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ふくろう探偵だホー。個人で仕事をしていると「これは経費になるのかホー?」と迷う場面が出てくるホー。今日は国税庁の資料にそって、考え方の土台だけを質問と答えで整理するホー。
この記事では、個人事業主の経費(税法上の「必要経費」)について、よくある5つの質問に答える形で基本的な考え方を整理します。内容は、2026年10月20日時点で国税庁が公表しているタックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)などに基づいています。個々の支出が経費になるかどうかは事実関係によって変わるため、ここでは一般的な考え方に絞って説明します。
探偵さん、経費って、お金を払ったものは何でも入れていいの?
そうとは限らないホー。その年に債務が確定した、仕事のための費用が対象だホー。
仕事のためかどうかは、どう決まるの?
支出の中身と実態で決まるホー。くわしくは質問1から順に見ていくホー。
質問1:経費(必要経費)とは、どんな費用のことですか?
答え: 事業所得、不動産所得、雑所得の金額を計算するときに、収入から差し引ける費用のことです。国税庁は、次の2つを挙げています。
- 総収入金額に対応する売上原価、その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
- その年に生じた販売費、一般管理費、その他業務上の費用の額
いつの経費にするかは、「その年において債務の確定した金額」が基準です。支払った年ではなく債務が確定した年で考えるため、その年に支払っても債務が確定していなければその年の経費にならず、未払いでも債務が確定していればその年の経費になります。債務が確定しているとは、次の3つの要件をすべて満たす場合をいいます。
- その年の12月31日までに債務が成立していること
- 12月31日までに、その債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること
- 12月31日までに金額が合理的に算定できること
なお、減価償却費のように、債務の確定によらない費用もあります。
質問2:仕事と私生活が混ざる費用(家賃や光熱費など)はどう考えますか?
答え: 家事上の費用は経費になりません。ただし、一つの支出が家事上と業務上の両方にかかわる費用があり、国税庁はこれを「家事関連費」と呼んでいます。例として、店舗併用住宅にかかる租税公課、家賃、水道光熱費などが挙げられています。実務では「家事按分」と呼ばれることもあります。
家事関連費のうち経費になるのは、取引の記録などに基づいて、業務の遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合の、その区分できる金額に限られます。所得税基本通達には、判定の目安として次の考え方が示されています。
- 業務の遂行上必要な部分は、業務の内容、経費の内容、家族や使用人の構成、店舗併用の家屋などの資産の利用状況を総合的に考えて判定します(通達45-1)。
- 支出のうち業務の遂行上必要な部分が50%を超えるかどうかで、業務が主たる部分かを判定します。ただし、必要な部分が50%以下でも、その部分を明らかに区分できる場合は、その金額を必要経費に算入して差し支えないとされています(通達45-2)。
ポイントは、業務で使った部分を取引の記録などで区分できるかどうかです。どの割合が適切かは事業の実態によって変わるため、迷う場合は税務署や税理士に確認してください。
探偵さん、自宅を事務所にしているとき、家賃は全部入れられないの?
仕事と私生活が混ざる費用は、業務に使った部分を区分できる金額が対象だホー。
区分するには、何が必要なの?
取引の記録などで説明できることホー。何にどれだけ使ったか、日ごろから残しておくといいホー。
質問3:領収書や帳簿は、いつまで保存する必要がありますか?
答え: 不動産所得、事業所得、山林所得のある方は、帳簿を付け、帳簿や書類を保存する必要があります。国税庁の「白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」では、保存期間は次のとおりです。
| 保存が必要なもの | 保存期間 |
|---|---|
| 収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿) | 7年 |
| 業務に関して作成した、上記以外の帳簿(任意帳簿) | 5年 |
| 決算に関して作成した棚卸表などの書類 | 5年 |
| 業務に関して作成・受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類 | 5年 |
保存場所は、住所地や事業所などの所在地です。青色申告の場合は、帳簿書類を原則7年間保存することとされ、書類によっては5年間でよいものがあります(請求書、見積書、納品書、送り状など)。青色申告の書類ごとの期間は、国税庁の案内で確認してください。
記帳は、売上げなどの収入金額、仕入れや経費について、取引の年月日、相手方の名称、金額などを帳簿に記載するものです。日々の合計金額だけをまとめて記載するなど簡易な方法でもよいとされていますが、所得金額が正確に計算できるよう、整然と明瞭に記載する必要があります。
また、請求書や領収書などの電子データを、メールやインターネット経由で受け取った場合は、その電子データを一定の要件を満たした形で保存することが必要です。国税庁は、令和6年からは保存要件に従って電子データを保存できるよう準備を求めており、要件の詳細は電子帳簿保存法の案内に掲載されています。
この点は、姉妹サイトの「予約・請求・問い合わせをオンライン化する手順」でも、次のように説明しています。
国税庁の電子帳簿保存法一問一答では、取引情報を含まないメールは保存不要とされています。一方で、見積もりの金額や注文の内容など、取引情報が書かれたメールは、電子取引として保存の対象になります。
質問3で触れた請求書や領収書も、取引情報が書かれた電子データであれば、メールで受け取ったものを含めて保存の対象として考えます。
質問4:パソコンなど高額な備品は、買った年に全額を経費にできますか?
答え: 取得価額によって扱いが変わります。国税庁の「減価償却のあらまし」によると、建物、機械装置、器具備品、車両運搬具などの減価償却資産は、取得に要した金額を取得時に全額経費にするのではなく、使用できる期間にわたって分割して経費にしていくのが原則です。ただし、次の例外や特例があります。
- 使用可能期間が1年未満のもの、または取得価額が10万円未満のものは、全額をその業務に使い始めた年の必要経費にします。
- 取得価額が10万円以上20万円未満のものは、一定の要件のもとで一括し、その合計額の3分の1を、使い始めた年以後3年間の各年の必要経費にできます。
- 一定の要件を満たす青色申告者が令和11年3月31日までに取得した、取得価額10万円以上40万円未満のもの(令和8年3月31日までの取得は10万円以上30万円未満)は、取得価額の合計300万円に達するまでの部分を、使い始めた年の必要経費にできる特例があります。
取得価額の判定に消費税を含めるかどうかは、税込経理か税抜経理かという経理方式によります。免税事業者は税込経理です。また、償却方法は届出で選定し、届出がない場合は法定の償却方法(一般的には定額法)で計算します。
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質問5:家族に払う給与や家賃、税金や罰金は経費になりますか?
答え: 国税庁の「必要経費の知識」に、経費になるものとならないものの例が示されています。
- ならないもの: 生計を一にする配偶者その他の親族に支払う地代家賃(受け取った人も所得とは考えません)、生計を一にする親族に支払う給与賃金(青色事業専従者給与を除く)、所得税と住民税、罰金・科料・過料、公務員への賄賂など
- なるもの: 業務のための借入金の利息(業務用資産の購入のための借入金など)、事業税(全額)、固定資産税(業務用の部分に限る)、業務用資産の修繕に要した費用(一定の場合を除く)
青色申告者が生計を一にする15歳以上の親族に支払う給与は、その事業に専ら従事していて、事前に提出した届出書の金額の範囲内で、労務の対価として適正な金額であれば、青色事業専従者給与として必要経費に算入できます。青色申告者でない場合は、事業専従者控除の金額が必要経費とみなされます。
探偵さん、高い備品を買ったら、どうなるの?
原則は、使える期間にわけて経費にする減価償却だホー。金額に応じた例外もあるホー。
家族に払う給与は、経費にならないの?
原則はならないホー。青色事業専従者給与のように、要件を満たすものは別だホー。
まとめ
個人事業主の経費は、収入を得るために直接要した費用と、その年に生じた業務上の費用が基本で、その年に債務が確定したものが対象になります。
- 経費にする年は、支払った年ではなく、債務が確定した年で考えます。
- 仕事と私生活が混ざる費用は、取引の記録などに基づいて、業務で使った部分を明らかに区分できる金額が経費になります。
- 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度では、法定帳簿は7年、領収書などの書類は5年の保存です。
- 10万円以上の備品は減価償却が原則で、取得価額に応じた例外や青色申告者向けの特例があります。
実際にどう処理するかは、事業の内容や申告の方法によって変わります。記事の内容は2026年10月20日時点の国税庁の案内に基づくため、申告の前に最新の案内をご確認ください。
経費になるかどうかは、事業の内容や支出の状況などの事実関係によって判断が変わります。この記事は国税庁の公表資料を一般向けに整理したもので、個別の税務判断を示すものではありません。具体的な取扱いは、所轄の税務署、税理士などの専門家にご確認ください。最終的な判断は専門家や所管の窓口にご確認ください。