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いらっしゃいぽん。冬のボーナスの前に、使い道の考え方を3つ並べて比べるぽん。どれが正解かを決める記事ではなく、見る観点をそろえるための記事ぽん。
冬のボーナスが近づくと、「貯金に回すか、ローンを返すか、NISAで投資するか」と迷う方は少なくありません。この記事では、使い道を「手元に残す備え」「借入の繰上返済」「NISAでの投資」の3つに分け、同じ観点で比べます。日本年金機構、国税庁、住宅金融支援機構、金融庁が公表している内容を2026年10月25日時点で確認し、制度の数字には年や時点を添えて書きました。いずれかの使い道を勧める記事ではありません。
| 観点 | 手元に残す備え | 借入の繰上返済 | NISAでの投資 |
|---|---|---|---|
| どんな使い方か | 貯めて蓄える | 借入の一部を早く返す | 利益を見込んで出す |
| 決まりの例 | 収支を黒字にして貯蓄 | 期間短縮型と返済額軽減型 | 年間枠360万円・総枠1,800万円 |
| 先に確かめる | 手取りと使う時期 | 最低額・手数料 | 使う予定のお金との分け方 |
| 見落としやすい | 安全性・収益性・流動性が全部◎の商品はない | 期間短縮で控除の対象外になる場合 | 利益が出るとは限らない |
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| 方法 | 最低額 | 手数料 |
|---|---|---|
| 金融機関の窓口 | 100万円以上 | かからない |
| インターネット「住・My Note」 | 10万円以上 | かからない |
ボーナスは額面のまま受け取れない:天引きの仕組み
使い道を考える前に、実際に使える金額を確かめます。賞与からは、社会保険料と所得税が差し引かれます。
日本年金機構の案内によると、年3回以下の支給であるものが賞与の届出の対象です。保険料のもとになる標準賞与額は、税引き前の総支給額から1,000円未満を切り捨てた額です。保険料は、標準賞与額に健康保険と厚生年金保険の保険料率を掛けた額で、事業主と被保険者が折半して負担します。
所得税は、国税庁の「No.2523 賞与に対する源泉徴収」によると、原則として「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使って求めます。「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人は甲欄、提出していない人は乙欄です。通常の場合は、前月の給与から社会保険料等を差し引いた金額と扶養親族等の数に当てはまる率を表から読み取り、賞与から社会保険料等を差し引いた金額にその率を掛けます。1円未満は切り捨てです。
同じページには、令和8年分の計算例があります。前月の給与(社会保険料等控除後)が285,454円、賞与の金額(社会保険料等控除後)が389,558円、扶養親族等が3人の場合、率は2.042%で、389,558円に掛けた7,954円が賞与に対する税額とされています。実際の金額は人によって違います。同ページには、令和9年分以後は算出率の表と月額表が改正されているため注意するよう、書かれています。
村長、ボーナスの額面と手取りって、どのくらい違うの?
割合は人によって違うぽん。社会保険料と所得税が引かれるから、まず明細で手取りを確かめるぽん。
使い道は、手取りで考えればいいの?
そうぽん。額面で考えると、あとで足りなくなるぽん。
もう一つ、ボーナスで年間の収入が増えると、収入の条件がある控除の判定に関わることがあります。この点は、姉妹サイトの「配偶者控除と配偶者特別控除、年収の目安は?」でも、次のように説明しています。
残業や賞与、短期の仕事が増えて、当初の見込みより収入が増えることはよくあります。すでに申告書を出していても、実際の所得が控除の範囲を外れることがあります。
配偶者控除などを受ける予定の方は、ボーナスを使う前に、年間の収入の見込みも確かめておくと安心です。
3つの使い道を、同じ観点で比べる
金融庁のNISA特設サイトの「資産形成の基本」は、資産形成の方法には「貯蓄」と「投資」の2つがあり、そのときの資産状況や今後のライフプランなどに適した形で使い分けることが大切だとしています。また、安全性・収益性・流動性の3つとも◎の金融商品はなく、目的に応じて使い分けるよう書かれています。借入の返済を加えた3つを、次の表に並べました。
| 観点 | 手元に残す備え | 借入の繰上返済 | NISAでの投資 |
|---|---|---|---|
| どんな使い方か | お金を貯めて蓄えること(金融庁の「貯蓄」の説明) | 借入の残りの一部を、予定より早く返すこと | 利益を見込んでお金を出すこと(金融庁の「投資」の説明) |
| 確認できた決まりの例 | 金融庁は、収支を黒字にして黒字分を貯蓄することを家計管理の基本としている | 住宅金融支援機構の個人住宅融資では、返済期間を短くする方法と、毎月の返済額を少なくする方法がある | 年間投資枠は最大360万円、生涯の非課税保有限度額は1,800万円(金融庁の特設サイト) |
| 先に確かめたい点 | 手取りの金額と、いつ使うお金か | 借入先ごとの受付方法、最低額、手数料 | 年間投資枠と、使う予定のあるお金との分け方 |
| 見落としやすい点 | 金融庁は、3つの観点(安全性・収益性・流動性)すべてが◎の商品はないとしている | 返済期間を短くすると、住宅借入金等特別控除の対象外になる場合がある | 利益を見込む行為のため、利益が出るとは限らない |
表の内容は、公的機関のページに書かれていることです。優劣をつける意図はありません。
村長、結局この3つのうち、どれがいちばんいいの?
順位はつけられないぽん。家庭の状況や目的で変わるし、金融庁も目的に応じた使い分けを説明しているぽん。
迷ったら、何から考えればいいの?
まず手取りと、いつ使うお金かを確かめるぽん。そのうえで、次の見出しから条件を一つずつ見ていくぽん。
手元に残す備えとして考える場合
金融庁の「資産形成の基本」は、家計管理の基本として、収入と支出をきちんと把握・管理すること、収支を黒字にすること、そして黒字分を貯蓄することを挙げています。あわせて、給料日に一定額を自動で貯蓄用口座に移すなど、先に貯蓄に回し、残りのお金で家計をやりくりする方法も紹介しています。
ボーナスについても、先に備えとして取り分けてから、ほかの使い道を考える順番があります。
なお、生活費の何か月分を備えにするかという目安は、今回確認した金融庁のページには書かれていませんでした。必要な額は家庭ごとに変わるため、数字で決めたい場合は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談する方法もあります。
借入の繰上返済に回す場合
住宅金融支援機構の「繰上返済(個人住宅融資の場合)」には、一部繰上返済の方法が2つ書かれています。一つは、月々の返済額をこれまでどおりにして、返済額に応じて借入期間を短くする方法です。もう一つは、借入期間をこれまでどおりにして、月々の返済額を少なくする方法です。どちらも総返済額を減らせると説明されていて、前者は完済も早まります。
受付の方法と最低額は次のとおりです。
- 金融機関の窓口:100万円以上。手数料はかからず、繰上返済をする日の1か月前までに金融機関へ連絡する
- インターネットの「住・My Note」:10万円以上。手数料はかからない。金融機関によっては取り扱いがないため、事前に確認する
ボーナスの額によって、使える受付方法が変わる点も確認したいところです。
注意したいのは、返済期間を短くする方法で、残りの期間が10年未満(特定増改築等は5年未満)になる場合です。同ページによると、所得税の住宅借入金等特別控除の対象外になり、融資額残高証明書も送られません。控除を受けている方は、繰上返済の前に確認が必要です。
ここで紹介したのは、住宅金融支援機構の個人住宅融資の例です。ほかの借入は、最低額や手数料が違うことがあるため、借入先の案内で確かめてください。
NISAに回す場合
金融庁のNISA特設サイトの「NISAを知る」には、新しいNISAの制度が次のように書かれています。
- つみたて投資枠:年間120万円
- 成長投資枠:年間240万円
- 2つの枠を合わせた年間の上限:360万円
- 非課税保有限度額(生涯の総枠):1,800万円。このうち成長投資枠で保有できるのは最大1,200万円
- 非課税で保有できる期間:無期限
- 売却した場合:翌年以降に、売却した商品の簿価(取得金額)に相当する非課税投資枠が復活する
2023年までのNISAでの保有分は、1,800万円とは別の枠で管理されます。
投資の進め方について、金融庁の「資産形成の基本」は、積立投資を「一括で投資するのではなく『あらかじめ決まった金額』を『続けて』投資すること」と説明しています。ボーナスのような一時金を、どのくらいの期間に分けて使うのかは、この説明を踏まえて、家庭で検討する点です。
投資は、利益が出る保証のあるものではありません。
村長、ボーナスは一度に全部NISAに入れてもいいの?
年間の枠の範囲内でなら入れられるぽん。ただ、どう分けるかは家庭の状況で決めるぽん。
枠が埋まったら、そのあとはどうなるの?
年間360万円と生涯1,800万円という上限があるぽん。売却すると、翌年以降に簿価分の枠が復活する決まりぽん。
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まとめ
冬のボーナスの使い道を3つの観点で比べたときの、確認しておきたい点を整理します。
- 賞与からは社会保険料と所得税が差し引かれる。使い道は額面ではなく、手取りで考える
- 備えに回す場合は、収支を黒字にして先に貯蓄する、という家計管理の考え方がある。必要な額の目安は家庭ごとに違う
- 繰上返済は、借入先ごとに最低額・手数料・受付方法が違う。期間を短くすると、住宅借入金等特別控除の対象外になる場合がある
- NISAは、年間投資枠が最大360万円、生涯の非課税保有限度額が1,800万円(2026年10月25日時点の金融庁のページ)。利益が出る保証はない
- 収入が増える年は、配偶者控除などの収入の条件に当てはまるかも、あらためて確認する
3つのうちのどれかに決める前に、まず手取りと、いつ使うお金かを確かめてみてください。
ボーナスの手取りや社会保険料は勤め先の給与担当部署や年金事務所、所得税や控除は税理士や税務署、借入の繰上返済は借入先の金融機関や住宅金融支援機構、投資や家計の組み立ては金融機関やファイナンシャルプランナーにご相談ください。最終的な判断は専門家や所管の窓口にご確認ください。