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年末調整の書類が配られる季節になったホー。配偶者の年収で控除が変わるところは、数字を並べて一緒に確かめていくホー。
10月の下旬は、勤め先から年末調整の書類が配られ始める時期です。なかでも「配偶者の年収がいくらまでなら控除を受けられるのか」「配偶者控除と配偶者特別控除は何が違うのか」は、毎年多くの人が迷う点です。この記事では、令和8年分について国税庁が公表している資料をもとに、配偶者の年収の目安と控除額、申告書の出し方を質問と答えの形で整理します。

質問1 配偶者控除と配偶者特別控除は何が違うのですか?
答え: どちらも「生計を一にする配偶者がいる場合に、納税者本人の所得から差し引ける控除」ですが、対象になる配偶者の所得の範囲が違います。令和8年分では、配偶者の合計所得金額が62万円以下なら配偶者控除、62万円を超えて133万円以下なら配偶者特別控除の対象です。
いずれも次の条件を満たす必要があります。国税庁のタックスアンサーでは、配偶者は民法上の配偶者であることとされ、内縁関係の人は対象外と案内されています。
- 納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下であること
- 配偶者が納税者と生計を一にしていること
- 配偶者が青色申告者の事業専従者として給与を受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと
- 夫婦がお互いに配偶者特別控除を受けることはできないこと
「合計所得金額」は収入そのものではなく、収入から必要経費などを引いたあとの金額です。給与の場合は、収入から給与所得控除を引いた「給与所得」が基準になります。ここを収入と取り違えると、判定がずれてしまいます。
探偵さん、配偶者控除と配偶者特別控除って、結局どちらかしか使えないんですか?
そうだホー。配偶者の所得で、どちらの枠に入るかが決まるホー。
じゃあ、両方もらうことはできないんですね。
同じ配偶者について重ねては受けられないホー。まず配偶者の所得を確かめるのが先だホー。
質問2 令和8年分で、配偶者の年収はいくらまでが目安ですか?
答え: 配偶者が給与だけの場合、給与収入が136万円以下なら配偶者控除の対象、136万円を超えて207万円以下なら配偶者特別控除の対象になる目安です。これは国税庁の「年末調整のしかた」に載っている目安で、配偶者の給与所得以外の所得がないことを前提にしています。
| 配偶者の状況(給与のみ) | 合計所得金額 | 該当する控除 |
|---|---|---|
| 給与収入136万円以下 | 62万円以下 | 配偶者控除 |
| 給与収入136万円超207万円以下 | 62万円超133万円以下 | 配偶者特別控除 |
| 給与収入207万円超 | 133万円超 | どちらも対象外 |
配偶者の合計所得金額の基準は、年分によって変わってきました。国税庁のタックスアンサーによると、配偶者控除の基準は令和2年分から令和6年分まで48万円以下、令和7年分は58万円以下、令和8年分は62万円以下です。給与収入のみの場合の目安も、令和6年分以前は103万円以下、令和7年分は123万円以下、令和8年分は136万円以下と整理されています。
なお、令和8年分の62万円という金額について、タックスアンサーには「令和8年12月1日に施行され、令和8年分から適用される金額です」という注記があります。施行日前の適用関係は、国税庁の「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)の質問と答え」で確認するよう案内されています。古い年分の「103万円」「123万円」の情報と混ざらないよう、年分を確かめてください。
公的年金だけの場合や、給与と年金が混ざる場合の目安は別の数字になります。その場合は、国税庁の資料にある見積りの表で所得を計算して判定します。
質問3 配偶者特別控除の控除額は、どう決まりますか?
答え: 納税者本人の合計所得金額の区分と、配偶者の合計所得金額の区分の組み合わせで決まります。本人が900万円以下の場合、配偶者の合計所得金額が62万円を超え95万円以下なら38万円で、所得が上がるほど段階的に小さくなり、130万円を超え133万円以下で3万円です。
国税庁のタックスアンサーに載っている、令和8年分以降の控除額を、納税者本人の合計所得金額が900万円以下の場合について抜き出しました。
| 配偶者の合計所得金額 | 控除額(本人900万円以下) |
|---|---|
| 62万円超95万円以下 | 38万円 |
| 95万円超100万円以下 | 36万円 |
| 100万円超105万円以下 | 31万円 |
| 105万円超110万円以下 | 26万円 |
| 110万円超115万円以下 | 21万円 |
| 115万円超120万円以下 | 16万円 |
| 120万円超125万円以下 | 11万円 |
| 125万円超130万円以下 | 6万円 |
| 130万円超133万円以下 | 3万円 |
納税者本人の合計所得金額が900万円を超えると、同じ配偶者の所得区分でも控除額は小さくなります。900万円超950万円以下では、配偶者控除は26万円、62万円超95万円以下の配偶者特別控除も26万円です。950万円超1,000万円以下では、どちらも13万円になります。本人が1,000万円を超えると、どちらの控除も受けられません。
配偶者が70歳以上の「老人控除対象配偶者」に当たる場合、配偶者控除は本人が900万円以下で48万円です。配偶者特別控除の控除額は、前の表のとおり本人と配偶者の所得区分で決まります。
探偵さん、配偶者の年収が少し増えると、控除がいきなりゼロになるんですか?
配偶者控除から配偶者特別控除へ移るところは、38万円のまま変わらないホー。
えっ、そうなんですか。
95万円を超えたあたりから少しずつ減っていく仕組みだホー。表で自分の区分を確かめるのが近道だホー。
質問4 年末調整では、どの申告書をどう出しますか?
答え: 会社員の場合は「給与所得者の配偶者控除等申告書」を、年末調整の際に勤め先へ提出します。国税庁の「年末調整のしかた」では、この申告書に配偶者の本年中の合計所得金額の見積額を書く欄があり、控除額もこの申告書で計算する流れとして説明されています。
年末調整の書類を準備するときの流れは、次のとおりです。
- 配偶者の本年中の収入を、1月から12月までの見込みで確認する
- 給与のほかに、年金や副業などの収入がないかを洗い出す
- 申告書の見積表に、給与所得とそれ以外の所得を書いて合計する
- 合計した所得金額の区分で、配偶者控除か配偶者特別控除かを確かめる
- 納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下であることを確かめる
- 申告書を勤め先へ提出する
本人が給与だけの場合、合計所得金額が1,000万円を超えるのは、給与収入が1,195万円を超えるときです。所得金額調整控除が使える場合は1,210万円が目安とされています。この水準に近い人は、配偶者の所得にかかわらず控除が使えなくなる可能性があります。
配偶者が複数の勤め先から給与を受けている場合は、すべての給与を合計して見積もる必要があります。1か所の源泉徴収票だけを見て判断しないようにしましょう。
この点は、姉妹サイトの「年末の短期アルバイトを雇う前に確認することは?」でも、次のように説明しています。
国税庁の案内では、年末調整の対象は、扶養控除等申告書を年末調整を行う日までに提出している一定の人で、1年を通じて勤務している人や、年の中途で就職して年末まで勤務している人などです。
配偶者控除などを年末調整で受ける場合も、そもそも年末調整の対象になる書類がそろっているか、勤め先に確認しておきましょう。
質問5 年の途中で配偶者の収入の見込みが変わったら、どうすればいいですか?
答え: 判定は12月31日の現況で行われるため、年の終わりに近い時点で、あらためて年間の見込みを計算し直すのが基本です。見積りが変わった場合の具体的な書き直しや訂正の手続きは、勤め先の担当部署や税務署に確認してください。
残業や賞与、短期の仕事が増えて、当初の見込みより収入が増えることはよくあります。すでに申告書を出していても、実際の所得が控除の範囲を外れることがあります。その場合の扱いは、勤め先の担当部署や税務署の案内に従ってください。
配偶者が自分で確定申告をする場合は、夫婦の申告がかみ合っているか確認しておくと安心です。夫婦がお互いに配偶者特別控除を受けることはできないほか、配偶者が源泉控除対象配偶者として扱われている場合の取り扱いにも注意が必要です。細かい扱いはケースによって違うので、迷う点は書類の記載例や窓口で確かめてください。
探偵さん、収入が増えそうなとき、先に配偶者と話しておいたほうがいいですか?
年の後半に収入が動きやすいときは、見込みを早めにそろえておくと書類が楽だホー。
どの数字を持ち寄ればいいですか?
給与の見込み額と、ほかの収入の有無だホー。そこから所得を計算できるホー。
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まとめ
令和8年分の配偶者控除と配偶者特別控除について、確認できた要点を整理します。
- 配偶者の合計所得金額が62万円以下なら配偶者控除、62万円超133万円以下なら配偶者特別控除の対象です
- 配偶者が給与だけの場合、給与収入136万円以下が配偶者控除、136万円超207万円以下が配偶者特別控除の目安です
- 配偶者特別控除は、本人の所得区分と配偶者の所得区分で控除額が決まり、本人が900万円以下なら最大38万円、最小3万円です
- 納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超えると、どちらも受けられません
- 年末調整では、給与所得者の配偶者控除等申告書に配偶者の所得の見積額を書いて、勤め先に出します
収入と所得を取り違えないこと、年分ごとに金額が違うことの2点が、迷いやすいところです。数字は国税庁の最新の案内で確かめてください。
この記事は一般的な制度の説明であり、個別の事情に応じた税務上の助言ではありません。配偶者の所得の見積り方や申告書の書き方、年の途中で見込みが変わった場合の扱いなどは、勤め先の年末調整担当、税理士、お住まいの地域を管轄する税務署の窓口にご確認ください。最終的な判断は専門家や所管の窓口にご確認ください。