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食品ロスを減らす事業者向けの選択肢の比較

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ちょいエコ部へようこそ、先輩だよ! 食品ロス対策は、全部やろうとすると続かないんだよ。まず1個だけやろ、自分の店や会社に合うものを選ぼう!

まず1個だけやろ、と言っても、何を選ぶかで迷う方は多いはずです。この記事では、食品を扱う事業者が取れる食品ロス削減の選択肢を6つに分け、環境省、農林水産省、消費者庁の公開資料をもとに表で比べます。数字は、公表された年や時点とあわせて書きます。

食品ロスの現状と、事業者に関わる決まり

環境省が2026年6月30日に公表した推計では、令和6年度(2024年度)の食品ロスは約461万トンで、うち事業系が約237万トン、家庭系が約224万トンでした。前年度(令和5年度)は計464万トン(事業系231万トン、家庭系233万トン)で、事業系は前年度より増え、家庭系は減っています。食品ロスとは、本来食べられるにもかかわらず廃棄されている食品のことです。

国の目標は、食品ロス削減推進法に基づく基本方針(2025年3月25日閣議決定)に示されています。事業系食品ロスは、2000年度比で2030年度までに60%削減する目標です(家庭系は半減)。

食品を製造、加工、卸売、小売する事業者や飲食店などは、食品リサイクル法の「食品関連事業者」にあたります。発生量が年間100トン以上の事業者には、定期報告が求められます。農林水産省は、業種別の発生抑制の目標値(2024〜2028年度)を示しており、対象は食べられない部分(不可食部)を含む食品廃棄物等です。また、2029年度までに業種全体で達成を目指す再生利用等実施率として、食品製造業95%、食品卸売業75%、食品小売業65%、外食産業50%を掲げています。これは業種全体の目標で、個々の事業者に義務づけるものではありません。

先輩、食品ロスと食品廃棄物って、違うんですか?

違うんだよ! 食品ロスは「食べられるのに捨てられるもの」で、食品廃棄物には食べられない部分も含まれるんだよ。

じゃあ、どっちを減らす話なんですか?

この記事は、まず食品ロスを減らす選択肢が中心だよ。出てしまった分は、最後の項目で触れるよ。

比べる前に、自社のロスがどこで出ているかを確認する

環境省は、食品ロスの発生要因として、食品製造業では製造工程のロスや返品、卸売・小売業では返品、納品期限切れ、売れ残りや破損品、外食産業では食べ残しや仕込みロスを挙げています。まず自社でどのロスが多いのかを確かめると、選択肢を絞りやすくなります。

選択肢は、大きく三つの考え方に分けられます。一つ目は、そもそもロスを出さない工夫です。二つ目は、食べられる状態のまま別の人へ渡す方法です。三つ目は、出てしまった食品廃棄物等を資源として使う方法です。なお、食品寄附は、食品リサイクル法の定期報告で発生抑制に関する取り組みに含まれると、食品寄附ガイドラインに書かれています。

6つの選択肢を表で比べる

選択肢 主な対象 考え方 始める前に確認したい点
1 需要予測・発注・製造量の見直し 製造・卸売・小売・外食 出さない工夫 自社のロスの原因。気象データの活用や、取引先との需要情報の共有が例に挙がっています
2 商慣習の見直し(納品期限の緩和、賞味期限表示の大括り化・延長) 製造・卸売・小売 出さない工夫 取引先との取り決めが関わります
3 売り切り、小容量、小盛りなどの工夫 卸売・小売・外食 出さない工夫 売り方や提供量の選択肢を増やします。外食では人数と量の調整も例に挙がっています
4 食べ残しの持ち帰り 外食(飲食店) 出た食べ残しを食べきってもらう 食中毒などのリスクの説明と、合意の手順、利用規約の準備
5 食品寄附(フードバンクなど) 製造・卸売・小売・外食など 食べられる状態のまま渡す 寄附先との事前協議と合意、食品の安全管理、事故時の対応
6 再生利用(飼料化・肥料化・メタン化など) 食品関連事業者 出た食品廃棄物等を資源にする 食品リサイクル法の枠組み。不可食部も対象で、年間100トン以上は定期報告

表は、公的資料の記述をもとにした整理です。取り組みの効果の大きさや費用は、業種や規模、取引の状況で変わるため、資料からは比べられません。

発生を減らす選択肢(1〜4)の中身

選択肢1は、需要予測の精度を高める取り組みです。環境省は、気象データを使った需要予測の精緻化と、需要予測の情報を製造・卸売・小売で共有する取り組みを紹介しています。

選択肢2は、商慣習の見直しです。賞味期間の3分の1以内に小売店舗へ納品する慣例、いわゆる「3分の1ルール」では、期限まで日数が残っていても納品できず、廃棄になる可能性があります。農林水産省は、食品小売事業者による納品期限の緩和、食品製造事業者による賞味期限表示の大括り化(年月のみの表示や、日を10日単位にまとめる表示)、賞味期限の延長を呼びかけています。令和7年(2025年)10月時点で、納品期限を緩和(または予定)する食品小売事業者は377、大括り化に取り組む食品製造事業者は365、賞味期限の延長に取り組む食品製造事業者は393と公表されています。毎年10月30日は「食品ロス削減の日」で、農林水産省はこの日を「全国一斉商慣習見直しの日」としています。

姉妹サイトの「米の選び方:品種・精米時期・産地の見かた」では、精米時期を上旬・中旬・下旬でまとめる表示について、次のように説明しています。

上旬は1日から10日、中旬は11日から20日、下旬は21日から月末です。消費者庁の資料では、過度な鮮度志向を抑え、食品ロスや物流コストの削減、配送の安定化につなげるねらいがあると説明されています。

出典:もぐもぐ産地ラボ「米の選び方:品種・精米時期・産地の見かた」

選択肢2の賞味期限表示の大括り化も、日を10日単位にまとめる点は近い考え方で、表示の細かさを見直すことが食品ロスを減らす手段になります。

選択肢3は、売り切りや小容量販売、バラ売り(卸売・小売)、小盛りや小分けのメニュー、宴会予約時に幹事と食事量を調整すること(外食)などです。

選択肢4は、食べ残しの持ち帰りです。消費者庁と厚生労働省が2024年12月25日に公表した「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン」は、対象を、店内で食べることを前提に提供した飲食物の食べ残しとしています。テイクアウトやデリバリーは対象外です。まず食べきりが最も重要で、そのうえで食べきれなかった分の持ち帰りを有効な方法としています。持ち帰りは、店と客が新たに合意するものと整理され、店は食中毒などの可能性を含め、安全に食べるための注意事項を説明することが必要です。生ものなど食中毒の可能性が高いものは、合意しない場合があると考えられています。あらかじめ利用規約を定めておくことも有効とされています。持ち帰った後に事故の原因が生じた場合は、注意事項の説明などの措置をとっていれば、店の責任が問われる可能性も低くなるとされますが、法的責任は最終的に裁判所が個別に判断します。環境省は、持ち帰りに協力する店であることを示す「mottECO(モッテコ)」のロゴを紹介しています。

先輩、持ち帰りを始めたら、食中毒の責任はお店が負うんですか?

そこは難しいんだよ。ガイドラインでは、説明などの措置をとれば可能性は低くなるとされているよ。

じゃあ、安心できるわけではないんですね。

最終的には裁判所が個別に判断するとも書かれているんだよ。迷ったら専門家に聞こう!

食品寄附と再生利用(5・6)の中身

選択肢5の食品寄附については、食品寄附等に関する官民協議会が2024年12月25日に「食品寄附ガイドライン」(第一版)を公表しています。寄附の対象になりうるのは、規格やパッケージが変わった食品、流通の過程で出た余剰品、備蓄品などです。ただし、寄附する食品も、人が食べるものとして食品安全の担保が前提です。事前に寄附先と協議して合意書を結び、品目、数量、消費期限や賞味期限、保存方法などを共有することが求められます。自社ブランドではない食品を寄附する場合は、委託元との契約内容の確認が必要になることがあります。ガイドラインは、仲介するフードバンクなどの側に、事故に備えた賠償・補償の保険への加入も重要としています。

賞味期限について、ガイドラインは、期待されるすべての品質の保持が十分に可能と認められる期限であり、過ぎても直ちに食べられなくなるわけではないと説明しています。税の扱いでは、フードバンクへの食品の提供が実質的に廃棄として行われる場合に、費用を損金に算入できると、農林水産省の資料を引用して書かれています。条件は個別の事情で変わるため、税理士にご確認ください。

選択肢6の再生利用は、食品リサイクル法の枠組みで進めます。農林水産省の説明資料(2021年7月)には、優良な再生利用事業者を登録する制度や、食品関連事業者、再生利用事業者、農業者が連携する計画の認定制度が紹介されています。手法の優先順位や最新の運用は基本方針などで変わりうるため、農林水産省の最新の案内を確認してください。

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まとめ

食品ロス削減の選択肢は、出さない工夫(1〜4)、食べられる状態のまま渡す(5)、出た食品廃棄物等を資源にする(6)に分けて考えると整理しやすくなります。まず自社のロスの原因を確かめ、業種に合うものを1つ選んで始めるのが現実的です。

先輩、結局、どれから始めればいいですか?

まず1個だけやろ。自社でいちばん多いロスの原因に近いものを選ぶんだよ。

取引先や寄附先が関わる場合はどうしますか?

先に話し合って、合意しておくのが大事だよ!

この記事は、環境省・農林水産省・消費者庁などの公開資料をもとにした一般的な情報提供であり、個別の事業者への助言ではありません。食品の安全や持ち帰りは保健所、契約や責任の考え方は弁護士、寄附に関わる税の扱いは税理士、食品リサイクル法の手続きは農政局や環境省の窓口、地域の取り組みは自治体の食品ロス担当窓口に、それぞれご相談ください。最終的な判断は専門家や所管の窓口にご確認ください。

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