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準備から文化祭!委員長だよ。最低賃金が上がる秋は、時給の引上げを支える制度も確認しておこう。みんなでやろう!
準備は申請の前から!業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金を引き上げ、設備投資などを行った会社に、費用の一部が助成される国の制度です。この記事では、時給を見直す小さな会社の経営者・採用担当の方に向けて、業務改善助成金を使う前に確認したい項目を、厚生労働省の資料にもとづいて整理します。内容は2026年10月26日時点で確認した令和8年度のものです。
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業務改善助成金とは?時給の引上げと設備投資をセットで支援する制度
厚生労働省の「令和8年度業務改善助成金のご案内」によると、業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を50円以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、その費用の一部を助成する制度です。上限は最大600万円です。
ここでいう事業場内最低賃金とは、事業場で最も低い時間給のことです。ただし、雇入れ後6か月を経過した労働者の事業場内最低賃金を引き上げる必要があるとされています。
しくみは、引上げ計画と設備投資等の計画を立てて申請し、交付決定後に計画どおりに進め、結果を報告する流れです。先に設備を買ってから申請する制度ではない点が、いちばんのポイントです。
委員長、業務改善助成金は、時給を上げれば自動的にもらえるんですか?
ちがうよ!引上げと設備投資などの計画を申請して、交付決定を受けるのが先なんだ。
設備投資って、大きな機械を買うことだけですか?
例はあとで見るよ。まずは、使えるかどうかの確認項目から押さえよう!
業務改善助成金を使えるか、最初に確認する項目
最初に確認したい項目を並べます。
- 中小企業・小規模事業者であること(みなし大企業は対象外)。
- 事業場内最低賃金が、令和8年度の地域別最低賃金未満であること。
- 解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がないこと。
- 労働者がいること(いない場合は対象外)。
- 引き上げる労働者が、週所定労働時間20時間以上の雇用保険加入者であること。
- 申請は、工場や事務所など労働者がいる事業所ごとに行うこと。
新しく人を迎えた会社は、雇入れ後6か月を経過しているか、雇用保険に加入しているかを、人ごとに確認しておきましょう。
助成率と上限額の見かた:コースと人数で決まります
助成される金額は、設備投資等にかかった費用に助成率をかけた金額と、助成上限額とを比べて、いずれか安い方です。助成率は、事業場内最低賃金が1,050円未満なら4/5、1,050円以上なら3/4とされています。
上限額は、時給の引上げ額で分かれる50円・70円・90円の3つのコースと、引き上げる労働者数、事業場規模(30人未満かどうか)で決まります。ご案内の表から一部を抜き出すと次のとおりです(単位は万円)。
| 引き上げる労働者数 | 50円コース(30人未満) | 50円コース(それ以外) | 70円コース(30人未満) | 70円コース(それ以外) | 90円コース(30人未満) | 90円コース(それ以外) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1人 | 40 | 30 | 50 | 40 | 100 | 90 |
| 2~3人 | 70 | 40 | 100 | 50 | 240 | 150 |
| 8人以上 | 110 | 110 | 230 | 230 | 450 | 450 |
10人以上の区分は、特例事業者が10人以上の労働者の賃金を引き上げる場合だけが対象で、上限額は50円コースが130万円、70円コースが300万円、90円コースが600万円です。特例事業者とは、事業場内最低賃金が1,050円未満の事業者、または、申請前6か月間平均の利益率が前年度と比べ3%ポイント以上低下している事業者です。
ご案内の計算例です。事業場内最低賃金が1,040円で、8人を1,130円まで引き上げる(90円コース)場合、設備投資などの額が600万円なら、4/5をかけて480万円です。90円コースの上限額は450万円なので、支給されるのは450万円です。
助成の対象は、生産性向上に資する設備投資等です。ご案内の例として、POSレジシステムの導入による在庫管理の短縮、リフト付き特殊車両の導入による送迎時間の短縮、国家資格者による業務フローの見直し、顧客管理情報のシステム化が挙げられています。パソコンなどの端末の新規導入は、物価高騰等要件に当てはまる特例事業者だけが対象です。
委員長、上限額の大きいコースを選べばいいんですか?
コースは、時給を何円上げるかで決まるんだ。上限だけで選ばないでね。
助成率の4/5や3/4は、何にかかる数字ですか?
設備投資等にかかった費用にかける率だよ。上限額と比べて、安い方が助成額になるんだ。
業務改善助成金の申請期限と、賃上げの期限は都道府県で変わります
厚生労働省のページによると、令和8年度の申請期間は、令和8年9月1日から、申請事業場の都道府県で適用される地域別最低賃金の発効日の前日、または同年11月30日のいずれか早い日までです。発効日は都道府県ごとに違うため、申請期限も同じではありません。都道府県によっては9月末が期限になるため注意が必要、とも書かれています。
例として、愛媛労働局のページでは、愛媛県の発効日は令和8年11月1日、交付申請期間は令和8年9月1日から10月31日までです。ほかの都道府県の期限は、管轄の労働局のページで確認してください。
賃金を引き上げる期間も決まっています。ご案内によると、令和8年9月1日から、申請事業所に適用される地域別最低賃金の発効日の前日までです。たとえば10月1日に発効する場合、前日の9月30日までに引上げを完了すれば対象で、当日の10月1日に引き上げると対象外になる、という例が示されています。
引上げ後の事業場内最低賃金額と同じ額を、就業規則等に定める必要もあります。複数回に分けての引上げは認められません。愛媛労働局のページには、賃金の引上げは交付申請の後に行う、とあります。
事業完了の期限は、交付決定の属する年度の1月31日です。予算の範囲内で交付されるため、申請期間内でも募集が終わる場合があります。
委員長、引上げは、2回に分けてもいいんですか?
複数回に分けての引上げは認められないんだ。引き上げる額は、申請の前に決めておこう。
うちの県の期限は、どこで見ればいいですか?
管轄の労働局のページだよ。コールセンターにも聞けるよ!
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申請から支給までの流れと、交付決定の前に買わない注意点
ご案内にある支給までの流れは、次の5段階です。
- 交付申請:管轄の都道府県労働局に、所定の様式で申請します。
- 交付決定:労働局が審査し、通知します。
- 事業の実施:賃金の引上げ、設備の導入、代金の支払を行います。
- 事業実績報告:事業の完了後、助成金支給申請とあわせて報告します。
- 交付額の確定と支払い:審査を経て、助成金が支払われます。
気をつけたいのが、交付決定の前の動きです。ご案内には、交付決定前に助成対象設備の導入を行った場合は、助成の対象にならないと書かれています。この点は、姉妹サイトの「デジタル化・AI導入補助金で入れるツールの選び方」でも、別の補助金について説明しています。
公式サイトの交付決定後の手続きの案内では、事務局から交付決定を受けた後に、ツールの発注・契約・支払い等を行うことができるとされ、交付決定前に発注・契約・支払い等を行った場合は補助金の交付を受けられないと明記されています。
制度は別ですが、設備の導入を交付決定のあとにする順番が大切な点は、業務改善助成金でも同じです。
申請書類も確認しておきましょう。厚生労働省の申請マニュアル(2026年4月)によると、交付申請書に添えるのは、事業実施計画書、助成対象経費の見積書の写しなどです。見積書は、契約予定額が10万円未満の場合を除き、2者以上が必要とされています。引上げ前の時給が新しい事業場内最低賃金より低い労働者については、申請前6か月の賃金台帳の写しも求められます。
提出先は、管轄の都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。方法は、郵送、持参のほか、Jグランツによる電子申請があり、電子申請にはGビズIDプライムが必要です。締切の近くは申請が集中し、書類に不備があると返戻されるため、早めの準備が欠かせません。
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まとめ:業務改善助成金を使う前の確認項目
業務改善助成金は、計画を立て、交付決定を受けてから実施する制度です。申請の前に、次の項目を確認しましょう。
- 中小企業・小規模事業者で、事業場内最低賃金が令和8年度の地域別最低賃金未満か
- 引き上げる労働者が、週20時間以上の雇用保険加入者で、雇入れ後6か月を経過しているか
- 都道府県の申請期限と、賃金を引き上げる期限(発効日の前日)はいつか
- 50円・70円・90円のどのコースで、何人の時給を引き上げるか
- 設備投資等の内容が対象経費か。見積書を2者以上そろえられるか
- 交付決定の前に、設備の発注や契約、支払いをしていないか
最新の交付要綱・要領の確認が案内されています。不明な点は、管轄の労働局か、業務改善助成金コールセンター(0120-366-440、平日9時から17時)へ。
この記事は、2026年10月26日時点で確認した公的資料にもとづく一般的な説明です。対象になるか、申請期限、助成額は、事業場の状況や都道府県で変わります。申請を考えるときは、社会保険労務士、管轄の都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)、業務改善助成金コールセンターなどにご確認ください。最終的な判断は専門家や所管の窓口にご確認ください。
参考にした公的資料
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