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村長のたぬきぽん。運用を始める前には、先に整えておくことがいくつかあるぽん。今日は公的な資料にそって、その順番を一緒に見ていくぽん。
この記事では、資産運用を始める前の準備を、7つの手順で整理します。特定の商品や金融機関をすすめるものではありません。内容は、2026年10月20日時点で確認できた金融庁、金融経済教育推進機構(J-FLEC)、消費者庁、国民生活センターなどの公表資料にもとづきます。
村長、運用って、お金があればすぐ始めていいものなのかなあ?
その前に整えることがあるぽん。収支とお金の置き場所を、先に確かめるぽん。
何から手をつければいいのか、迷っちゃうよ。
順番に並べれば迷わないぽん。まず全体の流れを見るぽん。
準備は7つの手順で進める
金融庁の「資産形成の基本」は、家計管理の基本を、収入と支出を把握・管理し、収支を黒字にして、黒字分を貯蓄することと説明しています。これを準備の手順に直すと、次の流れになります。
- 手取りの収入をつかむ
- 支出を固定費と変動費に分けて見直す
- 先に貯蓄に回す仕組みをつくる
- お金を「使う」「貯める」「増やす・備える」の3つに分ける
- 想定外の支出への備え(緊急用の資金)を考える
- 口座と制度(NISAなど)の条件を確認する
- 勧誘や詐欺の手口を知り、相談先を控えておく
手順1〜3:収入と支出をつかみ、先に貯める仕組みをつくる
手順1:手取りの収入をつかむ
J-FLECの教材「社会人として知っておきたいお金の話」(2026年6月版)は、給与明細から手取り収入(総支給額から社会保険料と税金を引いた額)を把握し、その範囲内に支出を収めることが基本だと説明しています。教材の例では、総支給27万円から社会保険料4.1万円と税金1.4万円を引き、手取りは21.5万円です。
手順2:支出を固定費と変動費に分けて見直す
同じ教材は、支出を、毎月一定額かかる固定費(住居費、通信費、保険料、ローン返済など)と、その時々で変わる変動費(食費、交通費、遊興費など)に分けています。見直しは優先順位をつけて行い、必要なもの(ニーズ)と欲しいもの(ウォンツ)を区別して、まず固定費から手をつけます。
手順3:先に貯蓄に回す仕組みをつくる
金融庁は、給料日に一定額を自動で貯蓄用の口座に移すなど、先に貯蓄に回し、残りでやりくりする方法も勧めています。J-FLECの教材も、お金に余裕ができたときに貯めるのは案外難しいため、無理のない範囲で給与天引きや口座引き落としを使い、先に差し引くことがポイントだとしています。
将来の家計収支は、金融庁の「ライフプランシミュレーター」でグラフにして確かめる方法もあります。結果は目安として使うよう案内されています。
手順4・5:お金を3つに分け、緊急用の資金を考える
手順4:お金を3つに分ける
J-FLECの教材は、お金を「使う」「貯める」「増やす・備える」の3つに分類し、仕組みで確保したお金を目的に応じて振り分けるよう示しています。
| 分け方(教材の呼び方) | 教材にある例 |
|---|---|
| 使うお金(日常生活に必要なお金。生活費) | 水道光熱費、通信費、遊興費、衣料品代など |
| 貯めるお金(近い将来に使う予定のお金。目的のあるお金) | 車の購入、住宅の購入、教育費、海外旅行代など |
| 増やす・備えるお金(当面使う予定のないお金) | 老後資金、大きなケガや病気に備えるお金など |
教材は、投資にはリスク(運用成果の振れ幅)もあることを理解し、無理のない範囲、つまり当面使う予定のないお金で行うよう述べています。金融庁も、株式や投資信託は預貯金より高いリターンを期待できる一方、元本割れのおそれがあると説明しています。金融広報中央委員会の「知るぽると」(アーカイブサイト)は、お金の目的(生活資金、ゆとり資金、増やす資金)に応じて、どれくらいリスクを取る余裕があるかを考えることが大切だとしています。
手順5:緊急用の資金を考える
J-FLECの教材は、金融リテラシーが高い人の特徴として、緊急時の備えがあるため、ケガや病気、不景気による収入減などの危機に強いことを挙げ、「望まない緊急支出」もあり得ることをイメージするよう促しています。
緊急用の資金は、いつ必要になるか読めないお金なので、すぐ換金できるか(流動性)を点検すると考えやすくなります。金融庁の表では、流動性は預貯金が「◎」、株式と投資信託が「◯」、債券が「△」とされています。
何か月分あればよいかは、収入の安定度、家族構成、加入している保障などで変わります。ここでは目安の数字は示さず、手順1・2で把握した月々の支出を物差しに、自分の事情で考えます。
村長、緊急用のお金は、いくら用意すればいいのかなあ?
一律の金額は決められないぽん。毎月の支出と家族の事情で変わるぽん。
運用に回すお金は、どう考えたらいいの?
当面使う予定のないお金の範囲で、無理なく行うよう説明されているぽん。
手順6:口座と制度(NISAなど)の条件を確認する
手順1から5で使うお金と長く置けるお金が見えてきたら、口座や制度を調べます。NISA(少額投資非課税制度)を例に、金融庁が示す点を整理します。
通常、株式や投資信託などの売却益や配当には約20%の税金がかかりますが、NISA口座で投資した金融商品から得られる利益は非課税になります。ただし投資できる上限金額は決まっており、売却しても損益がなくなるわけではありません。
- 銀行や証券会社などの金融機関にNISA口座を開設します。
- 日本国内に住む18歳以上(利用する年の1月1日時点)が対象です。2027年1月からは、つみたて投資枠の年齢要件が撤廃されると、金融庁は案内しています。
- 口座は1人1口座で、つみたて投資枠と成長投資枠を別々の金融機関で利用することはできません。
- 金融機関の変更は年単位で可能ですが、届出書の提出などの手続きと、提出できる期間の決まりがあります。
取り扱う商品や手数料、積立の条件などは、口座を開く金融機関の案内で確認します。開設先の登録の有無は、手順7の検索で調べられます。
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手順7:勧誘や詐欺の手口を知り、相談先を控える
運用の入り口では、投資をかたった詐欺にも注意が必要です。金融庁の「それ詐欺です!SNS上の投資勧誘にご注意ください!」(2025年12月23日公表、2026年3月5日更新)は、次のような事例に当てはまる場合、投資詐欺の可能性が高いとしています。すべてが詐欺とは限らないとも断っています。
- 動画投稿サイトの広告などからSNSのクローズドチャットに誘導され、「講師」などが投資を指南する
- 証券会社に似せた名称や、著名人の名称・画像が使われている
- 「政府公認」「金融庁の免許がある」などと偽る
- 入金先に個人名義の口座を指定される。最初は出金できても、まとまった額では断られる
国民生活センターは2026年9月1日に、SNSで著名人が勧める「もうかる方法」のトラブルに注意を呼びかけました。利益が出たとされたあと、高額な手数料や税金を理由に出金できず、連絡が取れなくなる事例が紹介されています。
J-FLECの教材は、「ローリスク・ハイリターン」の金融商品はないと述べ、「元本保証」「毎月○%の利益」といった宣伝文句を、ポンジ・スキームという詐欺の特徴として挙げています。勧誘を受けたときの確認の流れは、次のとおりです。
- 関わり合いにならず、冷静に対応し、その場で入金しない
- 業者名や電話番号を、金融庁の「金融事業者一括検索機能」で調べ、金融商品取引業などの登録を受けているか確かめる。無登録業者の警告情報も確認する
- 入金先が個人名義の口座なら、投資詐欺の可能性が高いとされています。金融庁は、証券会社が入金に個人名義の口座を指定することはないと案内しています
- 不安があれば、早めに相談する
相談先は、消費者ホットライン「188」(全国共通の3桁の番号)、警察相談専用電話「#9110」、金融庁金融サービス利用者相談室の「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」(0570-050588、平日10時から17時。2026年3月更新の金融庁のページによる)です。被害回復をうたう二次被害にも注意するよう、国民生活センターと消費者庁は呼びかけています。
村長、有名な人が広告で勧めていたら、安心していいのかなあ?
そうとは限らないぽん。著名人の画像が無断で使われる例が、公的機関から報告されているぽん。
じゃあ、どうやって確かめるの?
まず疑って、登録の有無を金融庁の検索で調べるぽん。迷ったら消費者ホットラインに相談ぽん。
まとめ
資産運用を始める前の準備は、次の順番で整理できます。
- 手順1から3: 手取りと支出をつかみ、先に貯蓄に回します。
- 手順4・5: お金を3つに分け、緊急用の資金を考えます。
- 手順6: 口座と制度の条件を、金融庁の案内で確認します。
- 手順7: 詐欺の手口を知り、相談先を控えておきます。
制度や相談窓口の内容は、変わることがあります。口座を開く前には、金融庁やJ-FLECの最新の案内と、金融機関の説明を確認してください。
この記事は、公的機関の公表資料を一般向けに整理したもので、特定の金融商品や金融機関をすすめるものではなく、投資の個別助言でもありません。投資には元本割れなどのリスクがあります。具体的な判断は、口座を開設する金融機関、ファイナンシャルプランナー、所轄の税務署や税理士に、投資をめぐるトラブルは消費生活センター、金融庁の相談窓口、警察にご確認ください。最終的な判断は専門家や所管の窓口にご確認ください。
参考にした公的資料
- 金融庁 NISA特設ウェブサイト「資産形成の基本」
- 金融庁 NISA特設ウェブサイト「NISAを知る」
- 金融庁 NISA特設ウェブサイト「よくある質問」
- 金融庁 NISA特設ウェブサイト「ライフプランシミュレーター」
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「社会人として知っておきたいお金の話」(2026年6月版)
- 金融広報中央委員会「知るぽると」(アーカイブ)「お金を増やしたい、でも損するのは嫌なんです」という人に!
- 金融庁「それ詐欺です!SNS上の投資勧誘にご注意ください!」
- 国民生活センター「SNSで著名人が勧める“もうかる方法” それって本当!?金融商品・サービスのトラブルにご注意!」(2026年9月1日)
- 消費者庁「SNSなどを通じた投資や副業といった『もうけ話』にご注意ください!」