環境配慮をうたうときの言葉づかいを、質問と答えの形で整理します。参考にするのは、2026年8月20日に消費者庁が公表した「環境ラベルに関する実態調査報告書」と、2026年3月に改定された環境省の「環境表示ガイドライン」です。実態以上に環境へ配慮しているように見せる表示は「グリーンウォッシュ」と呼ばれます。
質問1 「環境にやさしい」「エコ」とだけ書くのは問題ですか?
答え: 単独で使うのは避け、何がどう環境に配慮されているのかを説明文で添えるのが基本です。
環境省のガイドラインは、守るべき5つの基本項目の最初に「あいまいな表現や環境主張は行わないこと」、次に「環境主張の内容に説明文を付けること」を挙げています。単独で使えない表現の例として、「環境に安全」「環境にやさしい」「地球にやさしい」「無公害」「グリーン」「持続可能」などが示され、これらに相当する表現も避けるよう求めています。美しい自然の映像やシンボルマークも、環境に配慮したかのような印象を与えるため、説明文なしに単独で使わないという考え方です。
消費者庁の調査でも、同じ点が取り上げられました。集めた環境ラベル139種類のうち59種類は、「エコ」「グリーン」といった文字や自然のイラストだけで、環境配慮の内容が分かりませんでした。一般消費者1,000人に例を見せたところ、「何かしら環境に配慮した『エコ』なものだと思う」が55.1%で最多でした。実際より環境効果が高いと受け取られれば、優良誤認表示として景品表示法上問題となるおそれがあるため、簡潔な説明文を併記するなどの工夫が求められるとしています。
環境省のリーフレットが示す望ましい表現は、「製品本体に再生プラスチックを〇%使用」のように、対象と割合が分かる書き方です。
言葉をあいまいにしない考え方は、姉妹サイトの「2026年の年末ギフトに産直食材を選ぶ手順」でも、通信販売の表示について次のように説明しています。
通信販売では、商品の引渡時期を期間または期限で表示する必要があり、「できるだけ早く」といった表現は不適切とされています。
環境表示も同様に、「エコ」のような漠然とした言葉だけで済ませず、何をどれだけ改善したのかを具体的に添えることが基本になります。
先輩、「エコ」って書くだけでも、だめなんですか?
「エコ」だけだと、何がどう良いのかが伝わらないんだよ。説明文を添えるのが基本だよ。
説明文は、長く書かないといけませんか?
消費者庁も「簡潔な説明文」でよいと示しているんだよ。何を、どれだけ、よくしたのかが分かればいいんだよ。
質問2 「再生素材を使用」「プラスチック削減」に、割合や範囲は必要ですか?
答え: 環境配慮が商品の一部にとどまるなら、対象範囲、使用割合、削減率を明確にします。
消費者庁の報告書は、次の3点を整理しています。
- 対象範囲:環境配慮の対象が商品本体か包装かが明確でないものが、139種類中20種類ありました。対象範囲を示す表示は、文字の大きさや配置にも注意が必要です。
- 使用割合:環境に配慮した原材料の使用を訴える62種類のうち、29種類が具体的な数値で割合を示していませんでした。
- 削減率:石油由来プラスチックなどの削減を訴える25種類のうち、15種類が削減率を示していませんでした。
消費者へのアンケートでは、使用割合は「50%程度以上」と思う人が73.0%、削減率は「50%程度以上」と思う人が80.1%でした。実際には一部にすぎないのに、100%または大部分だと受け取られると、優良誤認表示として景品表示法上問題となるおそれがあります。割合の示し方は、「〇%」と確定値で書く方法のほか、「〇%未満」や「□%〜◇%」といった表示も考えられるとされています。
環境省のガイドラインは、百分率で示す場合に、分母が商品全体の量なのか、素材の使用量なのかを明確にするよう求めています。ほかの商品と比べる表示では、比べる相手の商品名や型名を示し、商品の改善と包装の改善は別々に示して合計しないこととされています。
質問3 表示の根拠として、何を用意しておけばよいですか?
答え: 表示の内容と対応した実証データなどを、表示する時点で手元に持っておきます。
景品表示法は、商品やサービスの品質などを実際より著しく優良だと示す表示(優良誤認表示、第5条第1号)を禁止しています。消費者庁のページによると、消費者庁長官は期間を定めて、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができます。提出されない場合や、合理的な根拠と認められない場合は、措置命令では不当表示とみなされ(第7条第2項)、課徴金納付命令では不当表示と推定されます(第8条第3項)。
環境省のガイドラインは、根拠資料の要件として、試験や調査の結果、または専門家などの見解や学術文献といった客観的に実証された内容であること、表示した効果と資料が適切に対応していることを挙げています。主張が行われた時点で根拠やデータが確保されていてこそ「実証された」といえる、という整理です。
消費者庁の報告書は、実証データが表示内容(製造条件、実際の使用条件、効果の程度など)と適切に対応する必要があるとしています。さらに、根拠の情報へ消費者がたどり着けるよう、ウェブサイトのアドレスや二次元コードを付けることや、適合基準の公表が望ましいとしています。環境省のガイドラインは、評価を文書にして保管することも求めています。
先輩、根拠って、表示を出してから集めればいいんですか?
順番は逆なんだよ。表示する時点で、裏付けの資料が手元にあることが大事なんだよ。
どんな資料が根拠になるんですか?
試験や調査の結果、専門家の見解や学術文献などだよ。表示と中身が合っていることも大事なんだよ。
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質問4 自社のマークや、「認証」と見える表示は使えますか?
答え: 自社のマークは使えますが、第三者の認証を受けていないのに受けたように見える表示は避けます。
消費者庁の調査では、第三者認証ではない108種類のうち2種類に、「認証」の文言や認定番号が付いていました。一般消費者の62.2%は、「独立した第三者機関の認証」と記された環境ラベルを最も信頼できると答えています。第三者認証ではないのにそう見せる表示は、優良誤認表示として景品表示法上問題となるおそれがあります。
環境省のガイドラインも、第三者機関による保証や証明を受けていないのに、そのことをほのめかす表現をしてはならないとしています。第三者機関が認定するマークに似た独自のラベルがあることから、独自のラベルには事業者名や団体名を添えることが望ましいとされています。動植物や地球などの自然物のデザインは、主張する内容と直接的で検証できるつながりがある場合に限って使えます。
第三者の認証を活用する場合について、ガイドラインは、主張と同等以上の基準を設けている認証制度や外部機関の検証を使う方法もあるとしています。
質問5 会社全体の取り組みの紹介や、環境負荷を減らしたという言い方は、どこまで気をつけますか?
答え: 商品に直接関係しない紹介も環境省のガイドラインの対象です。特定の段階の改善だけを大きく見せないことが大切です。
環境省のガイドラインによると、景品表示法の対象は「自己の供給する商品又は役務の取引」に関する表示で、商品やサービスと関係のない企業の広告は対象となっていません。一方、このガイドラインは、企業姿勢やイメージ広告なども適用範囲に含め、国際規格(JIS Q 14021)を踏まえた表示を求めています。
また、一つの環境影響を減らす過程で別の影響が増えることがあるため、ライフサイクル全体を考えるよう求めています。たとえば、リサイクル材料の含有率の高さだけを強調して、原材料の使用量が増えている場合は、不適切になりえます。温室効果ガスに関する主張のうち、カーボンフットプリントは環境省・経済産業省の表示ガイド(2025年2月)、カーボン・オフセットは環境省の指針や手引きに沿う必要があるとされており、該当する場合は原文を確認してください。
先輩、結局、何から見直せばいいですか?
まず1個だけやろ。いま出している表示を1つ選んで、言葉と数字と根拠を見比べるんだよ。
何と見比べるんですか?
この記事の質問1〜5だよ。説明文、割合、根拠、認証の見え方、全体の影響の順に確認しよう!
まとめ
環境配慮の表示を点検するときの確認項目は、次の5つです。
- 「環境にやさしい」などの言葉を、説明文なしに単独で使っていないか
- 対象範囲、使用割合、削減率が、読み手に分かる形で示されているか
- 表示の内容に対応した根拠の資料を、表示する時点で持っているか
- 第三者の認証を受けているように誤解される見せ方になっていないか
- 特定の段階の改善だけを強調し、全体の影響を隠していないか
消費者庁は、考え方を環境省とも連携して周知する予定で、不当表示が疑われる場合は迅速に指導して是正を図ることを含め、景品表示法に基づき厳正に対処するとしています。環境省のリーフレットは、ガイドラインに沿うことを、グリーンウォッシュを防ぐ有効な対策と位置づけています。
この記事は、消費者庁・環境省の公開資料をもとにした一般的な情報提供であり、個別の表示が景品表示法に違反するかどうかを判断するものではありません。具体的な表示の可否は、商品やサービスの内容、表示の方法によって異なります。判断に迷う場合は、弁護士、消費者庁の景品表示法の担当部署、環境省の環境表示ガイドライン担当、地域の消費生活センターなどにご相談ください。最終的な判断は専門家や所管の窓口にご確認ください。