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いらっしゃいっす!店長っす。年末は弁当箱やカトラリーのようなキッチン雑貨がよく動く時期っす。売る前に確認したいことを、順番に正直に答えるっす!
お皿、弁当箱、保存容器、スプーンやフォーク。こうしたキッチン雑貨は、口に入れる食べ物に直接ふれる道具です。そのため、衣類や文房具とはちがい、食品衛生法という法律が関わります。2025年6月1日からは、プラスチック(合成樹脂)を使った食品用の器具・容器包装について、使える原材料のリストを使った制度(ポジティブリスト制度)が、経過措置を終えて本格的に動いています。
この記事では、ネットショップや店頭でキッチン雑貨を売りたい人に向けて、売る前に確認したいことを5つの手順にまとめます。内容は、2026年10月26日時点で確認した消費者庁と厚生労働省の公式資料にもとづきます。
まず全体像、売る前の5手順
最初に、全体の流れを見ておきます。細かい説明は、このあとの見出しで順に行います。
- 手順1:その商品が、食品衛生法でいう「器具」や「容器包装」に当たるかを見分ける
- 手順2:材質を確かめ、合成樹脂を使っているかを調べる
- 手順3:仕入れ先から、規格に合っていることが分かる情報を受け取る
- 手順4:受け取った情報を記録して保存し、商品ページの表記を整える
- 手順5:迷ったら、所管の窓口に確認する
店長、雑貨屋さんが食品衛生法を気にしないといけないんですか?
食べ物にふれる道具を売るなら、気にする必要があるっす。
お皿やスプーンも、食品と同じ扱いになるんですか?
食品そのものではなく「器具・容器包装」という別の区分っす。
じゃあ、何を見ればいいんですか?
この記事の5手順を順番に見ていくっす!
手順1と2、対象の商品と材質を確かめる
手順1:「器具」と「容器包装」に当たるかを見分ける
消費者庁の資料「器具・容器包装についての施策のご紹介」(2025年6月1日)では、器具には飲食器や割ぽう具、食品に直接ふれる機械・器具などが含まれるとされています。容器包装は、食品や添加物を授受する場合に、そのままの状態で引き渡すものと定義されています。
たとえば、次のような商品は、食品に直接ふれるので、この考え方に当てはまるかどうかを確認する対象になります。
- お皿、茶わん、コップ、マグカップなどの飲食器
- はし、スプーン、フォーク、ナイフなどの食事用の道具
- 弁当箱、保存容器、水筒の飲み口の部品など、食品を入れるもの
手順2:材質を確かめて、合成樹脂かどうかを調べる
次に、材質を見ます。消費者庁のページによると、ポジティブリスト制度は、政令で定める材質の器具・容器包装が対象で、2025年6月1日時点では、その材質は合成樹脂(いわゆるプラスチック)です。対象になる合成樹脂の製品は、リストに載っている物質だけを使って作られている必要があります。
なお、材質が合成樹脂以外の商品や、合成樹脂でも制度の対象外に当たるものがあります。消費者庁のよくある質問(2025年2月6日版)には、次の類型が対象外と書かれています。
- 合成樹脂以外の原材料(金属やガラスなど)
- 食品への移行を目的とする物質
- 帯電防止や防曇などの目的で表面に付ける塗布剤
- 化学変化で生じた物質
- 最終製品に残さないことを意図した物質
ただし、対象外だからといって、安全性の確認が要らなくなるわけではありません。同じ資料には、対象外の物質も、自らの責任で安全性の確保に努める必要があると書かれています。陶磁器や金属製の食器でも、食品衛生法第16条(有害な器具・容器包装の販売禁止)などは変わらず関わります。
店長、プラスチックの食器だけ気をつければいいんですか?
ポジティブリストの対象は合成樹脂っす。でも他の材質も無関係じゃないっす。
金属やガラスは、何も確認しなくていいんですか?
リストの対象外でも、有害なものを売らないという決まりは同じっす。
対象かどうか、自分で分からないときは?
仕入れ先に材質を聞くっす。手順3で説明するっす!
手順3、仕入れ先から受け取る情報と記録の残し方
食品衛生法第53条には、合成樹脂を使った器具・容器包装を販売する人は、販売の相手に対して、規格に合った原材料だけを使っていることなどを説明しなければならない、という決まりがあります。厚生労働省の通知(令和元年11月7日、令和3年8月5日に最終改正)には、この情報伝達は「営業者間の情報伝達を想定したもの」と書かれています。
つまり、メーカーや問屋が、小売店のような取引先に説明する流れです。雑貨を仕入れて売る側は、この説明を受け取る立場になります。通知には、伝える内容について、規格に適合しているかを確認するための情報であればよく、個別の物質の開示は必ずしも必要ではないとされています。
情報のやり取りの方法も、特に決められていません。通知には、活用できるものとして、次のような例が挙げられています。
- 契約を結ぶときの仕様書
- 入荷のときの品質保証書
- 業界団体が出す確認の証明書
- 規格への適合を裏づける書類
あわせて、通知には、情報を記録または保存するなどして、あとから確認できる手段を確保する必要があると書かれています。保存の期間や様式は、通知には書かれていません。そのため、いつまで残すかは、取引の期間などを考えて自分で決めておくと安心です。
ここで、実際の仕入れで確認する項目を整理します。取引先への質問は、次の順にまとめて聞くと、やり取りが一度で済みます。
- 材質(合成樹脂か、どの種類か)
- 食品に直接ふれる部分の材質と、ふれない部分の材質
- 規格に適合していることが分かる書類があるか
- 材料や仕様を変えたときの連絡のしかた
この点は、姉妹サイトの「開業届だけで売れる?開業前の許可・届出を4つの場面で確認」でも、食品衛生法の届出という別の角度から、次のように説明しています。
営業届出は、営業許可の対象になっていない業種を営む事業者が、一部の例外を除いて対象となります。許可とは異なり、施設基準のような要件はありません。
この引用は、食べ物を作って売る商いの届出の話です。キッチン雑貨を仕入れて売る場合の手続きとは別の話ですが、同じ食品衛生法の中に、商いの中身によって確認する制度が分かれていることが分かります。
手順4、受け取った情報を商品ページに生かす
書類を受け取って終わりにせず、商品ページの表記にも生かします。ここは法律で書き方が決まっているわけではありませんが、買う人の疑問を減らすための整理として、次のような項目を載せておくと分かりやすくなります。
- 材質(例:ポリプロピレン、ステンレス、磁器など、仕入れ先から確認できた名称)
- 食品に使える用途かどうか(電子レンジ、食洗機、冷凍庫が使えるかも含めて)
- 耐熱温度や使えない使い方など、仕入れ先の資料にある注意
- 観賞用や飾り用など、食品に使えない商品は、その旨をはっきり書く
注意したいのは、仕入れ先の資料にないことを、自分の判断で書き足さないことです。たとえば、耐熱温度や食洗機の可否は、資料で確認できた内容だけを載せます。確認できないことは、載せずに、問い合わせがあったときに仕入れ先へ確認します。
店長、商品ページには何を書けばいいですか?
仕入れ先の資料で確認できたことだけを書くっす。材質や用途が基本っす。
食洗機が使えるかは、書いていいですか?
資料で確認できたなら書いていいっす。分からないなら書かないっす。
飾り用の食器風の商品はどうすれば?
食品に使えないなら、その旨をはっきり書くっす!
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手順5、迷ったときの相談先と、見直しの時期
ここまで進めても、判断に迷う商品は出てきます。材質が複数ある、海外製で書類が少ない、新しい素材を使っている、といった場合です。そのときは、自分で結論を出さず、所管の窓口に確認します。
消費者庁の資料では、器具・容器包装の担当部署は消費者庁の食品衛生基準審査課とされています。実際には、商品を売る地域の保健所にまず相談し、必要に応じてそこから案内を受ける流れが分かりやすいでしょう。相談するときは、商品の写真、材質の情報、仕入れ先の書類を手元にそろえておくと、話が早く進みます。
また、制度は見直しが続いています。消費者庁の資料には、規格や試験法の変更に関する規定が2026年6月1日から施行されることが書かれています。すでに売っている商品がある場合は、こうした日付も確認しておくとよいでしょう。
まとめ
キッチン雑貨を売る前に確認したいことを、5つの手順で整理しました。
- 手順1:飲食器や弁当箱など、食品にふれる商品は、器具・容器包装に当たるかを確かめる
- 手順2:材質を確認し、合成樹脂ならポジティブリスト制度の対象かを調べる
- 手順3:仕入れ先から、規格に合っていることが分かる情報を受け取り、記録を残す
- 手順4:資料で確認できたことだけを、商品ページに書く
- 手順5:迷ったら、保健所や消費者庁などの窓口に確認する
ポジティブリスト制度の経過措置は、2025年5月31日で終わっています。売る側としては、仕入れ先の書類を確認する習慣をつけることが、いちばん現実的な備えです。
この記事は一般的な解説であり、個々の商品が食品衛生法の対象になるか、規格に適合しているかを判断するものではありません。制度は改正されることがあります。最終的な判断は、お住まいの地域の保健所、消費者庁(食品衛生基準審査課)、必要に応じて行政書士や弁護士などの専門家や所管の窓口にご確認ください。
参考にした公的資料
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