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店舗を借りる手順は?契約前に確認する6つの点

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へいらっしゃい! 会長だよ。お店を持つなら、まず場所が決まらないと始まらないよね。でも、気に入った物件を見つけた日に判を押すのは、ちょっと待った。順番に見ていこうじゃないか。

個人で商いを始めるとき、自宅や催事で試したあとに、店舗や事務所を借りる段階がやってきます。この記事では、店舗を借りる手順を6つに分け、契約書で確認したい期間・更新・原状回復・敷金の考え方と、消防への届出の時期を整理します。2026年10月26日時点で確認した、借地借家法と民法の条文、東京消防庁の案内をもとにした一般的な解説です。個別の物件や契約が適切かどうかの判断はしていません。

物件を探す前に、先に決めておきたいこと

物件探しは、条件が決まっていないと、見た目や家賃の印象だけで話が進みがちです。まず、次の3つを紙に書き出しておきます。

  • 何を売るか、どんな許可や届出が要りそうか
  • 売り場や席に、どれくらいの広さが要るか
  • 開業までに使える資金の枠と、毎月の固定費として払える上限

業種ごとの許可や届出は、物件を決めたあとで「この場所では出せない」と分かると手戻りになります。気になる物件が見つかった段階で、保健所などの窓口に先に相談しておくと安心です。

店舗を借りる流れを6つの手順で

物件を借りるまでの流れは、おおまかに次の6つに分けられます。

  1. 条件を決める:業種、広さ、予算、開業したい時期を整理する
  2. 物件を探す:不動産会社、商店街の組合、自治体の空き店舗の案内などから候補を集める
  3. 内見して確認する:設備、電気容量、看板の出し方、営業時間を貸す側に質問する
  4. 申込みと契約前の説明を受ける:契約書の案を先にもらい、時間をかけて読む
  5. 契約を結ぶ:期間、更新、原状回復、敷金などを確認してから署名・押印する
  6. 工事と届出を進める:消防などへの届出の期限から逆算して、内装工事と開業日を決める

手順3から手順5の間は、口頭の約束で進めず、書面かメールに残します。

契約書で見る期間・更新・終了のルール

店舗を借りる契約は、建物の賃貸借にあたります。建物の賃貸借については、借地借家法に決まりがあります。e-Gov法令検索で確認した現行の条文のうち、店舗を借りる人が知っておきたい点は次のとおりです。

  • 期間の定めがある場合、貸す側と借りる側が期間の満了の1年前から6か月前までの間に更新しない旨などを通知しないと、従前と同じ条件で契約を更新したものとみなされます。ただし、更新後の期間は定めがないものとされます(第26条第1項)。
  • 貸す側が解約を申し入れた場合、建物の賃貸借は申入れの日から6か月を経過すると終了します(第27条第1項)。
  • 貸す側からの更新拒絶や解約の申入れは、双方が建物を使う必要がある事情のほか、これまでの経過や建物の利用状況、明渡しの条件として申し出る財産上の給付などを考えて、正当の事由があると認められる場合でなければできません(第28条)。

更新のない「定期建物賃貸借」に注意

借地借家法第38条は、期間の定めがある建物の賃貸借で、公正証書などの書面によって契約するときに限り、契約の更新がないことを定められるとしています。この場合、貸す側は、あらかじめ借りる側に対して、更新がなく期間の満了で終了することを記載した書面を交付して説明しなければなりません。説明をしなかったときは、更新がないとする定めは無効とされています(第38条第3項・第5項)。期間が1年以上の場合は、満了の1年前から6か月前までの間に終了の通知がなければ、貸す側は終了を主張できないとも定められています(第6項)。

更新できる契約なのかどうかは、内装費の回収の見通しに直結します。契約書の表題や期間の欄に「更新なし」と書かれていないかを、署名の前に確認しましょう。

契約前に書面で確かめる姿勢は、ほかの契約でも共通します。この点は、姉妹サイトの「代理店・フランチャイズ契約前の確認項目(手数料・期間・解約)」でも、次のように説明しています。

どの項目も、契約書の条項と書面の説明の両方で確かめ、分からない点は署名や押印の前に質問して、回答を書面で残してください。

出典:代理店ってなんぼのもん?「代理店・フランチャイズ契約前の確認項目(手数料・期間・解約)」

店舗の賃貸借契約でも、不動産会社の口頭の説明と契約書の条項を照らし合わせ、疑問は署名の前に聞いて、答えを書面に残しておくことが役に立ちます。

会長、契約の期間が決まっているなら、満了したら終わりじゃないんですか?

普通の契約なら、通知がなければ同じ条件で更新される仕組みだよ。ただし定期建物賃貸借は別だね。

どうやって見分ければいいんですか?

契約書に「更新がない」と書かれているか、その旨の説明書面をもらっているかを確かめるんだ。

分からなかったら、そのまま署名しちゃだめですよね。

そうだよ。署名の前に聞いて、答えを書面で残しておこう。

修繕・原状回復・敷金は、民法の考え方をもとに確認する

店舗を借りるとき、お金の話で揉めやすいのが、修繕と原状回復、そして敷金の返還です。民法の現行の条文では、次のように定められています。

  • 貸す側は、借りたものの使用と収益に必要な修繕をする義務を負います。ただし、借りる側の責めに帰すべき事由で修繕が必要になったときは、この限りではありません(第606条第1項)。
  • 借りる側は、借りたものを受け取ったあとに生じた損傷(通常の使用による損耗と、経年変化を除く)について、賃貸借が終わったときに原状に復する義務を負います。ただし、その損傷が借りる側の責めに帰することができない事由によるときは、この限りではありません(第621条)。
  • 敷金は、賃貸借が終わって借りたものの返還を受けたときなどに、受け取った額から賃貸借に基づく債務の額を差し引いた残りを、貸す側が返さなければならないとされています(第622条の2第1項)。

契約書では、次の点を確かめておきます。

  • 設備の故障や雨漏りなどは、どちらが直すと書かれているか
  • 内装や看板の取付けに、貸す側の承諾が要るか
  • 退去するとき、内装をどこまで撤去し、どこまでを元に戻すと書かれているか
  • 敷金や保証金は、どのような場合にいくら差し引かれ、いつ返されるのか

実際の契約書には特約が書かれていることがあり、その内容を含めて確認することが大切です。前の借り手が残した設備(いわゆる居抜きの設備)を使う場合も、持ち主と、故障したときの責任、退去時の扱いを書面で確認してください。

会長、退去のとき、全部元に戻さないといけないんですか?

条文では、通常の使い方による傷みや年月による変化は対象から除かれているよ。

じゃあ、契約書の特約は気にしなくていいんですか?

いや、特約の中身が大事なんだ。書かれた範囲を読んで、疑問は署名の前に質問しよう。

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消防への届出は、開業の7日前までに間に合わせる

物件を借りて工事をし、お店を開く場合、消防への届出が必要になることがあります。東京消防庁のテナント向けの案内によると、届出は次のように分かれます。

  • 工事をせずに新たに入居して使う場合:使用を開始する日の7日前までに、防火対象物使用開始届出書を出す
  • 修繕、模様替え、間仕切り変更などの工事をして店舗を開く場合:着手する日の7日前までに、防火対象物工事等計画届出書を出す
  • 指定防火対象物などを使う場合:使用を開始する前に、消防署長の検査を受ける

届出には、防火対象物概要表、案内図、平面図などの書類が挙げられています。問合せ先は、建物の住所を管轄する消防署の予防課です。ここで示したのは東京消防庁の案内で、別の地域では管轄の消防署に確認してください。建物の所有者は、テナントに届出を適正に行うよう求めるよう努めることとされており、貸す側から案内を受けられる場合もあります。

内装工事の日程や開業日は、この7日前という日付から逆算して決めると、開業が延びる事態を防ぎやすくなります。業種によっては、保健所などへの許可や届出も別に必要になるため、あわせて確認してください。

会長、工事の前に出す届出と、開業の前に出す届出は、どっちを出せばいいんですか?

工事をするなら着手の7日前までの工事等計画届出書、しないなら使用開始の7日前までの使用開始届出書だよ。

どちらにしても、日付は決まっているんですね。

そう。開業日から逆算して、余裕をもって窓口に聞こう。

まとめ

店舗を借りる手順は、条件を決める、物件を探す、内見して質問する、契約前に説明を受ける、契約を結ぶ、工事と届出を進める、の6つです。とくに契約書では、借地借家法の更新や終了のルールと、更新のない定期建物賃貸借でないかどうか、民法の修繕・原状回復・敷金の考え方に沿った記載になっているかを確かめます。

消防への届出は、東京消防庁の案内では、使用開始や工事の着手の7日前までと日付が決まっています。内装工事や開業の日程は、届出の期限から逆算して組み立てます。口頭で聞いた話は書面かメールに残し、疑問は署名や押印の前に質問することが、あとから揉めないための基本です。

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この記事は2026年10月26日時点で確認した法令と公的資料にもとづく一般的な解説で、個別の物件や契約書の内容が適切かどうかを判断するものではありません。契約書の条項や特約の意味は、弁護士、行政書士、宅地建物取引士のいる不動産会社などの専門家に、消防の届出は管轄の消防署に、業種ごとの許可は保健所などの所管の窓口にご確認ください。最終的な判断は専門家や所管の窓口にご確認ください。

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