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へいらっしゃい! 商店街の会長だよ。開業の準備では「青色にするか、白色にするか」と迷う人が多いんだ。今日は違いと申請の期限を、表を見ながらいっしょに整理していこうね。
個人で商いを始めると、毎年の確定申告で、青色申告にするか白色申告にするかを考えることになります。この記事では、国税庁の資料(2026年10月25日時点で確認、令和8年4月1日現在法令等)に沿って、二つの違いを表で比べます。あわせて、青色申告承認申請書の期限、青色申告特別控除の金額の違い、白色申告の記帳と保存の決まりを整理します。
| 比べる点 | 青色申告 | 白色申告 |
|---|---|---|
| 事前の手続き | 承認申請書を出す | 出さない |
| 所得からの控除 | 特別控除 10万・55万・65万円 | 対象外 |
| 記帳 | 55万・65万円は複式簿記など | 年月日・相手方・金額を記帳 |
| 保存 | 原則7年(書類により5年) | 帳簿7年・領収書など5年 |
| 家族への給与 | 事前の届出額の範囲で経費に | 対象外 |
| 赤字 | 翌年以後3年間繰り越せる | 対象外 |
青色申告と白色申告は何が違う?まず表で比べます
青色申告は、一定水準の記帳を行い、その記帳に基づいて正しく申告する人が、所得金額の計算などで有利な取扱いを受けられる制度です。国税庁のタックスアンサーでは、青色申告者の特典として、青色申告特別控除、青色事業専従者給与、貸倒引当金、純損失の繰越しと繰戻しが挙げられています。青色申告をするには、事前に青色申告承認申請書を税務署に提出します。
この記事では、青色申告の申請をしていない場合の申告を、白色申告と呼びます。白色申告であっても、事業所得のある人には、帳簿への記帳と帳簿書類の保存の決まりがあります。
| 比べる点 | 青色申告 | 白色申告 |
|---|---|---|
| 事前の手続き | 青色申告承認申請書を、納税地の所轄税務署長に提出する | 青色申告承認申請書は出さない |
| 所得からの控除 | 青色申告特別控除が10万円・55万円・65万円の3段階 | 青色申告者の特典のため、青色申告特別控除の対象外 |
| 記帳の水準 | 55万円・65万円の控除には、正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)での記帳が必要 | 取引の年月日・相手方・金額などを帳簿に記載する(日々の合計額でまとめる簡易な方法も可) |
| 帳簿書類の保存 | 原則7年(書類によっては5年) | 収入金額や必要経費を記載した帳簿は7年、請求書・領収書などは5年 |
| 家族への給与 | 15歳以上で事業に専ら従事する生計を一にする配偶者や親族への給与は、事前の届出額の範囲内で適正なら必要経費にできる(青色事業専従者給与) | 青色申告者の特典のため、この仕組みの対象外 |
| 赤字の扱い | 純損失を翌年以後3年間繰り越して控除できる。前年も青色申告なら、前年分に繰り戻して還付を受ける方法もある | 青色申告者の特典のため、この仕組みの対象外 |
表のとおり、違いの中心は「事前に申請書を出すかどうか」と、そのうえで受けられる特典です。一方で、記帳と保存は、どちらを選んでもなくなりません。白色申告の欄の「対象外」は、国税庁の資料で青色申告者の特典として挙げられている仕組みのことです。
会長、青色申告のほうが得ということですか?
一概には言えないんだ。特典がある分、申請書の提出と一定水準の記帳が前提になるよ。
白色申告なら、帳簿をつけなくていいんですか?
そうじゃないんだ。事業所得のある人は、白色でも記帳と保存の決まりがあるよ。
青色申告承認申請書の期限は?開業届とは別の書類です
青色申告をするには、青色申告承認申請書を、納税地の所轄税務署長に提出します。国税庁の所得税の青色申告承認申請手続の案内では、提出期限が次のように示されています。
- 通常の場合:青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで
- その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合:事業開始の日から2か月以内
タックスアンサーにも、新規開業の場合は業務を開始した日から2か月以内に提出する、と書かれています。期限が土日・祝日などにあたる場合は、その翌日が期限になります。
たとえば、2027年分から青色申告にしたい人が、2027年1月16日以後に開業するなら、開業日から2か月以内が期限です。すでに事業を始めている人が2027年分から青色申告にしたい場合の通常の期限は、2027年3月15日までです。2026年中に開業して2か月が過ぎている人は、この区分では2026年分の申請には間に合わないため、2027年分からの申請を考えることになります。迷ったときは税務署に確認してください。
個人事業の開業届出書(いわゆる開業届)は、青色申告承認申請書とは別の書類で、提出期限も別に定められています。開業日が決まった時点で、出す書類と期限を一覧にしておくと、抜けが減ります。
青色申告特別控除の10万円・55万円・65万円は何が違う?
青色申告特別控除は、青色申告者が受けられる所得からの控除で、10万円・55万円・65万円の3段階があります。
- 55万円:事業所得などを生ずべき事業を営み、正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)で記帳し、貸借対照表・損益計算書などを添付した確定申告書を、翌年3月15日までに提出する場合
- 65万円:55万円の要件に加えて、仕訳帳・総勘定元帳の電子帳簿保存を行うか、確定申告書などを電子申告(e-Tax)で送信する場合
- 10万円:55万円・65万円の要件を満たさない青色申告者の場合
控除できる金額の上限は、不動産所得・事業所得などの黒字の合計額(損益通算前)です。電子帳簿保存で65万円の控除を受ける場合は、届出書の提出が必要になるとされているため、要件の詳細は国税庁の案内で確認してください。
会長、65万円の控除は、複式簿記で記帳すれば受けられますか?
それだけでは足りないんだ。電子帳簿保存か、電子申告での送信が、要件に入っているよ。
10万円の控除なら、青色申告の申請書はいらないんですか?
いるよ。10万円も、青色申告者の控除の一つだからね。
1年目から65万円を目指すのは、難しいですか?
記帳の準備しだいだね。要件を一覧で確かめて、できる範囲から決めよう。
白色申告の記帳と保存は、どこまで求められる?
白色申告者の記帳・帳簿等保存制度では、記帳制度の対象は、不動産所得・事業所得・山林所得のある人です。帳簿に書く内容は、取引の年月日、売上先・仕入先などの相手方の名称、金額、日々の売上げ・仕入れ・経費の金額などです。
取引ごとではなく日々の合計額でまとめるなど、簡易な方法も認められています。ただし、所得金額を正確に計算できるよう、整然と明瞭に記帳する必要があります。この点は、姉妹サイトの「個人事業主の経費の考え方を質問と答えで整理」でも、次のように説明しています。
記帳は、売上げなどの収入金額、仕入れや経費について、取引の年月日、相手方の名称、金額などを帳簿に記載するものです。日々の合計金額だけをまとめて記載するなど簡易な方法でもよいとされていますが、所得金額が正確に計算できるよう、整然と明瞭に記載する必要があります。
この記帳は白色申告の土台で、青色申告で55万円や65万円の控除を目指す場合は、さらに正規の簿記の原則による記帳が求められます。
保存期間は、収入金額や必要経費を記載した帳簿(記帳制度に基づく帳簿)が7年です。それ以外の任意の帳簿、棚卸表などの決算関係書類、請求書や領収書などの書類は5年とされています。青色申告でも、帳簿や書類は原則として7年間の保存で、書類によっては5年間でよいものがあります。
開業1年目はどう選ぶ?確認したい項目
開業日、記帳に使える時間、家族への給与の予定、初年度の見込みを、順に確かめてみてください。
- 開業日はいつか:1月16日以後の開業なら開業日から2か月以内、通常の場合は3月15日までが目安です
- 記帳を続けられる方法があるか:手書きの帳簿、表計算、会計ソフトなど、続けやすい形を決めます
- 55万円・65万円の要件を満たせそうか:複式簿記での記帳、電子帳簿保存や電子申告の準備を確かめます
- 家族に給与を払う予定があるか:青色事業専従者給与は、事前の届出額の範囲内で、事業に専ら従事する15歳以上の親族などが対象です
- 初年度に赤字が出そうか:青色申告では、純損失を翌年以後3年間繰り越して控除できます
期限を過ぎると、その年分の申請には間に合わなくなります。迷っている場合も、期限の前に、税務署や税理士へ相談してください。
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会長、開業したばかりで売上が少なくても、青色申告にする意味はありますか?
売上の大きさより、赤字が出た年の扱いと、控除の枠が使えるかがポイントだよ。
赤字の年は、青色申告特別控除は使えないんですか?
控除額は黒字の合計額が上限だから、黒字がなければ使えないんだ。純損失の繰越しは別の仕組みだよ。
結局、いつ決めればいいですか?
開業日が決まったら、期限の日付を先に確かめるのが安心だよ。
まとめ
青色申告と白色申告の違いの中心は、事前に青色申告承認申請書を出すかどうかと、そのうえで受けられる特典です。白色申告でも、記帳と帳簿書類の保存の決まりは残ります。
申請書の期限は、通常の場合は申告しようとする年の3月15日まで、その年の1月16日以後に新たに事業を始める場合は開業から2か月以内です。開業届とは別の書類なので、開業日が決まったら、書類と期限を一緒に確認しておくと安心です。
この記事は、2026年10月25日時点で国税庁が公表している資料(令和8年4月1日現在法令等)に基づく一般的な説明です。個別の事情によって扱いは変わります。申請書の提出や控除の適用、記帳の方法については、所轄の税務署や税理士などの専門家にご相談ください。最終的な判断は専門家や所管の窓口にご確認ください。