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たまご博士なのだ! 鍋の季節が近づくと、白菜やねぎの値段が気になるのだ。農林水産省が毎月出している資料の読み方を、5つの質問で一緒に実験しよう!
野菜の価格見通しは、農林水産省が主産地や卸売会社への聞き取りをもとにまとめて公表している資料です。この記事では、2026年10月26日時点で確認できた令和8年10月分をもとに、野菜の価格見通しの読み方を、質問と答えの形で整理します。白菜・大根・ねぎの見通しの違い、「平年並み」の意味、店頭や産直の値段との関係が分かります。
| 品目 | 主産地(入荷シェア) | 10月の見通し |
|---|---|---|
| はくさい | 長野87%、茨城7% | 平年を上回る |
| だいこん | 青森36%、北海道30%、千葉21% | 前半は平年並み、後半はやや上回る |
| ねぎ | 秋田23%、北海道20%、青森19%、茨城6% | 平年並み |
質問1:野菜の価格見通しは、だれが何のために出していますか?
答え: 農林水産省が、主産地や卸売会社などから聞き取った結果をもとに公表している資料です。農林水産省の資料の案内ページでは、「野菜の生育状況及び価格見通し」は原則毎月公表されるものとして載っています。2026年10月26日に確認した時点で、一覧のいちばん新しい号は令和8年10月分でした。
令和8年10月分は、令和8年9月30日に公表されました。資料には、近年は天候不順で野菜の価格変動が大きくなっているため、産地の出荷判断と消費者の購買行動の最適化を促し、野菜の供給と価格の安定に寄与することが目的だと書かれています。聞き取りは平成23年から行われています。
対象は、東京都中央卸売市場に出荷される野菜です。見通しは、過去5か年平均を基準にして作られています。この基準を、資料では「平年」と呼んでいます。表の中は金額ではなく、平年と比べて上回るか、並みか、下回るかという書き方になっています。
博士、価格見通しって、値段そのものの予想ですか?
そうではないのだ。平年と比べて、高めか、並みか、低めかを見込む形なのだ。
じゃあ、「1キロ何円になる」とは書いていないんですね。
その通りなのだ。だから、平年とは何かを先に押さえておくのが大事なのだ。
同じ案内ページには、主要野菜の入荷量と卸売価格の見通しを市場別にまとめた資料も並んでいます。毎月公表され、北海道から九州まで8つの地域に分かれています。この記事では、全体をつかみやすい月ごとの見通しを中心に見ていきます。
質問2:令和8年10月の野菜の価格見通しで、白菜・大根・ねぎはどう違いますか?
答え: 白菜は平年を上回る見込み、大根は10月前半が平年並みで後半がやや上回る見込み、ねぎは平年並みの見込みです。令和8年10月分の野菜の価格見通しから、3品目を抜き出して表にしました。
| 品目 | 主産地(令和7年10月の入荷シェア) | 10月の価格見通し | 資料に書かれている状況 |
|---|---|---|---|
| はくさい | 長野87%、茨城7% | 平年を上回って推移 | 長野県産は9月の長雨と日照不足で生育不良や歩留まりの低下があり、出荷数量は平年を下回る見込み |
| だいこん | 青森36%、北海道30%、千葉21% | 前半は平年並み、後半はやや平年を上回って推移 | 北海道産・青森県産は生育が順調。千葉県産は長雨と日照不足で定植作業や生育が遅れている |
| ねぎ | 秋田23%、北海道20%、青森19%、茨城6% | 平年並みで推移 | 主産地の生育は概ね順調で、出荷数量・価格とも平年並みの見込み |
出典は、農林水産省「野菜の生育状況及び価格見通し(令和8年10月)」(2026年9月30日公表、2026年10月26日確認)です。
博士、どうして白菜だけ高めの見込みなんですか?
資料には、白菜の主産地の長野県産で、9月の長雨と日照不足による生育不良や歩留まりの低下があったと書かれているのだ。
ねぎは同じ天気でも平気だったんですか?
ねぎの主産地は、生育が概ね順調と書かれているのだ。産地ごとに状況が違うのだ。
表の「入荷シェア」は、令和7年10月に東京都中央卸売市場へ入荷した量に占める割合です。たとえば白菜は長野県産が87%を占めるため、長野県の天候の影響が、全体の見通しに表れやすい品目だといえます。反対に大根は、青森県・北海道・千葉県の3つの産地が分け合っています。千葉県産の出荷が10月後半に増えるため、前半と後半で見通しが分かれています。
同じ資料では、たまねぎとばれいしょは北海道産が中心で、出荷数量は平年を上回り、価格は平年を下回って推移する見込みと書かれています。同じ月でも、品目によって見通しは分かれます。
質問3:「平年並み」「やや上回る」は、どう読めばよいですか?
答え: 「平年並み」は、平年との比率がおおむね90%以上110%以下のことです。資料の注に、そう書かれています。平年は、過去5か年の平均です。
たとえば、平年の価格が1キログラムあたり100円だと仮定すると、平年並みは90円から110円ほどです。これは読み方の例で、実際の価格ではありません。
注意したいのは、資料の注に範囲が書かれているのは「平年並み」だけという点です。「やや平年を上回る」「平年を上回る」が、それぞれ平年の何%以上を指すのかは、2026年10月26日に確認した範囲では、資料に書かれていませんでした。そのため、「やや上回る」を何割高と読むのは避けて、「平年並みよりは高めの見込み」という程度に受け止めるのが安全です。
もうひとつ、大根やキャベツのように「10月前半」「10月後半」で見通しが分かれる品目があります。
質問4:見通しと、実際の市場の価格は同じように動きますか?
答え: 見通しは聞き取りにもとづく予測で、実際の価格は日ごとに動きます。この資料だけでは、見通しが当たったかどうかは判断できません。
見通しの資料には、参考として、東京都中央卸売市場の指定野菜の価格と平年比の表が付いています。農林水産省の「青果物卸売市場調査」をもとに作られた表で、平年比は、日別価格と過去5か年の旬別価格の平均値との比です。単位は1キログラムあたりの円です。
この表で、2026年9月の白菜を見ると、9月1日は66円(平年比66%)でしたが、9月24日は172円(平年比162%)でした。同じ9月24日の大根は133円(平年比95%)、ねぎは460円(平年比91%)です。白菜は、1か月足らずの間に平年を下回る水準から大きく上回る水準へ動いています。ここで示したのは9月の価格で、10月の価格ではありません。
博士、見通しは当たるんですか?
資料からは、当たったかどうかは分からないのだ。価格は日ごとに動くし、見通しは聞き取りにもとづく予測なのだ。
じゃあ、どう使えばいいんですか?
「いまの方向」を知る手がかりとして使うのだ。決めつけずに、日々の値段とあわせて見るのだ。
質問5:野菜の価格見通しは、買い物や産直の仕入れにどう使えますか?
答え: 店頭や産直サイトの値札を当てるものではなく、品目ごとの高め・低めの方向を知る手がかりとして使います。野菜の価格見通しの対象は、東京都中央卸売市場に出荷される野菜です。スーパーの店頭価格や産地直送の販売価格は、産地や売り方、時期によって異なり、この資料だけでは分かりません。
個人の買い物では、白菜のように平年を上回る見込みの品目と、たまねぎのように下回る見込みの品目を見比べると、鍋の具材を考える材料になります。どれを選ぶかは、家族の好みや予算しだいです。
産直で野菜を売る側や、産地直送を始めたい事業者にとっては、主産地の入荷シェアも手がかりになります。資料の目的には産地の出荷判断も挙げられており、自分の産地がどの品目で大きなシェアを持っているか、天候の影響が出ている産地はどこかを確かめることができます。
もっと細かい数字を見たいときは、独立行政法人 農畜産業振興機構の「ベジ探(野菜情報総合把握システム)」があります。サイトの説明によると、野菜の統計データを無料で提供しており、東京・名古屋・大阪・福岡の中央卸売市場の、直近1か月の入荷量と価格の推移を見ることができます。小売価格では、総務省「小売物価統計調査」による主要野菜の小売価格なども載っています。
10月は食品ロスを考える月でもあります。野菜の値段が動くときほど、買う量や使い切り方を考えたくなります。この時期については、姉妹サイトの『事業系食品ロスは増えた?2024年度の推計を5つの質問で読む』でも、次のように説明しています。
10月は、食品ロス削減推進法に基づく「食品ロス削減月間」で、10月30日は「食品ロス削減の日」とされています。
この月間は、鍋の野菜をまとめて買うときにも、使い切れる量を先に決めておくきっかけになります。
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まとめ:野菜の価格見通しの読み方
- 野菜の価格見通しは、農林水産省が原則毎月公表する資料です。2026年10月26日時点の最新は、令和8年10月分でした。
- 表には金額ではなく、平年(過去5か年平均)との比較が書かれています。「平年並み」は、平年比がおおむね90%以上110%以下です。
- 令和8年10月分では、白菜は平年を上回る見込み、ねぎは平年並み、大根は前半が平年並みで後半がやや上回る見込みです。
- 対象は東京都中央卸売市場に出荷される野菜です。店頭や産直の値札そのものではないので、日々の価格とあわせて見ます。
11月分が公表されたら、農林水産省の案内ページで、品目ごとの見通しの変化を確かめてみてください。
野菜の価格や仕入れの判断は、天候や出荷の状況で変わります。最終的な判断は、農林水産省農産局園芸作物課の価格班、お近くの卸売市場、農協や産地の担当窓口、事業の資金計画については税理士などの専門家にご確認ください。
参考にした公的資料
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